二つめは、「冷静な理性」をもつこと。
日本の新型コロナの死亡者は6月中旬の時点で930人に満たない。これに対して2018年のインフルエンザの死亡者は3325人。この年の肺炎の死亡者は9万5000人である。
アメリカでは新型コロナの死亡者がすでに10万人を超えているので、新型コロナウイルスが怖くないとは言わないが、ワクチンが実用化するまで、医療崩壊を起こさないように、行動で感染拡大を抑制することはできると思う。
今は感染者ゼロを目指しているわけではない。むしろ、感染者ゼロを目指してしまうと、命は守れるかもしれないが、心や経済が壊れてしまう。心や経済が壊れてしまえば、第2波が来たとき、もう二度と自粛要請にはこたえられないのではないか。それはとんでもない悲劇を生む可能性がある。長期戦を生き抜くには、命、心、経済の3つをバランスよく守っていくことが重要だと思う。
みんながウイルス恐怖症にかかり過剰反応を起こさないために、冷静な理性を保ちたいと思う。
三つ目は、「怒りをコントロール」する。アンガーマネージメントについては、以前この連載で書いた。怒りのピークは6秒と言われている。SNSで反応する前に、6秒待ってみよう。6秒待っても怒りが収まらない場合は、コーヒーでもお茶でもいい、いっぷくする。それでもだめなら一晩寝る。たいていの怒りは朝起きたときには消え、多角的に物事を考える余裕が出てくる。ギスギスした社会の空気を生み出さないためにも、この3段階のアンガーマネージメントをしてほしい。