低迷したまま引退か、その後復活か
最後に高卒16年目に数字を落とした6選手は、以下の通りだ。
野村克也(1969年・南海)2割4分5厘、22本、52打点
山崎武司(2002年・中日)1割9分2厘、2本、5打点
江藤智(2004年・巨人)2割2分7厘、4本、15打点
宇野勝(1992年・中日)2割3分9厘、11本、52打点
松井秀喜(2008年・ヤンキース)2割9分4厘、9本、45打点
池山隆寛(1999年・ヤクルト)2割2分1厘、8本、23打点
宇野勝はオフにロッテへトレードされ、さらに成績が低迷して1994年に引退。池山はこの年にレギュラーを岩村明憲に奪われ、その後は代打の切り札となって2002年に現役から退いた。江藤智は翌年オフに豊田清の人的補償で西武に移籍して2008年の日本一に貢献したが、16年目以降一度も2ケタ本塁打を記録できず、2009年限りで身を引いた。
しかし、他の3選手は、その後、復活を果たしている。野村克也は兼任監督に就任した翌年に2割9分5厘、42本、114打点。ホームランと打点はともにリーグ2位だった。1972年には37歳で打点王になっている。山崎武司は山田久志監督との確執もあって不調に終わると、オフにオリックスに移籍し、翌年22本塁打と復調する。野村監督に巡り合った楽天時代の2007年には38歳でホームラン王と打点王を獲得した。松井秀喜は左ヒザの怪我の影響があって93試合の出場にとどまったが、翌年は28本塁打、90打点を挙げ、ワールドシリーズではアジア人初のMVPに輝いた。
このように高校出身で若い頃からチームの主軸を担い、300本塁打以上を放った選手は15年目前後に一度、壁に当たって調子を落とすものの、その後かなりの確率で復活を果たし、30代後半になっても活躍する姿が目立っている。中田翔は一昨年大スランプに陥り、昨年も序盤に二軍落ちを経験するなどしたが、後半戦は4番に定着するほど巻き返した。
過去の例を見ても、高校出身16年目の34歳はまだまだ老け込む年ではない。岡本和真と共に今年も巨人を引っ張り、落合博満以来となるセ・パ両リーグでの打点王獲得となるか──。