A子さん宅に通う姿が何度も目撃された
それほど中国当局にマークされていた垂氏が、現役外交官時代から個人的な交遊を持っていたと見られる中国出身女性と、現在はその女性のマンションに通う関係になっていることは、安全保障上の大きな問題ではないか。
垂氏は退官したとはいえ、中国大使時代を含めて日中間の多くの外交機密を知る立場で、現在も国家公務員法第100条の「職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後といえども同様とする」という守秘義務を負っている。
一方、中国は「国家情報法」で、国内、海外在住を問わずすべての中国国民に国家情報活動に協力する義務を負わせ、政府へ情報を提示する義務を定めている。仮に日本名も使うA子さん自身が義務を課される立場になくても、関係者などが中国当局から情報提供を求められれば拒否できない制度があるのだ。
外務省経済局長や駐オーストラリア特命全権大使を務めた外交評論家の山上信吾氏が「外交官の心得」をこう語る。
「外交官が赴任先の国の女性と親密な関係を持つことについては米英のような友好国と中露のようないわば“潜在的敵国”とで扱いが変わる。敵対的な国の女性との関係については、まずハニートラップを意識しなければならない。女性が相手国の情報機関と関わりがなくても、日本の外交官と関係があることを相手国が知れば、関与してきますし、情報を得ようとしてくる可能性もある。
そもそも男女の交遊関係については十分に気を付ける必要がある。この心得は外交官なら研修で教育される初歩。国家安全保障と直結する問題だからです」
大使は外務大臣の申出に基づいて内閣が任命し、天皇が認証する認証官だ。
垂氏が現役大使時代から中国出身女性と親交を持っていたことを外務省や官邸の内閣情報調査室、公安部門などが把握しながら放置していたのであれば重大な過失であり、知らなかったとすれば国家の安全保障と外交的危機管理体制の大きな欠陥である。大使を任命した歴代内閣、外務省の責任が問われる問題だ。
