国内

ネット黎明期に眞子さまを崇めたオタクたちはいま何を思うのか

2020年の新年一般参賀に臨まれる秋篠宮家の長女眞子さまと次女佳子さま(時事通信フォト)

2020年の新年一般参賀に臨まれる秋篠宮家の長女眞子さまと次女佳子さま(時事通信フォト)

 インターネット掲示板への相談の書き込みから映画やドラマになったラブストーリー『電車男』が生まれたのが2004年、その2000年代は様々なネットアイドル的な存在が現れては消えた時代でもあった。俳人で著作家の日野百草氏が、かつて秋篠宮眞子さまをネット民とともに「マコリンペン」と呼んだ男性の心象風景についてレポートする。

 * * *
「マコリンペン、大好きだったのに。時の流れって残酷だよね」

 由井信次さん(50代・仮名)はそう言って筆者にスマホの画面を見せる。どれも15年くらい前に信次さんが描いたイラストだ。今となっては古色蒼然のアニメやゲームのキャラクターが並ぶその中に、セーラー服姿の凛とした”マコリンペン”がいる。

「いま“マコリンペン”なんて言っても若い人には通じないけど、当時のネットじゃアイドルだったもんね、萌え、いや崇拝の対象かな」

 信次さんと筆者は長い付き合いだ。彼はごく短い期間だがイラストレーターをしていた。イラストレーターといってもオタク系専門誌のカット程度、大きな仕事とは無縁のまま現在は別の仕事をしている。商業誌のプロとしては短命だったが2000年代のネット界隈、匿名の画像掲示板ではそれなりに人気のイラストを上げていた。そんな彼を四谷三丁目店のファミレスに呼び出したのはその“マコリンペン”のことを聞きたかったからだ。彼の話すムーブメントは、確かに“いにしえのネット空間”に存在した。それを再確認したかった。

「誰かは知らないけど、マコリンペンって名づけた人は神だよね、誰がつけたかわからないってのもいい」

“マコリンペン”とは、眞子内親王、秋篠宮眞子さまのことである。もちろん信次さんが名づけたわけではない。名無しの誰かが名づけたものが広がり、そして定着した。いわゆるインターネット・ミーム(ネットミームとも)である。誰がつけたかわからないからこそ、その言葉は共有物として育つ。古歌の「詠み人知らず」は現代のネット空間にも生きている。

「ほんと人気あった。皇室のネットアイドルって彼女が最初でしょ、まさに“俺たちの眞子さま”だった」

 まだ緊急事態宣言前、昼間から100円ワインを飲みながらの思い出話。そう、確かに眞子さまは「俺たちの眞子さま」――“マコリンペン”として、2000年代ネット民のアイドルだった。匿名掲示板や画像掲示板には彼女をいわゆる「萌え」化したイラストが投稿され、その姿はいつしか現実のご本人を離れ、平成の御国に降臨した姫君として崇められた。古くは“サーヤ”こと清子内親王もオタクのアイドルだったが前世紀の話、ネットミームとしての最初の皇室アイドルは眞子さまである(その後、ご成長された佳子さまも加わる)。

関連記事

トピックス

左:激太り後の水原被告、右:
【激太りの近況】水原一平氏が収監延期で滞在続ける「家賃2400ドル新居」での“優雅な生活”「テスラに乗り、2匹の愛犬とともに」
NEWSポストセブン
折田楓氏(本人のinstagramより)
「身内にゆるいねアンタら、大変なことになるよ!」 斎藤元彦兵庫県知事と「merchu」折田楓社長の“関係”が県議会委員会で物議《県知事らによる“企業表彰”を受賞》
NEWSポストセブン
“ボディビルダー”というもう一つの顔を持つ
《かまぼこ屋の若女将がエプロン脱いだらムキムキ》体重24キロ増減、“筋肉美”を求めて1年でボディビル大会入賞「きっかけは夫の一声でした」
NEWSポストセブン
チームを引っ張るドミニカ人留学生のエミールとユニオール(筆者撮影、以下同)
春の栃木大会「幸福の科学学園」がベスト8入り 元中日監督・森繁和氏の計らいで来日したドミニカ出身部員は「もともとクリスチャンだが幸福の科学のことも学んでいる」と語る
NEWSポストセブン
横山剣(右)と岩崎宏美の「昭和歌謡イイネ!」対談
【横山剣「昭和歌謡イイネ!」対談】岩崎宏美が語る『スター誕生!』秘話 毎週500人が参加したオーディション、トレードマークの「おかっぱ」を生んだディレクターの“暴言”
週刊ポスト
お笑いコンビ「ガッポリ建設」の室田稔さん
《ガッポリ建設クズ芸人・小堀敏夫の相方、室田稔がケーブルテレビ局から独立》4月末から「ワハハ本舗」内で自身の会社を起業、前職では20年赤字だった会社を初の黒字に
NEWSポストセブン
”乱闘騒ぎ”に巻き込まれたアイドルグループ「≠ME(ノットイコールミー)」(取材者提供)
《現場に現れた“謎のパーカー集団”》『≠ME』イベントの“暴力沙汰”をファンが目撃「計画的で、手慣れた様子」「抽選箱を地面に叩きつけ…」トラブル一部始終
NEWSポストセブン
母・佳代さんのエッセイ本を絶賛した小室圭さん
小室圭さん “トランプショック”による多忙で「眞子さんとの日本帰国」はどうなる? 最愛の母・佳代さんと会うチャンスが…
NEWSポストセブン
春の雅楽演奏会を鑑賞された愛子さま(2025年4月27日、撮影/JMPA)
《雅楽演奏会をご鑑賞》愛子さま、春の訪れを感じさせる装い 母・雅子さまと同じ「光沢×ピンク」コーデ
NEWSポストセブン
自宅で
中山美穂はなぜ「月9」で大記録を打ち立てることができたのか 最高視聴率25%、オリコン30万枚以上を3回達成した「唯一の女優」
NEWSポストセブン
「オネエキャラ」ならぬ「ユニセックスキャラ」という新境地を切り開いたGENKING.(40)
《「やーよ!」のブレイクから10年》「性転換手術すると出演枠を全部失いますよ」 GENKING.(40)が“身体も戸籍も女性になった現在” と“葛藤した過去”「私、ユニセックスじゃないのに」
NEWSポストセブン
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《真美子さんの献身》大谷翔平が「産休2日」で電撃復帰&“パパ初ホームラン”を決めた理由 「MLBの顔」として示した“自覚”
NEWSポストセブン