『鎌倉殿の13人』では、もうひとりの女剣士が登場する。刺客・善児の弟子で、山本千尋さん(26)演じるトウだ。「巴とトウが闘ったらどっちが強いか」など、本筋とは違うところで盛り上がる視聴者も続出した。
「確かにSNSを中心にそういう話題が盛り上がっていたらしいですね。実は本編ではカットされてしまったんですけど、実際に巴御前とトウが対峙するシーンがあったんですよ。刺客のトウが横田栄司さん(51)演じる和田義盛の命を狙っていることに、巴が気づくっていうシーンです。そこで2人が静かに睨み合う。
その頃は和田義盛の寵愛を受けて戦いから遠ざかっていた巴自身、女剣士という感覚は薄らいできているのかなぁって時期なんです。でもトウと対峙することで、戦場の感覚がまだ巴には残っている──そんなシーンになるはずだったんです。だからぜひ見てほしかったんですけどね。
巴を演じた私自身も、放送を観ながら毎回笑ったり泣いたり、感情が追いつかなかったけれど、毎週末皆さんがいろんなことを感じてくださっているんだろうなってことをSNSなどを通して感じていました。そんな作品に携われることができて、本当によかったなと思っています」
聞き手・文/末並俊司
【プロフィール】秋元才加(あきもと・さやか)/1988年生まれ。2006年、アイドルグループ・AKB48、チームKの一員としてデビュー。その後同チームのキャプテンを務めた。AKB在籍中から映画やテレビで活躍。NHKでは「戦艦大和のカレイライス」「嫌な女」「スクラップ・アンド・ビルド」など、大河ドラマは「鎌倉殿の13人」が初。
大河ドラマ『鎌倉殿の13人』 最終回「報いの時」
NHK総合ほか 12月18日(日)20時~
反目する北条義時(小栗旬)を討ち取るため、義時追討の宣旨を出し、兵を挙げた後鳥羽上皇(尾上松也)。これに対し、政子(小池栄子)の言葉で奮起し、徹底抗戦を選んだ幕府は、大江広元(栗原英雄)や三善康信(小林隆)の忠言を聞き入れて速やかに京へ派兵することを決断。泰時(坂口健太郎)、平盛綱(きづき)らが先発隊として向かい、時房(瀬戸康史)らが続く。