芸能

《北川景子主演》“子どもの誘拐”がテーマの『あなたを奪ったその日から』は共感を呼べるのか? 名作『八日目の蝉』『Mother』との違いとヒットへの勝算

ドラマ『あなたを奪ったその日から』主演の北川景子(時事通信フォト)

ドラマ『あなたを奪ったその日から』主演の北川景子(時事通信フォト)

北川景子主演でスタート早々、大きな話題を集めたのがドラマ『あなたを奪ったその日から』だ。“子どもの誘拐”をテーマにした同ドラマには、放送直後からさまざまな反応が飛び交った。過去には同じ“子どもの誘拐”のテーマで名作もある。『あなたを奪ったその日から』は多くの共感を呼び、ヒット作となることができるのか? そのポイントについてコラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。 

* * * 

21日(月)夜、ドラマ『あなたを奪ったその日から』(カンテレ制作・フジテレビ系)がスタートしました。 

同作のあらすじは、食品事故で3歳の娘を失った母親・中越紘海(北川景子)が事故を起こした結城旭(大森南朋)の娘・萌子(倉田瑛茉)を誘拐し、復讐を果たそうとするが、そこには大きな誤算があった。紘海は食品事故の真相を追いながら、自分の犯した罪に苦しみ、葛藤し、周囲を巻き込みながらも生きていく……。 

 第1話では、愛娘を失った紘海の絶望が描かれ、旭や萌子を殺めようとするシーンなどショッキングな展開の連続で、ネット上にさまざまな反響があがっていました。 

「主人公女性が子どもを誘拐する」という筋書きは、2010年に檀れいさんと北乃きいさんでドラマ、2011年に井上真央さんと永作博美さんで映画が放送・公開された『八日目の蝉』。2010年に松雪泰子さんと芦田愛菜さんで放送された『Mother』(日本テレビ系)と同じ。 

どちらも多くの人々が見た名作だけに『あなたを奪ったその日から』の放送が発表されたとき、ネット上には両作のタイトルがあがっていました。設定が似ているだけに『あなたを奪ったその日から』は両作との比較は避けられないでしょう。 

制作サイドはどんな差別化で勝機を見出しているのか。また、何が成否の鍵を握りそうなのでしょうか。 

女性層からの支持と誘拐の免罪符 

『八日目の蝉』と『Mother』のヒットには「特に女性からの熱烈な支持を集めた」という共通点がありました。しかも30代以上は自分に主人公を重ね、20代以下は誘拐された娘に自分を重ねるなど、それぞれの年代がネット上につぶやいていたことも特徴の1つ。それだけ語りたくなる作品だったのでしょう。 

 なかでも最大のポイントは、誘拐という罪を犯してしまう主人公女性に共感できるか。 

『八日目の蝉』は不倫相手の子を堕胎したことで子どもを産めない体になった主人公・野々宮希和子が、彼の子を衝動的に連れ去るという「不倫と堕胎」。一方、『Mother』は実の母に捨てられた過去を持つ小学校教師が児童虐待を受けている生徒の母親になろうとする「孤独と虐待」が誘拐の背景にありました。 

 その点、『あなたを奪ったその日から』における誘拐の背景は「子どもの死と復讐」。『八日目の蝉』や『Mother』とは異なる背景があるため、ある程度は誘拐の免罪符になり、紘海への共感につながるかもしれません。 

 また、『八日目の蝉』と『Mother』が女性の支持が厚かったのは、「“母性”について考えさせられるシーンが多かった」という理由もありました。 

「母子とは」「血のつながりとは」「この感情は母性なのか、それとも同情や執着なのか」などと自分に置き換えて考えるシーンが多く、主人公への感情移入につながっていました。『あなたを奪ったその日から』も同様に母性について考えさせられる。特に主人公を自分に置き換えて考えさせられるシーンが増えるほど、女性層の支持を集めていくでしょう。 

関連記事

トピックス

(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
小説「ロリータ」からの引用か(Aでメイン、民主党資料より)
《女性たちの胸元、足、腰に書き込まれた文字の不気味…》10代少女らが被害を受けた闇深い人身売買事件で写真公開 米・心理学者が分析する“嫌悪される理由”とは
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン