大学時代の仲間をイメージした楽曲

 昨年11月、吉田は12年ぶりに「すべての始まり」の地・広島を訪れた。

 その前の訪問は2008年8月。母校の広島修道大学に建てられた「吉田拓郎歌碑」の除幕式に招かれたのだった。

「当日の拓郎さんは顔色があまりよくなく、やせて体調が悪そうでした。それなのに、わざわざ広島まで来てくれたことに感激しました」(60代の地元男性ファン)

 当時、吉田は長きにわたる闘病の真っ暗なトンネルの中にいた。2003年、肺がんが見つかり、肺の3分の1を切除。妻の森下愛子(62才)の支えもあり、懸命のリハビリを重ねて回復した。2007年には《更年期障害、ストレス、うつ病への入り口》とブログで告白してツアーを途中でキャンセル。2008年の母校訪問を挟んだ2009年のツアーも、慢性気管支炎で中止を余儀なくされた。2014年には喉にがんが見つかり、2か月間に及ぶ放射線治療を行った。

「肺を3分の1切除して肺活量が少なく、体内に取り入れられる酸素が少ないうえ、放射線治療の副作用である倦怠感もひどかった。喉が痛くて食事もとれないのでどんどんやせていきました。現在も体のケアを続けていますが、本人は周辺に『俺はもうダメかもしれない』と弱気な一面を見せることも少なくありません」(芸能関係者)

 ただし、音楽活動には変わらぬ意欲を燃やしている。

「まだスケジュールは決まっていませんが、ツアーを考えていると聞きます。現在も力を振り絞って楽曲を制作しています。本人は『最後のアルバムになるかもしれない』という決意で臨んでいるようです」(吉田の知人)

 吉田はこれまで、『落陽』『夏休み』『結婚しようよ』など数多くの名曲を生み出してきた。なかでも「友人」を歌った曲として有名なのが『我が良き友よ』(1975年)だ。この歌は、広島を離れて5年後に作られたものだ。

「拓郎さんがムッシュかまやつさんに提供した楽曲で、90万枚を売り上げました。のちに本人もセルフカバーをしています。拓郎さんは大学時代の応援団の仲間をイメージして作詞作曲したそうです。彼の頭にはいつも広島時代がある。離れてもその時々に広島のイメージをほうふつとさせる曲を作っているのはそのためでしょう」(音楽業界関係者)

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