国内

【衝撃の法廷レポ】頂き女子りりちゃん「5000万以上いただいてるおぢ」との証拠LINEと4000万円貢いだホストの意外な現在

「りりちゃん」こと渡辺真衣被告

「りりちゃん」こと渡辺真衣被告(YouTubeより)

“頂き女子りりちゃん”を名乗り、男性から金銭を騙し取る方法をまとめた「マニュアル」の販売による詐欺幇助容疑などで今年8月に逮捕され、その後、起訴された渡辺真衣被告(25才)。渡辺被告が騙し取った総額は約2億円にものぼり、その大半がホストに流れていたことが明らかになっている。11月に開かれた初公判に続き、12月6日に行われた2回目の公判の様子を歌舞伎町の住人を取材した『ホス狂い~歌舞伎町ネバーランドで女たちは今日も踊る~』の著書があるノンフィクションライターの宇都宮直子氏がリポートする。

 * * *

 当日の朝、公判が行われる名古屋地裁前には傍聴券を求める長い列ができていた。世間の耳目を集める事件の公判はテレビ局員や新聞記者、そして筆者のようなフリーランスの記者などメディア関係者でごった返すのが常だが、今回はどうも様子が違う。

「おっ!今日もいつも見た顔ばかりじゃないか」と談笑する「傍聴マニア」らしきシニアグループたちや、「女性がお金を騙し取る事件って言えば、筧千佐子を思い出すのよね……」とひたすら女性の起こした事件について語り続ける「事件マニア」的な中年女性といった明らかにマスコミ関係者ではない“一般人”が目につく。とりわけ目立っていたのはフリルのついたシャツにミニスカートを着て明るい髪色をしたいわゆる“地雷ファッション”に身を包んだ、およそ法廷には似つかわしくないような渡辺被告と同年代の女のコたち。

 その中のひとりが「当たった!当たった!」と歓声を上げると地裁前は何とも言えない雰囲気に包まれた。彼女たちは「りりちゃん」のファンのようだった。

 X(旧Twitter)やYouTubeなどで「頂き女子」と自称して「おぢ」と呼ぶ年上の男性たちから多額の金銭を詐取するための情報商材である“恋愛マニュアル”を販売し、また自らもそのマニュアルを駆使して荒稼ぎしていた渡辺被告は、パパ活女子や金欠に悩むホス狂いたちの間で神格化されており、今回逮捕に至ったのも、実際にマニュアルを購入した名古屋市在住の女子大生(21才)が男性2人から1000万円をだまし取った事件がきっかけだった。

 筆者が3年前、コロナ禍まっただ中の歌舞伎町に住み、ホス狂いの女のコたちを取材している頃も「私、りりちゃんと繋がっているから……」と誇らしげに話すコや、彼女に感化されて「どこかにいい“おぢ”、いないですかね?」と聞いてくる「りりちゃんフォロワー」に数多く遭遇している。確かに当時、取材のためにホス狂いやパパ活女子のSNSを片っ端から読んでいる中でも、担当ホストにありったけのお金を注ぎ込みながら“おぢ”たちに数千万円を振り込んでもらう怒濤の日々を、自虐する訳でも自慢する訳でもなくせっせと綴り、フォロワーからの相談に真摯に答える「りりちゃん」のSNSは独特の魅力があった。

 特に印象的だったのはホストクラブで豪遊する自らの姿や、大量の札束の画像に紛れこませるようにしてポツリと投稿された「誰も知らない、わたしだけの物語」という呟きだ。なにか非常に異質に感じられ、当時の私に強烈な印象を残していた。

 しかし歌舞伎町で有り金を使い果たした末に自殺未遂や殺人未遂を起こし、行方が分からなくなるホス狂いたちを数え切れないほど見てきた筆者は、それと同じくらい「危うさ」も感じていた。いつか終わりが来るだろうと。《はやく捕まえてほしいと思う》──怒濤の投稿に隠れるようにしてそんな風にたびたびSNSに綴っていた彼女こそ、それを一番強く感じていたのかもしれない。実際に捕まってしまったいま、渡辺被告は何を思うのか。

関連記事

トピックス

野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
川道さら
【「今日好き」で大ブレイク】20歳を迎えた川道さらが語った仕事への思い「お酒で体重増えたから毎日9~10㎞走っています」
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン
話題を集めた佳子さま着用の水玉ワンピース(写真/共同通信社)
《夏らしくてとても爽やかとSNSで絶賛》佳子さま“何年も同じ水玉ワンピースを着回し”で体現する「皇室の伝統的な精神」
週刊ポスト
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
《駆除個体は名物熊“岩尾別の母さん”》地元で評判の「大人しいクマ」が人を襲ったワケ「現場は“アリの巣が沢山出来る”ヒヤリハット地点だった」【羅臼岳ヒグマ死亡事故】
NEWSポストセブン
決勝の相手は智弁和歌山。奇しくも当時のキャプテンは中谷仁で、現在、母校の監督をしている点でも両者は共通する
1997年夏の甲子園で820球を投げた平安・川口知哉 プロ入り後の不調について「あの夏の代償はまったくなかった。自分に実力がなかっただけ」
週刊ポスト
真美子さんが信頼を寄せる大谷翔平の代理人・ネズ・バレロ氏(時事通信)
《“訴訟でモヤモヤ”の真美子さん》スゴ腕代理人・バレロ氏に寄せる“全幅の信頼”「スイートルームにも家族で同伴」【大谷翔平のハワイ別荘訴訟騒動】
NEWSポストセブン
中居正広氏の騒動はどこに帰着するのか
《中居正広氏のトラブル事案はなぜ刑事事件にならないのか》示談内容に「刑事告訴しない」条項が盛り込まれている可能性も 示談破棄なら状況変化も
週刊ポスト
離婚を発表した加藤ローサと松井大輔(右/Instagramより)
「ママがやってよ」が嫌いな言葉…加藤ローサ(40)、夫・松井大輔氏(44)に尽くし続けた背景に母が伝えていた“人生失敗の3大要素”
NEWSポストセブン
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
【観光客が熊に餌を…】羅臼岳クマ事故でべテランハンターが指摘する“過酷すぎる駆除活動”「日当8000円、労災もなし、人のためでも限界」
NEWSポストセブン
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《金メダリスト・北島康介に不倫報道》「店内でも暗黙のウワサに…」 “小芝風花似”ホステスと逢瀬を重ねた“銀座の高級老舗クラブ”の正体「超一流が集まるお堅い店」
NEWSポストセブン
夏レジャーを普通に楽しんでほしいのが地域住民の願い(イメージ)
《各地の海辺が”行為”のための出会いの場に》近隣住民「男性同士で雑木林を分け行って…」 「本当に困ってんの、こっちは」ドローンで盗撮しようとする悪趣味な人たちも出現
NEWSポストセブン