新年一般参賀に出席された皇后雅子さま(2026年1月2日、撮影/黒石あみ)
一般参賀での振る舞いに「明確なルールは存在しない」
そもそも、一般参賀の歴史はいつ始まったのだろうか。
「皇族の方々が参賀者と対面する現在の一般参賀は、戦後まもない昭和23年(1948年)に始まったかなり新しい皇室行事。ただ、この時点では皇族が姿を見せていたわけではなく、昭和天皇と香淳皇后がお出ましになるようになったのは、昭和26年(1951年)からでした。
そこから、長いバルコニーにそろってお出ましになるという現在のスタイルが定着したのは、昭和44年(1969年)1月2日以降のことです。この時は無言で皆様がお手振りをなさるだけだったのですが、昭和56年(1981年)、昭和天皇が80歳をお迎えになられた記念として言葉を述べられたのが好評で、それ以降は毎年、何らかのお言葉が準備されるようになったのです。
しかし現在においても、皇族の方々の振る舞いに明確なルールというものは存在していません。そのため私たちとしては、お手振りの有無ひとつで、いたずらに一喜一憂することを控えるのが、もっともよろしいのではないでしょうか」(同前)
令和2年(2020年)の新年一般参賀以降、美智子さまのお手振りが控えめになり、昨年と今年はまったく見られなくなった。世間が“意味”を求めてしまうのも当然といえるだろう。
「男性皇族に比べ、女性皇族には世間の批判が集中するという現象は、以前から観測されています。美智子さまは積極的にお手振りなさらないものの、優しい笑顔を参賀者にお見せになっておられたので、決してネガティブな選択の結果、お手振りをおやめになったということではないと思われます」(同前)
「表に現れる型」と「秘められた心の部分」の問題
平成21年(2009年)4月の記者会見で、皇室が守ってきた伝統について、上皇さまは「新嘗祭(にいなめさい)のように古い伝統のあるものは、そのままの形を残していくことが大切と考えますが、田植えのように新しく始められた行事は、形よりはそれを行う意義を重視していくことが望ましいと考えます」とお考えを示し、上皇后さまも「伝統には表に現れる型と、内に秘められた心の部分とがあり、その2つがともに継承されていることも、片方だけで伝わってきていることもあると思います」とお話されている。
「今回の『お手振り問題』とは、まさに上皇后さまのかつてのお言葉のように、『表に現れる型』と『秘められた心の部分』の問題であったのではないでしょうか。ご退位後も上皇さま、上皇后さまがお元気でいらっしゃるのは素直に素晴らしいことだと思います」(同前)
一挙手一投足が注目される皇族方。美智子さまの動きは、さらに耳目を集めそうだ。
