跳ぶだけエクササイズのもうひとつの大きな魅力は、楽しく体を動かせることだ。嬉しいことがあった子供やロックのライブで気分がのってきた観客がその場で跳びはねるように、ジャンプには喜びや幸せの身体表現という側面がある。新型コロナで不安になって気が滅入る時期だからこそ、跳ぶだけエクササイズで気持ちを明るくしたい。

「自分の好きな音楽に合わせてジャンプすると楽しい気分になれますよ。一人でやるのはちょっと……という人は自宅で家族と一緒にやってもいい。いまは外で人が集まることは難しいので、家のなかで適度な距離を取りつつ家族と一緒に楽しんでほしい」(鑄山氏)

 もう3年以上、跳ぶだけエクササイズをやり続けている50代会社員が言う。

「私は毎朝、NHKの朝ドラのテーマ曲に合わせてジャンプしています。基本のジャンプに加えて、空手の突きのような動きや下半身のひねりを加えたオリジナルジャンプを開発し、毎朝楽しく跳んでいます。お金がかからないし道具もいらないのでありがたいですね」

 トレーナーの鑄山氏は、高齢者にはこんなアドバイスを送る。

「高齢者は無理に跳ぼうとせず、ベースジャンプの姿勢から踵だけ上げて、つま先を床から離さない『小刻みな屈伸』を繰り返すだけでも十分です。実際にジャンプをする場合にも大きな動きは必要なく、できる範囲の小さな動きをすれば大丈夫です」

 自宅でできる世界一簡単なエクササイズで気力と健康を維持して、新型コロナとの持久戦に打ち勝とう。

●取材・文/池田道大(フリーライター)

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