国内

【苦悩する公明党】自民党が統一教会問題そっちのけで展開した「反創価学会キャンペーン」の悪夢再来か

公明党は苦しい局面に立たされるか(山口那津男代表)

公明党は苦しい局面に立たされるか(山口那津男代表)

 2022年でもっとも重大な事件の一つであった、安倍晋三・元首相の銃撃事件。それ以来、永田町は「政治と宗教」の関係で大きく揺れた。自民党と旧統一教会の問題だけではなく、公明党・創価学会への視線も厳しくなり、連立を組む自公の間にはすきま風も吹いている。苦しい立場に置かれつつある公明党と創価学会の現状と展望について、元通産官僚で評論家の八幡和郎氏がリポートする。(文中一部敬称略)

 * * *
 旧統一教会をめぐる騒動と攻防は、とばっちりで「創価学会・公明党」にも波及し、野党勢力だけでなく、保守派からも公明党が憲法改正などのブレーキになったり、中国との友好関係が深いことから、この際、自公連立を解消すべきとの極論も出るなど激しさを増している。

 もっとも、憲法改正についていえば、自民党が衆参両院で過半数を大きく上回る議席を確保できて憲法改正発議が視野に入ってきているのも創価学会・公明党のおかげだし、それ以上に、国民投票で勝利しようとすれば、少なくとも公明党の消極的支持が絶対条件なのだから、ある種の牽制に過ぎないのかも知れない。

 しかし、創価学会・公明党にとっては、保守派からの攻撃が、1990年代の細川政権のときから自公連立の成立まで自民党が中心になって繰り広げた「反創価学会キャンペーン」の蒸し返しだとして憤激の材料となっている。拙著『日本の政治「解体新書」 世襲・反日・宗教・利権、与野党のアキレス腱』では、当時の反創価学会キャンペーンが生まれた背景となぜ収束したかを時間的経緯を押さえながら振り返った。その概要は以下の通りだ。

もともと日蓮正宗系の教育団体から出発した創価学会は、1952年に宗教法人となり、「折伏大行進」という大規模な布教活動が行い勢力を拡大した。戦後、増えた都市住民の求めることによく応えたからである。

 創価学会は、1955年に政界進出を目的として文化部を創立し、同年の統一地方選挙において首都圏で合計53議席を得た。1956年には国政に進出し、参議院議員で3議席を得ている。

 1960年の池田大作氏の第3代会長就任ののち、1961年に政治局、次いで政治団体としての「公明政治連盟」が設けられた。1963年の東京都議選では17議席を獲得して第3党となっている。

 しかし、1964年に宗教と政治は次元が異なるとし、公明政治連盟は独立した政治団体となり、創価学会は、支持団体、推薦団体として自らを位置付けていくとした。学会としての「宗教と政治の分離」宣言である。

関連記事

トピックス

和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン
『徹子の部屋』に月そ出演した藤井風(右・Xより)
《急接近》黒柳徹子が歌手・藤井風を招待した“行きつけ高級イタリアン”「40年交際したフランス人ピアニストとの共通点」
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
《長野立てこもり4人殺害事件初公判》「部屋に盗聴器が仕掛けられ、いつでも悪口が聞こえてくる……」被告が語っていた事件前の“妄想”と父親の“悔恨”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《坂口健太郎との熱愛過去》25歳の永野芽郁が男性の共演者を“お兄ちゃん”と呼んできたリアルな事情
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン