真っ先に挙げられる理由は、これまで応援してくれたファンへのファンサービスと、新たなファンを開拓すること。

「これまで時間をかけ、お金を使って応援してくれたファンを笑顔にさせたい」という思いが無償でのエンターテインメント公開につながっています。また、現在は在宅率が高く、ネット接触時間が長くなっているからこそ、「生活が元に戻ったときに、自分の番組を見てもらう、ライブに来てもらう、商品を購入してもらうためのきっかけ作りになれば」という気持ちもあるでしょう。

 さらに、所属事務所や担当マネージャーからのアドバイスによるところもあるようです。重苦しいムードが漂う現在は、世間の人々を楽しませられれば好感度が上がり、SNSのフォロワーを増やすチャンス。報酬の発生する仕事ではないため、同じ事務所はもちろん他事務所の芸能人とコラボして相乗効果を狙えますし、多くの芸能人がはじめる前に先行することで注目を集められます。

 一部にYouTubeの広告収入が目的の芸能人もいるようですが、それをにおわせてしまうと好感度ダウンのリスクが高いため、現在は「無償でエンターテインメントを提供する」というスタンスの人が多いのでしょう。

 もう1つ忘れてはいけないのは、日ごろ多忙な芸能人たちに多くの空き時間が発生していること。先日、松本人志さんがツイッターに「ヒマヒマ」とつぶやき、明石家さんまさんも番組で「ここ何か月かは急きょヒマになった」とボヤいていたように、収録やイベントなどが中止されたことで、ネット上で発信できるゆとりが生まれているのです。好きな芸能人がいる人はSNSのコメント欄などで、「これやってほしい」とリクエストするのもアリでしょう。

 4月に入って「緊急事態宣言」が出されるなど状況が深刻化したことで、芸能人たちの心境にも変化が生まれているようです。たとえば、知人のある俳優は舞台が中止になるなど、演技の仕事ができなくなったことで、「つくづく自分はこの世界でしか生きられないし、やっぱりこの世界で頑張っていきたいと再確認した」と言っていました。そんな心境の芸能人たちが居ても立ってもいられずネット上でエンターテインメントを披露しているのかもしれません。

◆ネット上に芸能人のコラボが多いわけ

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