芸能

初の朝ドラでも存在感 わが道をゆく柴咲コウの強さと危うさ

各方面で存在感を増す柴咲コウ

 多くのドラマ、映画で活躍し女優として確固たるポジションを築いている柴咲コウ(38才)。この春、女優として、そして実業家としてさらに大きな注目が集まっている。そんな彼女の活動についてコラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 3日放送の朝ドラ『エール』(NHK)は、柴咲コウさんの独壇場でした。

 柴咲さん演じる世界的オペラ歌手・双浦環は、「最後のチャンス」と言われていたレコードが売れず失業と借金の危機に陥った古山裕一(窪田正孝)・音(二階堂ふみ)夫妻を救うべく、「私に歌わせて」と立候補。反対する大物作曲家・小山田耕三(志村けん)に直談判し、裕一が作曲した「船頭可愛や」を堂々と歌い上げてヒット曲にするなど、出色の存在感を見せました。

主演の窪田さんに「あなたの音楽を大勢の人に届けたい」と熱く訴えかけ、注目度の高い志村けんさんと対峙しても、視聴者の目は柴咲さんに釘付け。強くまっすぐな眼差し、艶やかな着物やドレス姿、強い信念で突き進む生き様に、「環は柴咲コウそのもの」という声が挙がっていました。

 強い信念で突き進む生き様は、朝ドラの双浦環だけでなく、この春の柴咲さん自身にも当てはまります。

◆自宅から愛猫と出演して驚かせる

 柴咲さんは3月31日で所属事務所を退社して独立。2016年に設立し、自らが代表を務めてきた会社「レトロワグラース」が芸能活動のマネジメントを行うことを発表しました。

 独立後にはさっそく朝ドラに初出演し、圧倒的な存在感と歌唱力を披露。5月8日には自宅に自ら機材をセッティングし、ヘアメイクも行うテレワークドラマ『転・コウ・生』(NHK)に愛猫と出演し、「ムロツヨシさんや高橋一生さんと入れ替わる」という設定で中年男を演じて世間を驚かせました。同作を手がけた脚本家・森下佳子さんと出演者の3人は、柴咲さん主演の大河ドラマ『おんな城主 直虎』のメンバーであり、この仕事を選ぶところに人の縁を大切にする彼女らしさが表れています。

 さらに特筆すべきは、ネット上での積極的な発信。柴咲さんは3月31日にYouTubeチャンネルを開設し、コンサートや写真撮影の様子、味噌や餃子作り、猫の紹介などの動画を公開しています。また、TwitterやInstagramへの投稿にも積極的で、とりわけ種苗法改正案に関するツイートは数万件ものリツイートや「いいね」を集めました。

 しかし、ツイートの中には反対意見も多く、柴咲さんが一部を削除したこともあって、誹謗中傷や脅迫のようなものも多かったそうです。ただこのようなバッシングに引き下がらないのが柴咲さん。「意見を言うことは、誰にも平等に与えられた権利」「事実とは異なる投稿、捏造、誹謗中傷、脅迫行為、ミスリードしさらなる事実誤認した記事の作成元に関しては法的措置も検討しています」「様々な人が健全にオープンに物事を語り合える高尚な社会をこれからも期待します」という毅然としたコメントを発信しました。

 初の朝ドラに挑み、自宅を映し、愛猫を出演させた芸能活動も、いまだ物議を醸し続けている種苗法に関わるツイートも、まさに独立独歩のスタンス。所属事務所から独立したことで、「自分が信じる道に突き進む」というスタンスが際立つようになり、強さだけでなく危うさも感じさせています。

ファンにしてみれば、「芯の強い女性」というイメージがあった柴咲さんが独立して思うままに活動しはじめたことで、「本当に強い女性だったんだ」と実感しているのではないでしょうか。ところが、独立には「自分一人で突っ走ってしまいがち」というウィークポイントもあり、特にSNSでの発信はリスクが高く、危うさが漂っているのです。

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