箱根駅伝を終え、創価大では既に新チームが始動している。新主将には、今年の箱根で5区を走り、優勝のテープを切った三上が就任した。
「昨年のチームスタート時は、目標の『総合3位』はハードルが高いと正直思っていました。練習を重ね、秋のレース以降は多くの選手が自己ベストを更新し、それが自信となって大会前には力さえ発揮できれば達成できると思えるようになりました。確かに、掲げた目標を達成できたことは嬉しいですが、最後に逆転されてしまった。大舞台の経験が少なく、細かい部分を詰め切れていなかったからだと思います」
さらに三上は、創価大を選んだ理由を「体験入部で雰囲気が良かったから」と話し、大学で「考える力が備わった」と続けた。
「駅伝はチームスポーツですが、レース中は自分自身で判断しなければならないことも多い。一人ひとりが主体的に取り組む創価大のやり方が、力を発揮できた要因だと思う。この結果に満足することなく、来年の箱根でもチャレンジ精神を忘れず、一丸となって頑張りたい」
2015年の初出場から4度目にして往路で優勝し、総合2位となったことを、創価学会の機関紙である聖教新聞はこんな見出しで報じた。
《総合2位 開学50周年飾る快挙》
創価大への入学にあたって、選手に入信の義務はなく、榎木監督も「宗教を問うことはしておりません」という。しかし、聖教新聞紙上で創立者の池田大作名誉会長や学会員が喜んでいるというニュースは目にしたという。
「創価学会の方のみならず、全国の応援してくださっている皆さんの期待に少しでも応えることができたのであれば幸いです」
国内の新宗教は、どこも信者の高齢化と共に信者数が減少傾向にあり、新規の信者獲得に苦心している。系列の大学・高校のスポーツにおける活動が、宗教団体に灯火をもたらしているとは言えるだろう。
■取材・文/柳川悠二(ノンフィクションライター)