今後の作品にも期待が高まる(2022年12月、東京・千代田区。写真/宮内庁提供)
中学生になると愛子さまは、天皇、そして皇室という存在をより広い視野で捉えられ、ご自身の役割や責任についても思いを馳せられた。学習院女子中等科の卒業文集(2017年3月)では、広島平和記念資料館を訪れた際の思いを《世界の平和を願って》と題し表現されていた(一部抜粋したものを文末に掲載)。
「上皇ご夫妻や両陛下が4つの日(沖縄慰霊の日、広島原爆の日、長崎原爆の日、終戦記念日)を重要視される姿を、愛子さまは目の当たりにされてきました。ご自身もまた、これらの日はご家族とともに黙祷を捧げられています。両陛下から学び、ご自身でも向き合い、考え続けて身につけられていった答えのひとつに“世界の平和への願い”があったのだと思います。
臨場感にあふれた表現からは、愛子さまが原爆投下の事実に胸を痛められ、次の世代を担う皇室の一員として、平和を考え続けなくてはいけないという決意がにじんでいるのを感じました。深いお気持ちが、文章に出ていたのではないでしょうか」(皇室ジャーナリスト)
成人後も、言葉への関心は高まる一方だという。
「歴史書や古文書が所蔵されている宮内庁の書陵部へ、よく足を運ばれています。長い時間をかけて調べ物をされることもあるようです」(前出・宮内庁関係者)
大学卒業後、イギリスへの留学に向けて調整が進められているという愛子さま。海外での経験を経て、文才に磨きがかかるのではと期待の声が上がっている。
「海外で生活される中で、“この日本語は英語に訳す場合はどうなるか”を考えることで、英語力だけではなく、日本語の語彙や表現力もさらに豊かになるでしょう」(前出・宮内庁関係者)
今後、愛子さまは皇族としてさまざまな公務の場に立たれる。洗練されたお言葉は国民の胸を打ち、愛子さま、ひいては皇室への敬愛の気持ちへとつながっていくだろう。
「皇族としてのお役目の一方、皇室の皆さまはそれぞれにライフワークをお持ちです。愛子さまにとっては、それが言葉であり、文章なのでしょう。末は国文学者か作家にもなれるほどの文才を持つ愛子さまが、この先どのような作品を生み出されるのか、期待に胸を膨らませる人も多いのではないでしょうか」(前出・皇室ジャーナリスト)
まずは、4年間の研究の集大成である卒業論文に注目が集まる。