井上:では、午前中を効率的に使うために、朝食は何時頃に食べればいいのでしょう?
柏原:起床後1時間以内に食べるといいですね。食べずに動いても体温は上がっていきますが、食べてから動いた方がぐっと上がります。たとえば、駅まで10分歩く場合にも、体温が低いまま歩いたときと、ご飯を食べてから歩いたときでは、カロリーの消費量はだいぶ違います。
井上:実は僕も最近、柏原さん流の朝食を始めてみたんです。朝5時半頃に、玄米と味噌汁、納豆を食べる生活を始めて4日目なんですが。
柏原:素晴らしいですね! 4日間で何か変化はありましたか?
井上:玄米はよく噛まないといけないので、朝食の時間が長くなりました。それと、一番の変化はお昼までお腹がもつようになったこと。それまでは10時頃にはお腹がすいてしまって、間食をしていたんです。それがなくなりました。はい。実は僕、夕方や寝る前にもスナック菓子を食べていて、一日6食の日もありました。太った原因は絶対それだって、妻にも言われていたんですけど(笑)。
柏原:玄米や雑穀米は特にそうですが、お米って粒々していますよね。自然に噛む回数が増えます・それが大事なんです。噛むと、レプチンというホルモンが分泌されて食欲を抑制してくれます。お米、特に雑穀米を食べる生活を始めたら、間食や甘いものを体が欲しなくなったという方は多いですよ。
井上:それから、集中力も高まった気がします!
柏原:はい、お米を食べると、精神の安定を促すホルモンであるセロトニンが増えますから、集中力の持続や情緒安定にもつながるんです。お米には食物繊維やミネラルも豊富に含まれていて腸のゴミ出し効果もあるため、便通や肌の調子がよくなる人も多いです。また、発酵食品の味噌も身体を温める効果が強く、脂肪燃焼が進みやすい。ですから、ご飯と味噌汁と納豆という井上さんの朝食は理想的ですね。
朝、時間がなければ、卵かけご飯もお勧めです。卵には、9種類のアミノ酸もすべて必要量が含まれていますから、お米と一緒に食べると、朝から脳に栄養がいきわたります。
井上:でも、朝は食欲がないという人も多いですよね。
柏原:朝に食欲がないのは、夕食に原因があることが多いんです。夕食に肉などのおかずが多いと、朝まで胃腸がもたれてしまうことがあります。夕食のおかずを控えめにしてお米と味噌汁をとると、徐々に変わってくると思いますよ。
井上:では、夕食に何も食べないのは?
柏原:良くないですね。胃腸の7割は筋肉でできているので、頻繁に食事を抜くと、胃腸の筋力や消化能力も落ちてしまうのです。すると老化が進み、カロリー消費量も低くなります。