芸能

長野智子アナはラジオ帯番組で“アップデート”、吉川美代子アナはいまもTBSの研修を担当【女性キャスターたちの現在地】

25年以上も趣味で歌い続けたジャズのコンサートを昨年行った吉川美代子

25年以上も趣味で歌い続けたジャズのコンサートを昨年行った吉川美代子

 報道番組のキャスターを経て政治の世界に進出する女性は少なくないが、もちろんそれだけではない──。コラムニストで放送作家の山田美保子さんが、女性キャスターの現在地について綴る。

嫉妬という漢字を男偏にしてほしいと思ったこともあった

 6月20日告示、7月7日投開票の東京都知事選。今回は4年前に行われた前回の倍以上となる50人近くの立候補者がいらっしゃるというのに、テレビの生ワイドでは「蓮舫(56才)VS小池百合子(71才)」ばかりがクローズアップされています。

 そして必ず説明されるのは「ニュースキャスターを経て」というお二人の経歴。共に民放各局でレギュラー番組を持っていらしたので、“お宝映像”とも言うべき過去素材はそろっていて、視聴者に「さぁ、ツッコんで」と言わんばかりの“イジワル編集”が気になりました。

 いまと変わらず男性スタッフが大半の報道フロアにおいて、ネイビーやグレーとかではない色の装いでニュースを伝えたり、現場に出てインタビューをしていた小池さんや蓮舫さん。「女のくせに」という空気が濃いめに漂う現場で闘ってきたキャリアは選挙にプラスに働くのか否か……とても興味深いです。

 そして気になるのは、小池さんや蓮舫さんがキャスターとして活躍されていたのと同時期に、現場で奮闘しておられた皆さんたちのいまです。

 まずはフジテレビの局アナを経て、フリーになってから『ザ・スクープ』『朝まで生テレビ!』『報道ステーション』『サンデー!スクランブル』『サンデーステーション』(すべてテレビ朝日系)など人気報道番組でメインキャスターやフィールドキャスターとして活躍された長野智子サン(61才)です。

 そんなニュース畑出身でも局アナ時代に『オレたちひょうきん族』を3年弱担当していたため、“ひょうきんアナウンサー”と長年言われ続けたと、エッセイで愚痴(?)っていらしたのを読んだ覚えがあります。

 そんな長野サンは今年4月から、学生時代にパーソナリティーを務めて人気を博した『ミスDJリクエストパレード』の文化放送で、夕方の帯番組『長野智子アップデート』をスタート。文字通りニュースをアップデートし、リスナーに伝えていらっしゃいます。

 長野サンの歯に衣着せぬ斬りこみや、ベテラン報道キャスターとしての知識や人脈、さらには生活者としての目線などがこうした番組を待っていたリスナーにウケ、番組タイトルがXのトレンドになる日が多数。

 一度電話出演させていただいたのですが、台本とは異なる長野サンからの矢継ぎ早の質問に少々焦りつつも、生放送の限られた時間を絶対に無駄にしないという長野サンの心意気がビンビン伝わってきた十数分間。光栄な時間でした。Facebookを拝見していると、より活動的になり、文字通りアップデートされている様子が垣間見えて、こちらまで元気になります。

 同じような思いを元TBSの吉川美代子サン(70才)にも感じています。

 1984年、『JNNニュースコープ』の平日のメインに女性として就かれたとき、TBSラジオ954キャスタードライバーとして働いていた私は局内のさまざまな声をリアルに聞いたものです。嫉妬という漢字を男偏にしてほしいと思ったり、「女々しい」を「男々しい」に変えてほしいと思ったこともありました。

 取材テープを編集室に入ってご自分で切っていらした吉川サンを見たこともあるし、スタイリストもつかない吉川サンに私服を“お貸し出し”したことも……。

 果たして、1周も2周も回って、ニュースキャスターとしてのキャリアを存分に発揮し、ジャズシンガーとしてライブを行ったり、政財界のトップ中のトップと語り合ったり、さらにTBSの女性アナウンサーの研修をいまも担当している吉川サン。昔もいまも心から尊敬しています。

関連記事

トピックス

若手俳優として活躍していた清水尋也(時事通信フォト)
「もしあのまま制作していたら…」俳優・清水尋也が出演していた「Honda高級車CM」が逮捕前にお蔵入り…企業が明かした“制作中止の理由”《大麻所持で執行猶予付き有罪判決》
NEWSポストセブン
「正しい保守のあり方」「政権の右傾化への憂慮」などについて語った前外相。岩屋毅氏
「高市首相は中国の誤解を解くために説明すべき」「右傾化すれば政権を問わずアラートを出す」前外相・岩屋毅氏がピシャリ《“存立危機事態”発言を中学生記者が直撃》
NEWSポストセブン
3児の母となった加藤あい(43)
3児の母となった加藤あいが語る「母親として強くなってきた」 楽観的に子育てを楽しむ姿勢と「好奇心を大切にしてほしい」の思い
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
過去にも”ストーカー殺人未遂”で逮捕されていた谷本将志容疑者(35)。判決文にはその衝撃の犯行内容が記されていた(共同通信)
神戸ストーカー刺殺“金髪メッシュ男” 谷本将志被告が起訴、「娘がいない日常に慣れることはありません」被害者の両親が明かした“癒えぬ悲しみ”
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン
木瀬親方
木瀬親方が弟子の暴力問題の「2階級降格」で理事選への出馬が絶望的に 出羽海一門は候補者調整遅れていたが、元大関・栃東の玉ノ井親方が理事の有力候補に
NEWSポストセブン
和歌山県警(左、時事通信)幹部がソープランド「エンペラー」(右)を無料タカりか
《和歌山県警元幹部がソープ無料タカり》「身長155、バスト85以下の細身さんは余ってませんか?」摘発ちらつかせ執拗にLINE…摘発された経営者が怒りの告発「『いつでもあげられるからね』と脅された」
NEWSポストセブン
結婚を発表した趣里と母親の伊藤蘭
《趣里と三山凌輝の子供にも言及》「アカチャンホンポに行きました…」伊藤蘭がディナーショーで明かした母娘の現在「私たち夫婦もよりしっかり」
NEWSポストセブン
高石あかりを撮り下ろし&インタビュー
『ばけばけ』ヒロイン・高石あかり・撮り下ろし&インタビュー 「2人がどう結ばれ、『うらめしい。けど、すばらしい日々』を歩いていくのか。最後まで見守っていただけたら嬉しいです!」
週刊ポスト
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《恐怖のマッサージルームと隠しカメラ》10代少女らが性的虐待にあった“悪魔の館”、寝室の天井に設置されていた小さなカメラ【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン