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大洋・関根潤三監督が“心中”した「1984年の遠藤一彦」

大洋のエースとして大車輪の働きをした遠藤一彦(左は加藤俊夫。時事通信フォト)

 ソフトな語り口で人気のあった野球解説者の関根潤三さんが4月9日、老衰のため逝去した。93歳だった。近鉄の創成期に投手、打者としてプレーした関根さんは1982年から大洋と1987年からヤクルトの監督を各3年務めた。両球団は1980年限りで巨人監督の座を追われた長嶋茂雄氏を迎え入れようとしたが、固辞された。そのため、長嶋氏と懇意にしていた関根さんを監督に据え、下地を作ろうとしていた。野球担当記者が話す。

「若手の育成が上手かった。大洋時代は2年目の高木豊を見出し、徹底的に鍛えて3割打者にした。高木は、関根監督最終年には盗塁王に輝いています。それまで先発かリリーフか固定されていなかった遠藤一彦の1本立ちにも成功した。遠藤は関根監督2年目には巨人の江川卓や西本聖を抑えて、単独で最多勝を獲得し、沢村賞も受賞した。翌1984年は17勝17敗で2年連続最多勝になっています。セ・リーグで勝利と敗戦の数が同じ最多勝投手は、この年の遠藤だけです」(以下同)

 1984年、大洋は前年の3位から最下位に沈んだ。打線は打率、本塁打、打点の3部門でリーグ最低に終わり、チャンスに打てないシーンが目立った。

「特に遠藤が投げる試合では、からきし打てませんでした。この年、遠藤は37試合に先発しました。そのうち、1試合の援護点3以下が19試合と過半数を超えていた。防御率は3.68でしたから、17勝17敗という数字も納得できます」

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