「安倍政権は昨年10月に消費税を8%から10%に引き上げ、それによって昨年10~12月期のGDPはすでにマイナス7.1%となっていた。東日本大震災による冷え込みを凌駕する落ち込みです。2014年の消費増税(5%→8%)と違って、外需が冷え込みつつあるなかでの増税で、見るも無残な結果となるのは明白だった。それを強行して景気に冷や水を浴びせた挙げ句、安倍首相は今年2月の月例経済報告で、この状況を“緩やかな回復”と表現して国民を欺いたのです」
そこを新型コロナが直撃し、日本経済はさらに深刻なダメージを受けたわけだ。藤井氏が続ける。
「コロナ対策でも、水際対策の不徹底や予算措置の遅れなどの失策が続き、経済的な被害は拡大した。日本経済の回復には、落ち込みの“原因”である消費税を0%に引き下げるべきなのに、その声は聞こえてこない。これでは政権継続の正統性を失うことになります。これまでアベノミクスの恩恵を受けて政権に好意的だった財界人からも、批判的な声が聞こえてくるようになりました」
※週刊ポスト2020年7月3日号