●『萬福』の「中華そば」(700円)、焼餃子(6個690円・ともに税込み)
40を過ぎると、こってりしたラーメンより、あっさりが癒やされる、というお客さんが多いです」。1929(昭和4)年、木挽町(こびきちょう)と呼ばれていた銀座2丁目東界隈で開業した「萬福」の3代目、久保英恭さんは言う。
スープも麺も具(薄い玉子焼きものる)も突出するものはなく、和食のようなやさしい調和が持ち味。しょうゆをベースにしたスープと、固すぎない麺もいいバランスだ。加えて、大きな豚もも肉で作る自家製チャーシューが適度なこってり感でよく合う。豚の赤身を使った餃子も香りよし、味よし。ほかの麺も飯類も美味で、毎日でも通える「町中華」の老舗だ。
・住所:東京都中央区銀座2-13-13
・営業時間:11時~15時 (L.O.)、17時~22時30分(L.O.)、土曜のみディナーは22時(L.O.)
・休:日曜・月曜(祝日の場合)
※チャーハンや定食はテイクアウト可能
●『萬来園(ばんらいえん)』の「エビチャーハン」(1000円・税込み)
米を使った料理の傑作はいろいろあるけれど、おいしい炒飯を食べたときの幸福感に勝るものはなかなかないのでは。なので、中国料理の名店との誉れ高いこの店がランチタイムにだけ提供する炒飯目当てに行列ができるのは不思議ではない。
中野勇人さんの料理は大胆でかつ繊細。大きな上海鍋を振りながら6人分の飯をいっきに炒めるけれど、仕上げは丁寧に1人ずつ。「米を焼くつもりで炒めて甘味を引き出すよう心がけています」と中野さんが言うように、仕上がりはみごと。味わいは複雑で、味ムラがいっさいないのにも感心。じつは麺類もあり、焼きそばも自信作だそう。
・営業時間:東京都品川区東大井5-6-8
・営業時間12時~13時
・休:水曜・日曜・不定休