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2020.07.12 07:00  NEWSポストセブン

都知事選、ある泡沫候補の政見放送 笑ってはいけなかった箇所

候補者は乱立した(時事通信フォト)

 なぜって、どうして想像できなかったのだろう。大人の紙おむつっていうのは、仕方なくするものだ。人によっては、自分の尊厳を大いに傷つけられながら、しかし、病気や障害などでそうするしかないので紙おむつをはく。

 要介護の高齢者とてそうだ。認知症の人でも、紙おむつに抵抗を覚える人は多い。やはり尊厳に関わるからだ。そこに「お漏らし」しても、ケアスタッフに隠してしまう人も少なくないと聞く。他の誰かに下の世話を喜んでしてもらう人などいないからだ。そうなってしまった自分というものは、なかなか受け入れがたいのだ。

 当事者の家族だって複雑な気持ちである。高齢だから仕方ない、と簡単に割り切れるものではない。語弊のある言い方かもしれないが、紙おむつを使うには、壊れていく親を直視する必要がある。自分を育ててくれた親という像を、別のものに描き変える必要がある。それは悲しく、辛い経験だ。

 政見放送を見た人の中には、当事者もその家族も大勢いたはずである。後藤候補はほんの少しでも、そういう目線のあることを想像しただろうか。していないから笑いネタにできたのだろう。若いから仕方ないか。否、その程度の想像力のない人は、泡沫候補だろうが政治家を志してはいけない。

 公職選挙法には、「NHKおよび基幹放送事業者はその政見をそのまま放送しなければならない」という決まりがある。また、「他人若しくは他の政党その他の政治団体の名誉を傷つけ若しくは善良な風俗を害し又は特定の商品の広告その他営業に関する宣伝をする等いやしくも政見放送としての品位を損なう言動をしてはならない」との制限もある。

 紙おむつもシミも、法的制限にはひっかからないだろう。でも、ダメなのだ。どうしても裸になりたかったのなら、それこそアキラ100%のように、お盆でも持ってふるちんで自分を表現すれば良かったのである。

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