芸能

『コタツがない家』小池栄子も…ドラマから消えた「ヒール音」 音響担当者も「使わない」背景

(番組ホームページより)

父、夫、息子と3人のダメ男に翻弄される女性経営者役を演じた(番組ホームページより)

 ドラマの中で登場人物が使用したり身に着けたりする家具などの小道具や衣装。それらのスタイルは時に流行を生み出し、またある時は流行を映す鏡ともなる。ドラマオタクのエッセイスト、小林久乃氏は、ドラマの中のある「効果音」にトレンドの変化を感じたという。1990年代から2020年代にかけて、その音は「意味」まで変わってきたようだ。小林氏が考察する。

 * * *
 年末年始の恒例行事と化したTVerの番宣を兼ねた過去作ドラマ祭りが始まった。古くは1990年代から最近のドラマまで、一気に無料配信している。これが“昭和生まれ、平成青春育ち”からすると、非常に楽しい。地上波のテレビ番組を見ているよりも、時に高揚感を感じることがある。

 どんな作品を見ているのかというと……まずは平成が残した名作で、私がほぼセリフを覚えるまで繰り返し見た『ロングバケーション』(フジテレビ系・1996年)。女性が年上であるカップルの恋模様が、ナチュラルに描かれているのが斬新だった。それから人の性根の悪さが滲み出る、永作博美と松下由樹の姉妹役バトルが見ものの『週末婚』(TBS系・1999年)。行政書士を取り上げたお仕事ドラマ『カバチタレ!』(フジテレビ系・2001年)は、気の強い、コメディタッチの深津絵里の演技が見られる貴重な作品だ。

 そんな過去作で気づいたのは、ヒロインたちが「カツカツカツ……」と威勢よく、ヒールの踵を鳴らして歩いていること。出演する会社員も警察官も、皆、女性は当たり前のように履き「カツカツカツ……」と、音を立てる。ヒール高3センチのローヒールや、太さが売りのウエッジソールでもない、ヒール高7センチ以上はありそうなハイヒールだ。

 そう気付いてから、街中で何度も耳をすませてみた。でも、あのヒール音は聞こえてこない。時折、音がしたと思って向いてみると、ハイヒールを履いているのは40代以上と思しき女性ばかりだ。一方、若者の多くが履いているのは、極太ヒールタイプが主流。

 現在放送中のドラマを見ていても、ハイヒールを履くヒロインはむしろ珍しいくらい。はてこの現象、いつから始まったものだろうか?

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平の投手復帰が待ち望まれている状況だが…
大谷翔平「二刀流復活でもドジャースV逸」の悲劇を防ぐカギは“7月末トレード” 最悪のシナリオは「中途半端な形で二刀流本格復活」
週刊ポスト
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
“進次郎劇場”で自民党への逆風は止まったか
《進次郎劇場で支持率反転》自民党内に高まる「衆参ダブル選挙をやれば勝てる」の声 自民党の参院選情勢調査では与党で61議席、過半数を12議席上回る予測
週刊ポスト
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
「生肉からの混入はあり得ないとの回答を得た」“ウジ虫混入ラーメン”騒動、来来亭が調査結果を公表…虫の特定には至らず
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
衆院広島5区の支部長に選出された今井健仁氏にトラブル(ホームページより)
【スクープ】自民広島5区新候補、東大卒弁護士が「イカサマM&A事件」で8000万円賠償を命じられていた
週刊ポスト
9月に成年式を控える悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
悠仁さまが学園祭にご参加、裏方として“不思議な飲み物”を販売 女性グループからの撮影リクエストにピースサイン、宮内庁関係者は“会いに行ける皇族化”を懸念 
女性セブン
V9伝説を振り返った長嶋茂雄さんのロングインタビューを再録
【長嶋茂雄さんロングインタビュー特別再録】永久不滅のV9伝説「あの頃は試合をしていても負ける気がしなかった。やっていた本人が言うんだから間違いないよ」
週刊ポスト
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談【第24回】現在70歳。自分は、人に何かを与えられる存在だったのか…これから私にできることはありますか?
週刊ポスト