情報流出を問題視
だが、今回の稲川会の通達には別の意味合いがあるようだ。稲川会と友好関係にある団体の幹部はこう語る。
「今回の通達を出した本当の狙いは、スマホの動画撮影による情報漏洩を防ぐためではないか。稲川会に限らず、定例会の様子など組の行事を映した動画や写真が組員同士のLINEなどで共有されて、一部はSNSやYouTubeにまで流出してしまっている。
数年前には六代目山口組の司忍組長が自宅の庭と見られる場所で組員らと談話している動画が流出してしまったこともある。
現代のヤクザは情報戦が鍵を握るため、ちょっとした動画や写真にうつり込んだ情報が命取りになる可能性もある。下手したら最高幹部が警察に逮捕されることもある。昨年秋には“ヤクザがLINEを使えなくなる”という話がヤクザ界で広まり、騒動になった。稲川会としては組員にスマホの危険性を周知して、意識を引き締めたいのだろう」
暴力団にとってスマホは拳銃よりも危険なのかもしれない。