丸佳浩
原政権の“負の遺産”にばかり厳しく接し、自身が目をかけてきた“身内”に甘いとなれば、監督としての求心力が低下しても仕方がないという指摘だ。
「前政権では原監督が周囲にイエスマンを集め、母校・東海大のOBをコーチに起用。自らが目を掛ける選手には温情を持って接したことが弱体化につながった」(スポーツジャーナリスト)とされるが、阿部監督がその流れからどう脱却できるかがカギだ。
「今オフは阿部監督の母校である中央大出身の鍬原拓也(27)や鍵谷陽平(33)も戦力外になった。球団の方針を阿部監督が追認したとされるが、中央大の後輩という身内も“特別扱いしない”という意思の表われとも取れます」(同前)
阿部監督が、外様・身内を問わず、その意思をどこまで貫けるかだろう。
「本気で阪神の岡田監督を手本とするなら、腹を決めて若手にチャンスを与えなければならない」(前出・スポーツ紙デスク)
それができるかが、「原タワーの有無」などといった見かけの話にとどまらない、本当の“脱・原野球”を実践できるかの分水嶺となるはずだ。
※週刊ポスト2023年12月1日号
