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【競馬】に関するニュースを集めたページです。

主演のスター俳優たちを喰うほどの人気もあった俳優集団「ピラニア軍団」(イメージ)
大橋巨泉さんは「昭和史に残る偉人奇人」 接し方も“巨泉流”だった
 戦争の記憶をはっきり残し、成人してからは焼け野原からの復興と高度成長期のニッポンを牽引したのが「昭和ヒトケタ」世代だ。自らの力で前を向き、上を向いて生きていこうとした彼らは、後の世代にどんな教えを残したのか──。(文中一部敬称略)「見事な開拓、改革の人だった。昭和史に残るキテレツな偉人奇人です」。漫画家の黒鉄ヒロシがこう称するのは、『11PM』(日本テレビ系)、『クイズダービー』(TBS系)など数多の人気番組の司会を務めた大橋巨泉(2016年没、享年82)だ。「台本をテーブルに置いて堂々と見ながら喋ったのは、巨泉さんが最初。それまで台本は覚えるもので、画面のなかに映っちゃいけないものだった。でも巨泉さんは『なんでだめなんだ』と。今はみんなそれで助かってるでしょ。巨泉さんは恩人ですよ(笑い)」(黒鉄・以下同) 昭和9年に東京・両国で生まれ、早稲田大学中退後、ジャズ喫茶に入り浸っていたことからジャズ評論家、放送作家となり、司会業に転じた。『11PM』は“お色気企画の元祖”と呼ばれた一方、沖縄の本土復帰問題など硬派なテーマも取り上げた。競馬や麻雀の評論家としても活躍した。「当時、競馬や麻雀といえば博打そのもの。競馬新聞を電車のなかで広げたり、社会人が『麻雀に行く』と言ったりしたら白い目で見られた。それを“いい大人”の嗜みに変えたのも巨泉さんの功績です。ジャズだって不良の音楽だった。巨泉さんは文化史には書き落とされてしまうようなものを拾い、エポックメイクしたんですよね」 人との接し方も“巨泉流”だった。「最初はものすごく礼儀正しいの。下からくるから気を許していると、3日目には呼び捨てになる。『世界まるごとHOWマッチ』(毎日放送)だったかなぁ、突然石坂浩二さんを本名の“へいちゃん”(武藤平吉)って呼んだりね。それでいつの間にか“へいちゃん”が浸透してしまう。テレビの伝わり方を熟知していた」 黒鉄自身、番組中にその慧眼に舌を巻いたことがあるという。「クイズ番組でラスベガスがテーマになりそうだったとき、僕から“ラスベガスに詳しい”って気配が出たんだろうね。それを察した巨泉さんが『黒鉄くん、ラスベガス詳しいんだよね』って。ほんの0.01秒みたいなタイミングで言われてビックリしちゃって。『なんで?』って聞いたら『いや、目が』って。普通じゃない人ですよ」 2013年10月に中咽頭がんを発症し、3年後に帰らぬ人となった。「巨泉さんが最後に退院していたとき、寿司屋で偶然出くわしたんです。すごく痩せていたけど、『驚いたろう』って話す声は前のまま。寿司屋の職人に『前より少し小さくしてくれ。俺がここで寿司を喉に詰まらせて死んだら嫌だろう』って。死の話を自ら持ち出して笑いにしてしまう。改めて巨泉さんのセンスを見直しました」 元気だった昭和のテレビを象徴する人物だった。※週刊ポスト2021年7月30日・8月6日号
2021.07.22 07:00
週刊ポスト
ディープインパクト産駒のゴーマギーゴーの2020(写真:Japan Racing Horse Association)
売上225億円のセレクトセール 浮き彫りになった「ディープの後継不在」
 2日間での売り上げは至上最高額となる225億円。今年もセレクトセールは盛況だった。競馬ライターの東田和美氏がレポートする。 * * * 7月12、13日に行なわれた今年のセレクトセールは、ディープインパクト産駒がわずかに4頭、キングカメハメハ産駒はゼロ、さらにハーツクライ当歳も3頭のみという状況にもかかわらず、新たなスターオーナーの登場もあって落札総額が史上最高となった。ノーザンファームの上場馬は種牡馬を問わずセリは白熱し、「1強」はさらに確固としたものになった。 かつては落札価格が1億円を超えるたびに場内で拍手が起きたものだが、いまや「またか」というぐらい当たり前になった。社台グループのクラブによる1歳馬募集はすでに終わっているが、その価格がリーズナブルだと思えてしまうぐらい。会員としては、来年の募集価格に影響を与えないでほしいことを祈るばかりだ。 今年の特色は高額落札馬の種牡馬が多彩だったこと。1歳馬で1億円を超えたのは28頭いたが、種牡馬も16頭、当歳市場の億越えも24頭で種牡馬数は12頭にのぼった。 ここ10年ほどは「ディープインパクト産駒」が目玉で、昨年の1歳市場では億越え18頭のうち9頭がディープインパクト産駒で、種牡馬の数は6頭にすぎなかった。当歳市場にしても、ディープの代わりをハーツクライが穴埋めした格好で、種牡馬数はやはり6頭だけ。2018年の1歳市場では23頭の億越えが出たが、その時も種牡馬数はわずか7頭だ。 今年はこれまで比較的地味だったルーラーシップやダイワメジャー、バゴやシルバーステートなど社台スタリオン以外の種牡馬産駒にも高値が付いた。 今年上場された“最後のディープ産駒”4頭のうち、社台グループが送り出した3頭は当然のようにすべて億越え。息子たちはといえば、億越えはキズナが5頭、サトノダイヤモンドが4頭で、あとはサトノアラジン、リアルスティール、シルバーステートに、“逆輸入”のサクソンウォリアーと計13頭。しかし6頭の息子のうち3頭の産駒はまだデビュー前。種牡馬成績によるものではなく、先物買いといった様相だ。 後継種牡馬の地位を早々と固めるはずだったダービー馬ディープブリランテや天皇賞馬スピルバーグは今年のセレクトセールには上場馬がなく脱落模様。リアルインパクト、ミッキーアイルなどもワンパンチ足りないためか、落札額はもうひとつ伸びておらず、ディーマジェスティやヴァンキッシュラン産駒は上場すらない。 ダービー馬キズナはディープボンドやマルターズディオサ、ビアンフェやバスラットレオンといった重賞勝ち馬が出たことで種付け料も1000万円と跳ね上がったが、まだGⅠを勝った産駒がいない。ヴェロックスの半弟セルキスの2021が当歳最高価格の4億1000万円という値を付けたがスタートは4000万円で、セリの熱気に煽られた価格だったともいえる。 自身は準オープン止まりながら、2歳馬が4頭も勝ち上がっている新種牡馬シルバーステート産駒ではギエムの2020が2億6000万円までセリ上がった。1歳市場におけるディープ産駒種牡馬としての最高額で、サクソンウォリアー産駒を7000万円も上回った。種付け料も150万円(2021年公示)とリーズナブルだが、なぜか当歳市場には上場がなかった。 あとは当歳で3頭が落札(最高6200万円)されたアルアインが、種牡馬としても意外性を見せるかどうか。 いずれにしろ「我こそはディープ後継者!」と力強く名乗りを挙げる息子はまだいない。 一方のキングカメハメハは早々とルーラーシップいう良血種牡馬を送り出し、ロードカナロアはGⅠ馬を4頭も輩出。まずまずのスタートを切ったドゥラメンテに加えてレイデオロという若手のホープまで登場。この4頭の産駒だけで億越えが15頭も出ている。その他リオンディーズやトゥザワールド、ホッコータルマエやラブリーデイなど様々なタイプの種牡馬がいる。 トップオーナーの今年の購買傾向を見ても、すでに実績のあるハーツクライのほか、ロードカナロア、ルーラーシップ、ハービンジャー、さらにエピファネイアと、引退後種牡馬になることを念頭に置き、“非SS系”“非ディープ系”をより重視している印象がある。 もちろん今年が産駒デビューのサトノアラジンや、数少ない産駒から勝ち上がり馬が出たトーセンレーヴ、さらに来年以降サトノダイヤモンドやサトノアーサーの子らが、クラシック戦線を賑わせるかもしれないし、キズナやミッキーアイルの産駒がGⅠの常連になるかもしれない。種牡馬の導入ほど目立たないが、世界各国トップクラスの繁殖牝馬が毎年のように日本にやってくる。そのほとんどがSS系との配合が可能なため、現役時代の成績とは関係なく種牡馬として成功するケースも出てくるだろう。 しかし、現時点では後継種牡馬としてはどれも決め手に欠ける。それが今年のセレクトセールを終えた実感だ。そんなことで生産界の一部からは早くも「コントレイル待ち」といった声も上がっている。●ひがしだ・かずみ/伝説の競馬雑誌「プーサン」などで数々のレポートを発表していた競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のライター。 
2021.07.17 16:00
NEWSポストセブン
阪神競馬場のパドック
クロノジェネシスは「ドバイ帰り」の宝塚記念ジンクスを打ち破れるか
 上半期の掉尾を飾るGI宝塚記念。上位人気は牝馬が占めることになりそうだ。競馬ライターの東田和美氏が考察した。 * * * ファン投票上位20頭のうち出走するのはわずかに6頭。GⅠ馬は3頭だけと寂しい顔ぶれになったが、その分有力馬は絞り込みやすい。なにしろこのレースは1番人気馬が6連敗中で、その間2、3番人気馬も2回ずつしか馬券にからまず、二桁人気馬が5頭もからんでいる。さらに日本での騎手免許取得以来6年間すべて4番人気までの馬に騎乗していたC・ルメール騎手が一度も馬券対象になっていないという難解なレースだったのだ。 そのルメール騎手が、ファン投票1位でグランプリ3連覇を狙うクロノジェネシスに騎乗。デビューからすべての手綱を取ってきた北村友一騎手が負傷したためだが、秋にさらなる大舞台を意識している陣営としては、先入観なく乗れる騎手を経験するのは貴重。人気の中心となる。 しかし、オークス、ダービー、安田記念と、圧倒的1番人気馬は研究・マークされていたこともあって敗れている。ましてやドバイ帰り。「調教の動きを見る限り、遠征の疲れは残っていない」とのことだが、「見えない疲れ」はないのか。 この2月で調教師を引退した角居勝彦氏は、『さらば愛しき競馬』(小学館新書)の中で、「見えない疲れ」について《開業18年目にして分かったこと》として、こう述べている。《骨格的ダメージは関節に痛みが出るのですぐわかる。ところが筋肉的ダメージは分かりにくい。(中略)まさに季節が変わるくらい後になって出てくることもある》 招待競走であることに加え、賞金も高額なため、日本からはGⅠ未勝利馬も含め多くの馬が3月のドバイに飛ぶ。多くはGⅠ、GⅡを制したような実績馬だが、日本競馬の流れに嵌っているようで嵌っていない。過去10年で前走が3月のドバイでのレースだった馬はのべ11頭いるが、宝塚記念では未勝利。帰国後最初のレースにJRAの重賞を使った馬はのべ32頭いるが、勝ったのは3頭だけなのだ。 ケースは少ないが、むしろ凱旋門賞で健闘したナカヤマフェスタ、オルフェーヴルや、コックスプレートを勝ったリスグラシューなどのように宝塚記念を使って遠征、という方が結果を出している。ちなみにこの3頭はドバイには一度も行っていない。 3冠牝馬ジェンティルドンナは4歳時にドバイシーマCに出走し2着と好走。帰国後の宝塚記念では1番人気に推されたが3着。翌年はドバイシーマCを勝ったが、宝塚記念では9着に敗れている。 サトノクラウンは4歳時に4月末の香港クイーンエリザベスⅡ世C12着→宝塚記念6着というローテーションだったが、5歳春は海外遠征はせず、大阪杯6着の後、宝塚記念を勝った。しかし6歳時はドバイに遠征しシーマC7着からの帰国後に宝塚記念を使ったものの7着に敗れている。 レイデオロは4歳時にドバイシーマCで4着の後はじっくり間を開けて9月のオールカマーで1着。しかし翌年はドバイシーマC(6着)からの帰国初戦が宝塚記念で5着に敗れている。 ダート馬でも4歳時にフェブラリーSを勝ったゴールドドリームがドバイワールドカップに出走(14着)、帰国初戦の帝王賞では7着だった。しかし翌年は、フェブラリーS2着のあと海外へは向かわず、船橋のかしわ記念(5月2日)、帝王賞と交流GⅠを連勝している。 航空機による遠距離輸送に加えて、現地は3月といえども平均気温30度近く。比較的過ごしやすい季節ともいわれるが、ふだんと異なる環境、これまで体験したことのない空気感が馬の心身に影響しないわけがない。 ここは素直に過去20年で8勝2着9回の天皇賞(春)から参戦のカレンブーケドールを軸にする。重賞は未勝利だがGⅠという舞台でコンスタントに力を発揮できるポテンシャルがある。前走も見せ場たっぷり。最後は距離の壁に泣いた格好だが、2200mは合いそうだ。 レイパパレの前走は展開が嵌ったともいえるが、初GⅠであれだけのメンバー相手に勝ち切るのは底力があってこそ。これにもちろんクロノジェネシスを加えた牝馬3頭の上位独占が最有力。 一角を崩すとしたら、天皇賞(春)4着のアリストテレスや大阪杯2着のモズベッロより、このレース連続2着のキセキ。福永騎手がクロノジェネシスの2週前追いに跨って、何かを掴んだかもしれない。妙味に欠けると言われればそれまでだが、今年の宝塚記念はこの6頭をどうやりくりするかだけではないか。●ひがしだ・かずみ/伝説の競馬雑誌「プーサン」などで数々のレポートを発表していた競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のライター。
2021.06.26 16:00
NEWSポストセブン
「一式60万円がパーに…」趣味にすぐ挫折して散財する人たちの反省の弁
「一式60万円がパーに…」趣味にすぐ挫折して散財する人たちの反省の弁
 これといった趣味がなく、本気になれるものがほしい――。お金をかけて趣味に挑戦したものの、散財した挙げ句挫折。懲りずにまた挑戦するも、結局やめてしまうというループにハマってしまう人たちがいる。他の人から見ると、まるで“趣味の挫折が趣味”となっているようにも映る。そんな人たちの反省の弁を集めた。◆「形から入れば続ける気になる」と思ったが… メーカーに勤める40代の男性・Aさんは、これまでに海釣りやサーフィンなどといった海系の趣味に挑戦するも、毎回挫折してきた。道具だけでこれまで100万円以上費やしており、挫折の度に同僚や友人に譲ってきた。中でもお金がかかった趣味が、ダイビングだった。「4年前の沖縄旅行がきっかけでした。澄み切った青い海に感動し、魚たちと泳げたら最高だろうなと思ったんです。もともと海は好きでしたし、趣味としていいのではないかと考えました」(Aさん) 知り合いにインストラクターがいたことから、ダイビングを始めるハードルは低かった。「今度こそ続けられる趣味にしたい」との思いから、ダイビングセット一式を60万円ほどで購入。だが、この意気込みが裏目に出てしまう。「ダイビングをするためにはC カードというライセンスが必要で、そのために座学と海での実習を受けます。この実習が想像以上に苦痛で、長時間船にに乗ると酔ってしまって気持ちが悪くなるし、腰につける重しで腰痛が悪化したりして……。そう言えば釣りの時も、船は得意じゃなかったのを思い出しました。 結局あきらめて、ダイビングセット一式は誰かに譲ろうかと思っています。形から入れば続けられるかなと思って、毎回道具を揃えてしまうんですが、揃えたからといってやる気が続くという説はウソ。もういい加減、そのクセを直さなくてはと思っています」(Aさん)◆「やり始めたら好きになるはず」は甘かった 広告代理店で働く30代の女性・Bさんは、20代で料理教室や英会話教室、アロマテラピースクールに通ったが、いずれも挫折した経験を持つ。「何か自分のアピールポイントを作ろうと必死でした。料理は全然好きじゃなかったのですが、教室に通えば好きになるかなと。最初はできなかったことができる喜びがありましたし、友だちもできて、結構楽しくやっていました。ただ、だんだん人間関係が面倒になって……。1年で受講料が7万円かかりましたが、少しは技術も身に付いたと感じるので、無駄ではなかったと思いたいです」(Bさん) Bさんの失敗は終わらない。英会話教室では「センスのなさ」を実感して1年で挫折。「外国人と付き合いたいと思って、英会話教室に通いながら自宅で洋画や洋書を読んだりしましたが、全然話せるようになりませんでした」と振り返る。月3万円の月謝を2年払い続けたが、現在はすっかり諦めたそうだ。 アロマテラピースクールにも20万円投資した。「アロマテラピーは、何か仕事にも繋がるかな、と甘い考えから始めました。でも本格的に学ぶと奥が深くて、私はそこまでハマれなかった。ネットで独学できる趣味レベルにしておけば……」と後悔を口にする。そんなBさんの得た教訓は、「大前提として、先にそれが“好き”という気持ちがないものは続かない」というものだという。◆アニメや漫画に影響された趣味は大体挫折? IT業界で働く30代の男性・Cさんは、アニメや漫画に影響されて趣味を始めることが多いが、ことごとく途中で飽きてやめてしまう。ギターを皮切りに、ピアノ、麻雀、キャンプ、筋トレと挫折してきた。「バンドをやっている漫画を読んだ時、ギターが格好いいと思って、大学時代に御茶ノ水の楽器街でギターを買いましたが、コードが難しくてあっさり挫折。ピアノもキーボードを買ってみましたが、基礎の練習が面倒くさすぎて挫折。当たり前ですが、楽器ができる人は、地道な基礎練習を積んでいるんですよね……。大人になって、表面だけ見て憧れるのは、大きな間違いだと痛感しました。 麻雀もなかなか役を覚えられずダメ。いちばん散財したのはキャンプです。一式そろえるのに10万円以上かかり、特に冬用の防寒費用が高くつきました。キャンプ場でも火を焚くのが面倒で苦痛でしたね。面倒くさがりには、キャンプは不向き過ぎました。これなら公園のベンチでお弁当食べた方が良い気がします」(Cさん) 最近は、アニメとスマホゲームの影響から競馬を始めたというが、そこにも暗雲が漂う。Cさんは、「全然当たらない。時間をかけて予想しても無駄になることばかりです。競馬の歴史を勉強していた方が楽しいかもしれません」とため息を漏らす。 趣味が人生を豊かにするのは確かだが、お金をかけたにもかかわらずすぐ挫折してしまっては、後の祭りだろう。
2021.06.26 15:00
マネーポストWEB
9、10月に強い騎手を検証(イメージ)
ルメール新馬戦がらみの外し方研究 その後のGI結果にも注目
 誰もが憧れるものの、なかなか現実にならない“夢の馬券生活”。「JRA重賞年鑑」で毎年執筆し、競馬を題材とした作品も発表している作家・須藤靖貴氏がそんな馬券生活を夢見て、試行錯誤する。今回は、万馬券のために大活躍中のフランスからの騎手クリストフ・ルメールの弱点を探し試行錯誤した苦難の道についてお届けする。 * * * 新馬戦の季節だ。JRA-VANのTARGETを使って2020年1月から2021年5月までのデータを取ったところ、「ルメールの新馬戦は割引?」なる仮説が浮かびあがった。 騎乗103回で1着24回、4着以下48回。勝率.233、単勝回収率は58円。しっかりと勝ち切ることも多いが、単勝回収率は芳しくない。このローリターンがルメール(がらみ馬券)の、泣きどころの一つなのだった。 新馬戦では、若駒の将来を勘案してムリをさせず、厳しいムチを控えるケースも。重賞などの追いっぷりと比べて「優しいルメール」と言われる。馬にとって騎手は自分を追い込む憎き鞍上。でもだからこそ不安でいっぱいのデビュー時には優しく。「競馬って、キツいなぁ」と怖がらせない、名手の気働きなのかもしれない。 ジェントル・スラップ(?)は奏功したのかどうか。勝てなかった79回、その馬の次走の首尾に注目した。 連続騎乗は35頭、うち6頭勝利。他の騎手への乗り替わりは34回で3勝。バトンを受けて勝ち切ったのはデムーロ、川田、吉田隼。ちなみに未走は10頭だった。 未勝利でルメールがさらに乗り続けた(面倒を見た?)馬はその後に6頭勝利。2回以上ルメールが跨ってから、他の騎手への乗り替わりでは7頭が勝っている。 データから見えてきたルメールの新馬戦がらみの外し方について。「勝てなかった馬が次走で乗り替わるときの勝率は.088。ほぼ消していい」。もっともこのときの鞍上はルメールではないのだが。 さて、「馬の将来を勘案」という点がほんとうなら、ルメールが最初に跨り、その後にGIを獲った馬は? グランアレグリア、ラヴズオンリーユー、タワーオブロンドン、サトノダイヤモンド、キセキなどなど、2016年以降で11頭いる。うち9頭が新馬勝ち。2着だったのはアーモンドアイとディーマジェスティ。 レイデオロやソウルスターリング、そして先のダービーで5着だったサトノレイナスのように、ずっと面倒を見続けているケースもあれば、乗り替わりを経て久しぶりに跨る場合もある。 馬は鞍の座り具合や重心、手綱の力かげんなどで鞍上の違いが分かるらしい。さすがに「ルメールさんだ」とはいかないものの、「あ、最初に乗ってくれた人だ」と気づくというのだった。そこで意気に感じてがんばるのかも。案外、初々しかったデビューのころを思い出し、ふっと余計な力が抜けるのかもしれない。【プロフィール】須藤靖貴(すどう・やすたか)/1999年、小説新潮長編新人賞を受賞して作家デビュー。調教助手を主人公にした『リボンステークス』の他、アメリカンフットボール、相撲、マラソンなど主にスポーツ小説を中心に発表してきた。「JRA重賞年鑑」にも毎年執筆。※週刊ポスト2021年7月2日号
2021.06.26 07:00
週刊ポスト
グランアレグリア
安田記念 グランアレグリアは「シーズンGI3走」の壁を乗り越えられるか
 春のマイル王決定戦。最強牝馬に加えて多士済々の面々が揃った。競馬ライターの東田和美氏が考察した。 * * * オークスのソダシ、ダービーのエフフォーリアと単勝1倍台の圧倒的人気馬が続けて敗れた。なので今週もグランアレグリアの「死角」をほじくり出してみる。 2006年以降、重賞級の古馬牝馬のほとんどは、ヴィクトリアマイルを目標にするようになった。広くて紛れが少なく、直線が長くて言い訳ができないコースでの戦いは、前年にクラシック戦線で活躍したエリート牝馬の出走もあり、文字通り女王を決めるレースとしてふさわしいものになった。 牝馬同士とはいえGⅠ。たとえここで好走したとしても、やはり普通の重賞よりはるかに消耗が激しいはずだ。 昨年までのヴィクトリアマイル15回の勝ち馬のうち、安田記念へ駒を進めたのはわずかに5頭。連勝したのはウオッカただ1頭だ。ヴィクトリアマイルに出走し、中2週で安田記念に向かった馬ものべ25頭のみ。ヴィクトリアマイルでは【5 4 3 13】で19頭が掲示板に載り、二桁着順はわずかに2頭だったが、安田記念では【2 3 1 19】。ヴィクトリアマイルで惜しい競馬をして、安田記念で勝ったのもウオッカただ1頭で、二桁着順馬は10頭。3冠牝馬アパパネも、GⅠ8勝のアーモンドアイも連勝はかなわなかった。牡馬相手という以上に、頂上を狙う馬ばかりが集まるGⅠ連戦の過酷さを物語っている。 秋の中距離路線では天皇賞(秋)、ジャパンカップ、有馬記念というGⅠ3走が最強馬の王道だった。牝馬ではブエナビスタが4歳時と5歳時に、ジェンティルドンナが5歳時に、1シーズンで上記GⅠを3走しているが、いずれも1勝ずつに終わっている。なおブエナビスタは3歳春に桜花賞とオークスを勝っているが、GⅠを3走した3歳秋と、4、5歳春の各シーズンは1勝止まりだった。これだけGⅠに出走するのは凄いことなのだが、勝つのはもっと大変なのだ。 またウオッカは3歳の春に桜花賞、ダービー、宝塚記念と使ってうち1勝。秋には秋華賞、(エリザベス女王杯は取消)ジャパンカップ、有馬記念と使ったが1つも勝てなかった。ようやく5歳春、ドバイデューティフリーを皮切りに、ヴィクトリアマイル、安田記念と2勝をあげた。近年1シーズンにGⅠを3回使って2勝した牝馬はウオッカだけ。リスグラシューやアーモンドアイは、1シーズン2走までしか使っていない。 グランアレグリアは2歳時3歳時にそれぞれ3走のみ、4歳時は春秋2走ずつと大事に使われてきた。2歳秋にはサウジアラビアロイヤルカップを勝ったが、阪神ジュベナイルフィリーズには1週足りないからと朝日杯フューチュリティステークスを使ったほど。3歳秋もスプリンターズステークスを自重して阪神カップのみ。4歳になった昨年春もヴィクトリアマイルをスキップして安田記念に駒を進め、ヴィクトリアマイルを経てきたアーモンドアイを破った。 それがこの春は今回がGⅠ3走目、しかも初めての2000m大阪杯からのスタート。ヴィクトリアマイルからの中20日というレース間隔はこれまでで最も短い。 もちろん平成の名伯楽・藤沢和雄調教師のこと、馬にとって無理があるローテーションは組まないし、状態に少しでも気になるところがあれば白紙に戻したはず。ほんの少しの「見えない疲労」も見逃さないはずで、出走してくるからにはなんら問題がないはずだ。 しかし、短距離GⅠを総なめにしたグランアレグリアは、今年中距離路線へ進出を公言していた。ならば、今年の最大目標は天皇賞(秋)のはず。そのためには暑い時期に行なわれる阪神競馬場内回りの宝塚記念など使わず、早めに休養に出すというプランでヴィクトリアマイルを含めた1シーズンGⅠ3走というローテーションを組んだのではないか。大きく崩れることは考えにくいが、それなら「目標はまだ先」だ。 ところでNHKマイルカップの勝ち馬はのべ28頭が安田記念に出走しているが、勝った馬は1頭もいない。しかし安田記念の勝ち馬のうち、3歳春にNHKマイルカップに出走していたという馬は5頭もいる。最高着順は3歳で勝ったリアルインパクトの3着で、エアジハードは8着、アグネスデジタルは7着、ジャスタウェイは6着だった。マイルに適性ありと見込まれながら、本格化には少し時間がかかったのだろう。昨年の覇者グランアレグリアもNHKマイルカップでは5着(降着)だった。 2年前のNHKマイルカップで直線大外から飛んできたケイデンスコールが忘れられない。4歳時は様々な距離を走って結果が出なかったが、その経験を糧に今年は別馬のようになった。鞍上も内心期するところがありそうだ。 そのNHKマイルカップで内を縫うように抜けてきたカテドラルも要チェック。こちらもやや足踏みしたが、ようやく手の合う鞍上に出会ったような印象。3歳馬シュネルマイスターはNHKマイルカップを勝っているが、3歳での出走といえばリアルインパクト、4キロ差は大きい。 日高の馬ではダノンプレミアム。デビューからGⅠを含む4連勝という素質馬に復活の兆しが見える。安田記念では2年連続して二桁着順に沈んでいるのが気になるが、朝日杯フューチュリティステークス以来のGⅠ勝ちとなれば、あのアドマイヤコジーンとまったく同じ快記録だ。●ひがしだ・かずみ/伝説の競馬雑誌「プーサン」などで数々のレポートを発表していた競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のライター。
2021.06.05 16:00
NEWSポストセブン
9、10月に強い騎手を検証(イメージ)
競馬で「カタカナ騎手の馬券を買え」 ルメールの3番人気には注意
 誰もが夢見るものの、なかなか現実にならない“夢の馬券生活”。「JRA重賞年鑑」で毎年執筆し、競馬を題材とした作品も発表している作家・須藤靖貴氏。今回は、2015年からJRAで活躍するフランスからの騎手クリストフ・ルメールの強さと人気、馬券の関係についてお届けする。 * * * 馬券初心者へのアドバイスで秀抜なのが「カタカナの騎手を買え」。外国人騎手は人気馬にまたがる。情報あふれる中、的を射た指摘なのだった。 ほぼC・ルメールである。日本競馬は彼を中心に回る。麻雀役でいえば平和(ピンフ)か。たいていの上がり役に絡むし。でも配当は安い。人気高騰で配当妙味は期待薄となってしまう。このジレンマをどうするか、という話である。ルメールを絡めて高配当を狙うのか、きっぱり外すのか。 まず、凄みのファクトをさらっと。2017年から4年連続でJRA最多勝利、優秀騎手賞1位。確かな技術で勝ち切るから馬主さんは自馬に彼を乗せたがる。その期待に見事に応える。ますますオファーがくる。偉大なる記録はその累積だろう。 フィジカルもメンタルも凄い。腕力と下半身のパワー(足の長さが重要だとか)に加え、柔らかな手綱との緩急。そして引き出しの多さと勝負所を逃さない感性。さらに実に勉強熱心だという。騎乗馬の特徴はもちろん、相手関係の情報も頭に叩きこんでレースに臨む。資質も経験もある優等生が勤勉なんだから、結果も出るってもんです。 さらに最近のデータを。2020年1月から今年5月2日まで(JRA-VAN TARGET使用)。1067レースのうち1着272、2着185、3着113。騎乗馬の人気に注目すると1番人気(以下「1人」)547回、2人265回、3人137回。実に89%が3人以内だった。 ただし単勝回収率は72円。1人のときも同じく72円。圧倒的人気は諸刃の剣でもある。「おや?」と思う。単勝回収率を人気別に見てみると、2人は78円だが3人は68円。ちなみに最も良いのが5人の98円(わずか42回騎乗)。3人のみ、やや回収率が低いのだった。 この点、競馬ライターの東田和美氏も「ルメールが乗るから3番人気になる」と指摘。鞍上が人気を吊りあげる。調教師の先生も「鞍上に期待」などと公言しちゃっている。1人と2人は絶対評価っぽいが、ルメールの3人に限っては相対的なものもありそう。それは馬柱を見れば分かる。 ある日の東京ダートのマイル戦16頭立て。ルメール騎乗馬は3人。この馬の前走は12着。レース映像を確認すると見どころなし。さらに前々走を見ると、直線で2番手に付けながらも後続に飲み込まれての7着。で、ルメールのテン乗りである。 前走1桁着順は9頭。それらを押しのけての3人。「鞍上に期待」以外に思いつきません。 ルメール騎乗馬をスパッと外し、人気上位の2頭と、人気薄の3頭で3連単5頭BOXだ! ルメール騎乗馬は8着に沈んだ。1人2人7人で的中。払い戻しは……6620円。プラスはプラスである。「ルメールの3人を疑え」はアリだな。【プロフィール】須藤靖貴(すどう・やすたか)/1999年、小説新潮長編新人賞を受賞して作家デビュー。調教助手を主人公にした『リボンステークス』の他、アメリカンフットボール、相撲、マラソンなど主にスポーツ小説を中心に発表してきた。「JRA重賞年鑑」にも毎年執筆。※週刊ポスト2021年6月4日号
2021.05.29 16:00
週刊ポスト
東京競馬場芝2400mで争われる
「ダービー2着馬血統」のエフフォーリアは常識を翻せるか
 いよいよダービーだ。皐月賞馬が好枠におさまり人気が集まりそうだが、競馬ライターの東田和美氏は興味深いデータを挙げた。 * * * 過去10年のダービー馬はディープインパクト産駒6頭、キングカメハメハ産駒2頭と「ダービー馬はダービー馬から」を実証している。さらに遡ってもネオユニヴァース産駒のロジユニヴァース、タニノギムレット産駒のウオッカ、さらにシンボリルドルフ産駒のトウカイテイオーと、輸入種牡馬産駒が圧倒的に強かった中、激戦を勝ち抜いた日本生まれのダービー馬が平成のダービー馬を送り出している。 他のダービー馬の父である日本馬はアグネスタキオンとステイゴールドだが、どちらもダービーの舞台には立っていない。ダービーで負けた馬の産駒でダービーを勝ったのは2014年のハーツクライ産駒ワンアンドオンリーただ1頭。ちなみにオルフェーヴルの母の父メジロマックイーンもダービーには出走していない。勝った馬は間違いなく種牡馬になるレース。血統背景も厳選されている。 皐月賞まで4連勝のエフフォーリアは父エピファネイア(その父シンボリクリスエス)、母の父ハーツクライという“ダービー2着馬血統”、ブービー人気ながらオークスで6着に健闘したミヤビハイディも同じ配合だが、中央で勝っているのはこの2頭だけなのだ。 エピファネイアはサンデーサイレンスが曽祖父となるため、サンデー系牝馬との配合も多く、中でもディープインパクト産駒の牝馬からは、アリストテレス、ムジカ、オーソクレースなど多くの活躍馬が出ている。また父エピファネイア、母の父キングカメハメハという活躍馬も多い。代表格が3冠牝馬デアリングタクトだ。 ちなみに父ディープインパクト、母の父キングカメハメハとなると、ワグネリアンというダービー馬が出ている。キングカメハメハ産駒で母の父ディープインパクトというGⅠ馬がいないのは意外だが、ダービー馬ドゥラメンテをはじめ、ラブリーデイ、ローズキングダムからチュウワウィザード、レッツゴードンキといった母の父サンデー系のGⅠ馬が誕生している。やはりダービー馬のDNAは重視したい。 ダービーを勝つ重みは他のレースとは比較にならないという。武豊にして10度目、昨年調教師に転身したGⅠ26勝の蛯名正義は25回挑戦しながら、ついに勝つことはできなかった。横山典はデビュー24年目、15回目の騎乗でようやくダービージョッキーとなった。その息子で22歳の横山武史が2回目の騎乗で人気に応えて勝ち切ったら、日本競馬は新たな時代に入る。いまだ勝ったことがなく「自分にはダービージョッキーになる資格がないのでは」と悩んだことのある先輩騎手たちの思いはいかばかりのものか。 2019年、全勝だった皐月賞馬サートゥルナーリアが単勝1.6倍ながら4着に敗れ、「乗り替わりではダービーに勝てない」というのは、データというよりも“最低条件”ではないかいう声さえあった。にもかかわらず、今年は17頭中10頭が前走からの乗り替わりによる出走、うち8頭がテン乗りとなる。 この乗り替わりの経過を見てみると、川田騎手は前走まで5戦続けて乗っていてレッドジェネシスではなく、テン乗りのヨーホーレイクに騎乗。またアドマイヤハダルはテン乗りでM・デムーロ騎手だが、2走前に乗って若葉Sを勝っている松山騎手は、前走M・デムーロで皐月賞7着だったグラティアスに騎乗。そして戸崎騎手は、騎乗経験のあるタイトルホルダーでもバジオウでもなく、グレートマジシャンだ。浜中騎手もバジオウに騎乗経験がありながらラーゴム。それぞれ“大人の事情”などがあるのかもしれないが、この時期の3歳馬にとって乗り替わりはプラスとはいえない。 ダービーに2勝し、今年限りで競馬界を去った角居勝彦元調教師は著書『さらば愛しき競馬』(小学館新書)で、レーン騎手に乗り替わったサートゥルナーリアの敗北に触れつつ、こう記している。《才能ある3歳馬ならば、使える脚がレースごとに伸びていく》《こういう馬の成長を、テン乗りでは実感できません》《追い出しが短くなったり、伸びすぎて手前で垂れたりということが起こりやすい》 やはりテン乗りで勝てるほどダービーは甘くない。 サトノレイナスはこれまですべて牝馬限定戦だけに力関係が不明だが、むしろ不気味でもある。4度のレースすべてで出遅れているだけに、直線の長い東京2400mなら強さを発揮しそうだ。ルメールサイドが、3戦すべてに騎乗して3連対のグレートマジシャンではなくこちらを選んだのは、他の馬より2キロ軽量ならばということも含めた純粋な勝負勘があるのだろう。ただし前売りオッズを見る限り、ルメール人気が後押ししている印象も強い。 むしろここではワンダフルタウン。周知のように青葉賞勝ち馬はダービー未勝利だが、それは、このトライアルでやっと権利を獲った馬についてのこと。彼は2歳時に2000mのかつての出世レースであるラジオNIKKEI杯(京都2歳ステークス)を勝っている。重賞2勝、年明け1戦のみでそれが同じコースでの勝利。過去4戦すべてに騎乗している和田竜騎手は10回目のダービー、そろそろ順番が回ってきてもいい。 皐月賞2着のタイトルホルダーはエフフォーリアに完敗した印象で人気を落とすのなら狙い目。終始つつかれながら2着に粘り切った力量は侮れない。ノーザンファームを中心とする社台グループの寡占化が進む中、オークスは日高の馬が出走馬の過半数を占め、結果1、3、4着となった。ダービーではわずかに4頭だが、社台グループの集大成ともいえる父が鉄道すら通らなくなった馬産地を盛り上げることになれば、日本競馬の未来はさらに楽しくなる。●ひがしだ・かずみ/伝説の競馬雑誌「プーサン」などで数々のレポートを発表していた競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のライター。
2021.05.29 16:00
NEWSポストセブン
「運」の呼び込み方を考察(イメージ)
万馬券を当てた作家「3連単はJRAきっての優秀な営業マン」を実感
 誰もが夢見るものの、なかなか現実にならない“夢の馬券生活”。「JRA重賞年鑑」で毎年執筆し、競馬を題材とした作品も発表している作家・須藤靖貴氏は、ついに3連単で万馬券を当てた。そして、新たに馬券を買うにあたって気づいた3連単馬券の魅力についてお届けする。 * * * 初めての3連単5頭ボックス的中。払い戻しは2万ちょっと。目標の10万円超えにはおよばないものの、大型連敗で一生当たらないと目線も下がっていたから心底ホッとした。 連載の回も重なり、そろそろ反省を含めた総括を、とも思った。だが今こそ上がり目じゃないか。「プレー中にやってはいけないこと。それは反省だ」とはアメフトの某ヘッドコーチの言葉。3連単ボックスの扉が開いたのだ。勝負勝負! 東京6Rの未勝利戦。芝2000メートル、14頭立て。力勝負となる府中の芝である。検討の結果、これだろうという馬が4頭。強気になって4頭ボックス(6)(8)(9)(12)で24点買い。決着は(12)(6)(8)! 1人、2人、4人の順だ。5番人気だった(8)は直前に人気を上げた。払い戻しは3430円。とにかくプラス収支である。5頭ボックスにしなくて良かった。 ちなみに3連単ボックスの買い目は重要だ。4頭24点、5頭60点、6頭120点。5頭と6頭の差はグンと広がるものの、4頭と5頭の比較ならば「3600円差だろ。5頭にしとくか。外した1頭が入ったら悔しいし」という気になる。「3連単はJRAきっての優秀な営業マン」だそう。このへんが巧みだ。「良い商品があります。的中保障付きです。16頭ボックス3360点。少々値は張りますが、高配当も期待できますよ」とか(笑)。 さらに同日の芝1800メートルの特別戦。10頭立てと少頭数だが人気薄の喰いこみを狙って(4)(6)(7)(9)(10)の5頭ボックスだ。1番人気は(10)(鞍上は田辺)。出遅れたものの直線で猛然と追いこんできた。前で競り合う(2)と(7)と(9)。2番人気の(2)が食いこむとパーだ。田辺がんばれ! 果たして、(10)(9)(7)! 1人、4人、3人の順。よくぞ(2)を弾いてくれた。でもなにもまとめて抜き去らなくても。払い戻しは5370円。(9)がアタマだったら……。 3連単ボックスに限っての収支はプラス400円。大山鳴動して鼠一匹か。それでも3連単を日に2度的中させたのは初めてである。 払い戻しは時の運。アタマが人気薄だったら。常に「一発」があると思わせるところが3連単ボックスの魔術である。 競馬記者の友人は「次はABC・XYZにチャレンジすれば」と言う。3連単ボックス6頭買い、上位人気3頭、下位人気3頭だ。XYZが1頭でも食いこめば一発。「もし3頭絡んだら、君の好きなシャンパンが毎日飲めるぞ」などと囁く。彼もまた優秀な営業マンなのだった。 エスカレートが怖いのだ。6頭120点の次は7頭210点。「2万1000円以上はつくだろ」と。 5頭にとどまれ。これまでどおり「人気馬から2頭、人気薄から3頭」のフォームで行きます。【プロフィール】須藤靖貴(すどう・やすたか)/1999年、小説新潮長編新人賞を受賞して作家デビュー。調教助手を主人公にした『リボンステークス』の他、アメリカンフットボール、相撲、マラソンなど主にスポーツ小説を中心に発表してきた。「JRA重賞年鑑」にも毎年執筆。※週刊ポスト2021年5 月28日号
2021.05.22 16:00
週刊ポスト
東京競馬場のパドック
オークス 実績断然の白毛馬ソダシに死角はないのか
 桜花賞馬が圧倒的な存在と目されるオークス。下剋上はあり得るのか。競馬ライターの東田和美氏が分析した。 * * * 2019年のラヴズオンリーユーが、カワカミプリンセス以来13年ぶりの「無敗のオークス馬」になったと思ったら、昨年のデアリングタクトは桜花賞との2冠を史上初めてデビューから4連勝で飾った。 そして今年のソダシはすでに5戦5勝、1800mの札幌2歳Sと、1600m桜花賞はレコード勝ち。阪神JFも勝っておりGⅠ2勝。この時期これほどの数字を持っていた3歳牝馬は初めて。ここを勝てば3年連続で無敗のオークス馬誕生となり、6戦6勝の、2歳チャンピオンにもなっている史上初の2冠馬になる。 しかも同じローテーションを経て競り合ってきたサトノレイナスがダービーに矛先を変えた。ソダシの強さを身に染みて知っている陣営が、同条件でソダシと闘うよりも、2キロ減で牡馬と走った方が勝算ありと判断したということだ。 白毛人気もあって断然の1強ムードで迎える今年のオークス。ここでは無理を承知でイチャモンを付けてみる。 平成以降、中央で5勝以上あげてオークスに臨んだ1番人気馬は5頭。いずれも桜花賞馬だが、それまで全勝だったアグネスフローラを始め、1頭も勝っていない。また4勝していた1番人気馬は7頭。うち3頭はオークス馬になっているが、全勝だった2頭、シスタートウショウとダンスインザムードは敗れている。ちなみにここ3年の女王は3連勝での戴冠、カワカミプリンセスも3戦3勝だ。 もちろん強いからこその連勝だが、どこかで“ガス抜き”をすることも必要なのかもしれない。シーザリオやシンハライト、ソウルスターリングなどは、それが桜花賞だったような気がする。5連勝でGⅠを迎える陣営の重圧は、並大抵のものではない。 今回懸念材料とされているのが血統面。芝適性については問題なさそうだが、距離適性に関しては未知数だ。クロフネ産駒のGⅠ馬はソダシを含めて7頭で9勝だが、すべて1600m以下でのもの。2200mを超える平地のレースでの重賞勝ちはなく、ゴールデンハインドがオープンを2勝しているだけで、他はすべて条件戦だ。 父クロフネもNHKマイルカップでは圧勝したが、その後のダービーと神戸新聞杯では敗れている。オークスではホエールキャプチャが、ダービーでもブラックシェルが3着に来ているだけだ。 陣営では当初から、桜花賞よりオークス向きと見ていたというが、他の馬も含めて、走ってみなければ分からないところはある。 吉田隼人騎手は3年ほど前から、美浦に所属しながら拠点を栗東に移し、ローカル開催を中心に関西馬に騎乗することが多くなった。昨年は91勝をあげてリーディング7位。今年も先ごろ通算1000勝を達成、ここまで5位と関東所属騎手ではトップの成績。重賞21勝、ソダシの他ゴールドアクターで有馬記念を勝つなどGⅠを3勝している。 37歳、心身共に今が充実期と言ってもいいが、今回のソダシほど人気を背負ってGⅠに臨むのは初めて。ソダシは最優秀2歳牝馬に選出されながら、桜花賞での1番人気はサトノレイナスに譲って3.6倍の2番人気だった。初重賞の札幌2歳Sは2番人気、その後の2重賞も1番人気ではあったが3倍台だった。 吉田隼騎手はこれまでG1に63回騎乗しているが、1番人気に推されたのは2回しかない。そのうちの1回が昨年の阪神JF。人気に応えているが、2016年の天皇賞(春)ではゴールドアクターが12着に敗れている。 また重賞には443回騎乗しているが、1番人気は11回と少なめで4勝。2017年の日経賞ではやはりゴールドアクターが5着に敗れている。このときの単勝オッズは1.7倍、吉田隼騎手が騎乗してオッズが2倍を切った重賞はこのときだけ。 もちろん敗戦の責任は騎手だけにあるものではない。しかし昨年の函館記念のアドマイヤジャスタや、クイーンSのレッドアネモスのように、人気薄を爆走させる印象が強いのは確かで、受けて立った時にどうか。ゴールドアクターが有馬記念を勝った時も8番人気だった。あまり意味はないかもしれないが、重賞勝ちの時の平均は5.2番人気、オッズは14倍だ。 と、あれこれ書いたが、まさに重箱の隅をつつく行為。ソダシが過去のデータなどあっさり笑い飛ばす逸材であることは間違いない。 こういう流れだと、鞍上が1倍台1番人気の重圧を何度も克服し、両親が三冠馬で母の父もダービー馬というアカイトリノムスメを推奨か、となってしまいそうだが、それでは馬券的な妙味がないので、ここでは人気薄をあげておく。ソダシとの馬連をメインに、馬単でソダシの2着付けを少しだけ。 今年は桜花賞を使っていない馬が面白そうだ。中でもタガノパッションは、息子が権利を獲った馬に、「不肖の」父親が乗るドラマティックな展開。ならばついでにGⅠ初騎乗となる藤懸騎手のハギノピリナ。この2頭、奇しくも連勝中だ。パープルレディは東京2400mを勝った経験が貴重。もう1頭、2戦2勝のニーナドレスだって「無敗のオークス馬」になる権利を持っている。 なお、昨年に続いて今年もサンデーサラブレッドクラブ所属馬の出走がなく、ノーザンファーム生産馬も6頭と近年のGⅠではやや控えめ。ならば昨年に続いて日高生まれの牝馬の奮起に期待したい。●ひがしだ・かずみ/伝説の競馬雑誌「プーサン」などで数々のレポートを発表していた競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のライター。
2021.05.22 16:00
NEWSポストセブン
「運」の呼び込み方を考察(イメージ)
3連単払い戻し2万150円で連敗脱出 万馬券を当てた作家の喜びと感慨
 誰もが夢見るものの、なかなか現実にならない“夢の馬券生活”。「JRA重賞年鑑」で毎年執筆し、競馬を題材とした作品も発表している作家・須藤靖貴氏は、ついに万馬券を的中。その喜びと、同時にわきあがった複雑な感慨についてお届けする。 * * * 迫力配当の道遠し。3連単5頭ボックスは空振り続きで、ついに編集部からムチが飛んできた。「読者もシビレを切らす。的中馬券を載せろ! ダメなら別の話題に替える!」。テコ入れですね。 そんなおり、再読中のミステリーの一節に目が止まった。コリン・デクスターの『ウッドストック行最終バス』。名物キャラのモース警部が犯人を絞りこむ推理が笑えるのだ。条件を満たす対象を段階的に絞っていく。「35~50歳の男、妻帯者、酒飲み、ハンサム、赤い車所有」という具合。さらに絞りこみ、机上の推理のみで犯人が特定されるのだった(もちろんハズレ)。 競馬予想そのものではないか。頭を抱える警部に自分がダブる。こっちのほうが難事件。ミステリーの多くは単独犯だが、「3連単犯」は3名。順番も正しく当てなくてはならぬ。ただし容疑者は多くて18名。クリスティ女史原作のような想定外の犯人というのは、まあありえない。 ある日の中山。3歳未勝利、芝のマイル戦に目を付けた。16頭立てだ。内枠の先行馬が有利といわれるコース。1番人気は(15)の差し馬だが2着か3着までという可能性も大いにある。ホンボシは別にいる。(4)(5)(6)(7)(15)の3連単5頭ボックスで勝負! ただし1~3人気を押さえた(いつもは人気馬は2頭だけ)。大型連敗を止めたいのである。 これが来た! (15)と(5)がハナづらを揃えてゴール、3着は(6)。初めての3連単5頭ボックス的中に、私の尻が1センチほど浮きあがった。 もろ手をあげたあとで目を凝らした。(5)は4番人気。(5)(15)(6)と(15)(5)(6)とではまるで配当が違う。実に際どい勝負で、肉眼では同着に見える。写真判定の時間も長い。私の脳内は「(5)! ぜったい(5)! お願いだから(5)!」である。 ちょっと待て。同着なら2通りの配当が手に入る。3連単ボックスの例外的2点的中だ。いわば真犯人が2人。脳内から(5)が消えて「同着!」に切り替わった。なんという身勝手さか。ただし同着に1番人気が絡む場合、トータルの配当はそれほどでもないらしいけど。 結果は…(5)(15)(6)! 払い戻しは2万150円。 10万円超えの迫力配当には及ばないものの、とにかく連敗にピリオドだ。「目出度さもちう位也おらが春」(一茶)といったところかな。5頭ボックスの最低投入額は6000円。これを日に2回と決めて勝負してきた。厳しい連敗だった。 ふとおかしくなった。12馬くらいがゴールになだれ込み、全馬同着となったら? 『オリエント急行殺人事件』なみの意外な犯人である。【プロフィール】須藤靖貴(すどう・やすたか)/1999年、小説新潮長編新人賞を受賞して作家デビュー。調教助手を主人公にした『リボンステークス』の他、アメリカンフットボール、相撲、マラソンなど主にスポーツ小説を中心に発表してきた。「JRA重賞年鑑」にも毎年執筆。※週刊ポスト2021年5 月21日号
2021.05.16 16:00
週刊ポスト
ダノンファンタジー
ヴィクトリアマイルはあえてダノンファンタジーの「復活」に期待する
 今週は、過去の覇者に数々の名牝が名を連ねるヴィクトリアマイル。競馬ライターの東田和美氏が考察した。 * * * 今年はディープインパクト産駒が大挙10頭出走することが話題になっているが、2006年に行なわれた第1回は、その4年前に旅立ったサンデーサイレンス産駒がやはり10頭出走していて、1~3着を独占した。 その後の勝ち馬のうち、サンデーサイレンスの血を持っていないのは2頭だけ。それがダービーなどGⅠ7勝のウオッカと、牝馬三冠を始めGⅠ5勝のアパパネという歴史的名牝というから、まさにエリート牝馬の晴れ舞台。 昨年春秋のマイルGⅠとスプリンターズSを勝ったグランアレグリアの世代には、やはり昨年の春秋グランプリを制したクロノジェネシス、先ごろ香港のQEⅡ世Cを勝ったラヴズオンリーユー、そして3歳時にJCで2着し、今年の天皇賞(春)でも見せ場たっぷりのレースをしたカレンブーケドールなどがいて、牡馬を凌ぐ活躍を見せている。1つ上のアーモンドアイ、ラッキーライラックらに鍛えられた近年稀に見る牝馬の黄金世代といっていい。 この世代の牝馬で最初にトップに立ったのはダノンファンタジーだった。 3連勝で阪神JFを勝って最優秀2歳牝馬に選出され、チューリップ賞まで4連勝。桜花賞では1番人気に支持され、距離不安のあったオークスはともかく、秋はローズSを勝って、秋華賞でも1番人気に支持された。 しかし、GⅠの舞台では勝ち負けどころか、馬券対象にすらならなかった。 ダノンファンタジーのデビューは2018年6月3日の東京マイル。モズアスコットが勝った安田記念当日。つまり世代最初の新馬戦が行われた週だ。彼女はここを1分33秒9という好時計で駆け抜けたが、2馬身前にいたのがグランアレグリア。これがその後の彼女にとっての「忘れ物」だったように思えてならない。 2戦目の未勝利戦を勝ち上がって重賞も制し、GⅠ阪神ジュベナイルフィリーズで新馬戦のリベンジをと意気込んだが、グランアレグリアは1週後の朝日杯フューチュリティステークスを選択し肩透かしを食う。ようやく対決が実現した桜花賞では、1番人気で受ける立場になりながら、グランアレグリアに先に仕掛けられて懸命に追走。しかし、最後は後続馬にも差されて4着だった。 その後、グランアレグリアは3歳暮れにスーパーGⅡの阪神Cを勝つと一躍短距離路線の主役に躍り出て、1世代上のアーモンドアイさえ打ち破り、今年になると中距離王道路線へと舵を切り替えた。 一方、ダノンファンタジーの4歳時といえば、掲示板に載るのがやっと。今や遠い存在になってしまったグランアレグリアが3歳時に勝った阪神カップに照準を合わせてどうやらこれをクリアしたものの、その後の1400、1200ではあいかわらず苦戦が続いていた。 ヴィクトリアマイルおなじみのキーワードは「復活」。2006年創設以来の女王15頭のうち、前走勝っていたのは2008年のエイジアンウインズ1頭。第1回の勝者ダンスインザムードは桜花賞以後14戦未勝利、第2回のコイウタも8戦未勝利。3冠馬アパパネもマイラーズC4着、ヴィルシーナは2013年にここを勝った後6戦掲示板を外しており、2015年、2016年連覇のストレイトガールの前走は、それぞれ13着、9着。昨年のアーモンドアイでさえ、前走の有馬記念では生涯唯一の着外(9着)だった。 もうひとつのキーワードは「経験」。牝馬同士の東京マイルGⅠは過去の敗戦を糧にしているケースが目立つ。また15頭のうち前走を勝っていたエイジアンウインズ以外の14頭は、いずれもGⅠで掲示板に載ったことがあった。 ダノンファンタジーは着順だけを見ると、物足りないのは否めない。しかし大きく着順を落としたのは稍重の秋華賞8着(勝ち馬から1.1秒差)、重の府中牝馬S6着(1.1秒差)と高松宮記念12着(0.8秒差)。良馬場で行なわれた他のレースではすべて掲示板を確保している。 ようやく実現したグランアレグリアとの再戦で2年前の「忘れ物」を取り戻し、女王として復活することを期待する。 プールヴィルも同世代。ヴィクトリアマイルは初めてだが、GⅠでの好走歴もある。もちろん社台グループの運動会で意地を見せるシゲルピンクダイヤも押さえたい。もう1頭、GⅠ実績はないがスプリント路線から距離を延ばして結果を出してきたディアンドルもこの世代。福島牝馬Sからの参戦馬は本番で結果が出ていないが、今年は直線の長い左回りの新潟で行なわれていた。 そして、もちろんグランアレグリア。牝馬同士のこのレース見向きもせず、連覇のかかった安田記念、さらに距離克服を証明する宝塚記念へと駒を進めるのかと思ったが、大阪杯からの回復が早かったとのこと。昨年は高松宮記念後に熱発するなどでこのレースを回避したが、1年たって心身共にさらに成長したのだろう。しかし、今回は「受ける立場」での競馬。彼女の最終目標は、このレースではない。●ひがしだ・かずみ/伝説の競馬雑誌「プーサン」などで数々のレポートを発表していた競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のライター。
2021.05.15 16:00
NEWSポストセブン
東京競馬場
NHKマイルC 皐月賞をパスしたシュネルマイスターには「負けられない舞台」
 競走馬の適性を早い段階で見抜くことはプロフェッショナルなホースマンたちにとっても簡単ではない。誰もが夢見る3歳クラシック「ではない」ほうのGIレース、競馬ライターの東田和美氏が考察した。 * * * 創設当時はマル外の独壇場だったこのレースも、クラシックが外国産馬に開放された2002年以降は、マイル路線を目指す3歳馬のチャンピオン決定戦となるはずだった。しかし、勝ち馬が古馬になってから安田記念やマイルCSを勝ちまくったかというとそうでもない。 そもそもこの後GⅠを勝ったのは4頭だけで、うち2頭はダービーに駒を進めたキングカメハメハとディープスカイ。古馬になってマイルGⅠを勝ったのはマイルCSのミッキーアイルと香港マイルのアドマイヤマーズだけ。2002年以降の勝ち馬のうち8頭は、その後1つも勝てていない。 春秋の古馬マイルGⅠ馬で、3歳時にこのレースに出走していたのはのべ8頭いるが、ミッキーアイル以外はリアルインパクトの3着が最高。しかもこの中にはアグネスデジタルやジャスタウェイといった万能型もいるので、3歳時にマイル路線を歩んだことが、その後の“馬生”にプラスになったとはいいきれない。 一方皐月賞馬ダイワメジャーは古馬になってからマイルGⅠを3勝しているし、ロゴタイプも安田記念を勝っている。マイル路線へシフトするのはクラシックを走りきってからでも遅くない 陣営としては中山2000mより、東京マイルのGⅠを勝った方が種牡馬としての価値があるという意識こそあるが、3歳春時点ではまだまだクラシックにこだわりたいのだ。馬主、牧場やクラブ会員などの思いも同じだろう。 マイルに慣れることで、その後の調整が難しくなることも多いと聞くし、3歳になったばかりの若駒の可能性を限定したくないという思いもある。2016年のアーリントンカップを勝ったレインボーラインは、皐月賞には向かわずこのレースに出走。3着に健闘したが、古馬になってからは長距離適性を発揮するようになり、2018年には天皇賞(春)を勝った。また、ここで1着ではなかったキンシャサノキセキ、ローレルゲレイロなどはスプリンターとして頂点に立っている。3歳春に言われる「適性」は、あくまでもこの時点での「居場所」と考えたほうがいいのではないか。 2002年以降の勝ち馬19頭のうち、この時期に純然とマイル路線を目指したのはロジック、ミッキーアイル、昨年のラウダシオンら6頭ほど。他の3歳馬にとって本来の目標はクラシックだった。キングカメハメハ、ディープスカイの他、前日に出走取消となったダノンシャンティなどはダービーを見据えていたし、グランプリボスやマイネルホウオウはスプリングSの結果を踏まえて皐月賞を回避。メジャーエンブレムやアエロリットは桜花賞から、クラリティスカイやアドマイヤマーズは皐月賞から巻き返した。 シュネルマイスターは札幌の1500mで新馬勝ち、2走目の3歳1勝クラス1600mのひいらぎ賞は完勝、そしてクラシックの王道路線と言われる弥生賞で2着と、胸を張って皐月賞に向かえたはず。だが弥生賞で「勝ち馬との差を詰めきれなかったこと」(サンデーサラブレッドクラブHPより)で距離の壁を感じ、NHKマイルカップへの出走となった。 サンデーレーシングはオーナーランキング4年連続トップだが、シュネルマイスターが回避したこともあって皐月賞への出走馬がいなくなってしまった。1歳馬募集のラインナップが発表になった時期に、クラシックへの出走馬がなかったのはこのクラブにしては由々しき事態。募集価格5000万円、2年前に125万円も出資した40人の会員すべてが。この決定をすんなり受け入れたとは思えない。 しかも結果論とはいえ、弥生賞馬のタイトルホルダーは本番でも2着。素質と伸びしろを考えれば、シュネルマイスターとて、勝ち負けになったのではないかと考えてしまうのも無理はない。 だからこそ、今回の舞台では負けられない。 同じ勝負服の1番人気馬グレナディアガーズは1勝馬ながら無抽選で出走できた朝日杯FSであっという間にGⅠ馬となり、年明けすぐにファルコンSからNHKマイルカップというローテーションを発表した。このレースが目標ではないのだろうが、あっさりクリアしてもおかしくない。会員は日本のクラシックなどを遥かに超える夢のために300万円を出資したのだろう。 シンザン記念のピクシーナイトは先手を取ると、余裕ある逃げ切り勝ち。前走では先を見据えての仕上げだったという。 その他アネモネS快勝10日後に桜花賞回避を決断したアナザーリリックも、その悔しさを晴らしたいところ。ノーザンファーム生産馬以外では、やはりクラシックを目指しながら弥生賞6着のあとトライアルで結果を出したタイムトゥヘヴンあたり。 このレースでおなじみのクロフネ産駒もダイワメジャー産駒もいない今年のNHKマイルカップ。ならばクロフネ以来の外国産、それもドイツ生まれのシュネルマイスターが牽引するというのが、日本競馬の新たな潮流になりはしないだろうか。●ひがしだ・かずみ/伝説の競馬雑誌「プーサン」などで数々のレポートを発表していた競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のライター。
2021.05.08 16:00
NEWSポストセブン
阪神競馬場のパドック
「春の天皇賞は牝馬不毛」データの裏 カレンブーケドールは大丈夫か
 牝馬だから割り引き、そんな空気はないどころか積極的に買い、がセオリーともなりそうなのが昨今である。競馬ライターの東田和美氏が分析した。 * * * 昨年は古馬の牡牝混合の芝GⅠ10戦のうち9戦で牝馬が勝ったが、天皇賞(春)だけはフィエールマンが連覇して牡馬の面目を保った。なにしろこのレースで牝馬が最後に勝ったのは1953年。グレード制が導入されてから23頭が出走して6着が最高だという。究極のスタミナを要求される3200mでは、キレで勝負する牝馬は圧倒的に分が悪いということなのか。 ところで牡牝混合の芝GⅠで牝馬が圧倒的に強かったのは実は昨年だけ。2019年は3勝、2018年はJCのアーモンドアイのみ、2017年はゼロだ。昨年たまたま強い牝馬が全盛期を迎えていたということなのか。 そもそも牝馬は、GⅠに限らず重賞レースで好走するようならば引退後の繁殖入りは確実。牧場に戻っても大事にされ、優秀な牡馬と交配されることがほぼ約束されるし、生まれてきた子も牡牝かかわらず高値が付くし、デビュー時には話題にもなる。ここでジェンダー論を持ち出すつもりはないが、競走人生の先に見えるものが違うのは明らか。牝馬は傷がつかないうちに「いいお嫁さん」になることが幸せだという考え方だ。 平成に入っても1997年にエアグルーヴが天皇賞(秋)を勝つまで、牝馬が勝ったGⅠはすべてマイル以下だった。花嫁道具として強力なのは、男勝りの勝負強さやスタミナではなく、スピードや一瞬のキレだった。 しかし、素質を見せたら引退して嫁入り、それでいいのだろうか、という機運が出てきたのが四半世紀ほど前から。古馬牝馬の競走生活がもう少し長くてもいいのではないか、賞金が世界一と言われて久しい日本競馬、とくに1億に達するGⅠで勝って稼ぎたい。このころから数を増やしてきたクラブ会員が良血馬に出資しようとすると、牝馬にしか手が出ないことも多いので、オープン入り後にさっさと引退されては、まったくうまみがない――1996年、それまで4歳(現3歳)限定だったエリザベス女王杯が古馬にも開放され、10年後の2006年には春のGⅠヴィクトリアマイルが創設された。 これにより、実績を積んできた古牝馬は、春ヴィクトリアマイル、秋エリザベス女王杯という目標ができた。「牝馬路線の充実」を掲げた番組編成にはサークル内からも歓迎の声が上がった。 でも、これって、人間でいえば、既得権益を守りたい男たちが、女同士の闘いの場を設けたっていう印象。エリザベスとヴィクトリアでいいだろう、他は男に任せておけばいいというように感じられたというのは、うがった見方だろうか。 天皇賞(春)に直結する前哨戦としてはまず3000mの阪神大賞典で、平成以降では12勝2着9回3着15回とダントツ。このレースでは牝馬の優勝が1度もないが、出走馬も少なく、ここ10年ではわずかに4頭。そのなかで2015年に5歳牝馬デニムアンドルビーが2着に入っている。 次が大阪杯組で7勝2着4回3着4回。今年は大阪杯からの出走はないが、過去10年で牝馬の出走は12頭。それで3勝もしている。GⅠになったことで、天皇賞の前哨戦という意味合いは薄まり、香港QEⅡ世Cや宝塚記念へ向かうことも多くなった。2015年のラキシスや、昨年の1、2着牝馬も次走は宝塚記念だった。 もう1つが日経賞で、6勝2着10回3着8回。今年はウインマリリン、カレンブーケドールと牝馬が1、2着を占めた。牝馬が2500mの日経賞を勝ったのは、1988年以来33年ぶりというが、こちらだって出走頭数が少ない。過去10年でわずかに8頭。そのなかで2016年にはマリアライトが3着、今回1、2着というから確率的には悪くない。 もちろん距離適性はあるだろうが、ヴィクトリアマイルを目指す牝馬は、これらの中長距離レースを使う必要がなかったというだけだ。 で、天皇賞(春)に出走した牝馬だが、GⅠで牡馬と対等以上に戦っていたのは、イクノディクタスとデニムアンドルビーぐらい。前者はメジロマックイーンやライスシャワーを、後者はゴールドシップやキズナを相手にしなければならなかった。 他の牝馬はどちらかといえば、長距離適性を見込んでのチャレンジという印象。2005年のアドマイヤグルーヴは天皇賞(秋)3着こそあるが、牝馬戦での活躍馬という印象。エリザベス女王杯連覇だが、1週待ってJCに向かうことはなかった。 できればクロノジェネシスはこちらに出てきてほしかったが、今年の牡馬陣相手なら3歳時にエリザベス女王杯ではなくJCを選んで2着だったカレンブーケドールも実績で負けていない。先頃QEⅡ世Cを勝ったラヴズオンリーユーと同タイム2着だったオークス以後はすべて2000m以上のレース。昨年はドバイシーマクラシックのため現地入りしたが中止となり、休養を余儀なくされた。復帰戦のオールカマーでは、向正面で早めに仕掛け、直線抜け出したがゴール直前で差されて2着。伝説の一戦となった昨年のJCは、あわや3強の一角に食い込むハナ差4着。勝ち切れないもどかしさはあるが、3200mになって本領を発揮する可能性は十分。2周目が内回りなので、前半折り合いさえつけば、終いはしぶとく伸びてくる。 日経賞でそのカレンブーケドールを振り切ったウインマリリンも長い距離では底を見せていない。オークスでは三冠牝馬からコンマ1秒。2000mや2200mでは距離不足だったのではないかとも感じられる。 牡馬では、有馬記念の大敗に目をつぶってオーソリティ、定番菊花賞馬のワールドプレミア。3000m以上の走り方を覚えたようなシロニイは、テレビで見ていても一目でポジションが分かるので応援しやすい。もう1頭の牝馬メロディーレーンは心の中で応援する。●ひがしだ・かずみ/伝説の競馬雑誌「プーサン」などで数々のレポートを発表していた競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のライター。
2021.05.01 16:00
NEWSポストセブン
舞台は中山競馬場
皐月賞 ヴィクティファルス「2つの重賞実績」は能力の証明か
 クラシックはどの馬にとっても一生に一度の舞台だ。であるがゆえに、臨戦過程が重要だとされる。競馬ライターの東田和美氏が分析した。 * * * 桜花賞にはノーザンファーム生産馬が11頭も出走、実に7着までを独占したが、特筆すべきは6着馬までがトライアルを使っていなかったこと。2012年から2017年までの桜花賞馬はいずれもトライアルを経てきたが、ここ3年は別路線からの出走だ。 皐月賞では2001年からの10年間はすべて3月のトライアルが前走だった馬が勝っていたが、直近10年では2月の共同通信杯経由が4頭でトップ。スプリングS組が3頭、さらにここ2年は昨年暮れのGⅠホープフルS勝ちからの直行だ。 かつて王道路線と言われた弥生賞からは2010年のヴィクトワールピサ以来、勝ち馬が出ていない。ダービーまで狙う関西馬にしてみれば、弥生賞やスプリングSを使うと、3か月の間に3度遠征しなくてはならないわけで、3歳春の若馬にとって楽なことではないのだろう。本番までの間隔がやや中途半端といった面もあるのかもしれない。 今年は最終登録馬すべての出走が可能。2頭の回避馬も出たため、1勝馬でも登録しておけば出走することができた。 例年なら新馬(未勝利)と1勝クラスを勝っただけの収得賞金900万円の馬は抽選での出走になることが多く、初勝利の後、重賞1、2着かオープンを勝つことが、とりあえずの「出走権獲得」の条件だった。それでもまだ賞金的に届かない場合もあったが、一応の目安にはなっていたものだ。「最後のトライアルでバタバタしながら権利を獲っているようでは、本番を勝つことは難しい」とは藤沢和雄調教師の金言(『GⅠの勝ち方』/小学館刊)。早めにクラシックの権利を取って、余裕を持って本番を目指してきた馬が有利だということだ。 過去30年まで遡っても、トライアルでやっと出走権を獲得して本番も勝ったという馬は2004年のダイワメジャーと2018年のエポカドーロだけ。ほかに“東上最終便”毎日杯を勝って本番も制したのが1999年のテイエムオペラオーと2017年のアルアイン、2勝馬で7分の2の抽選をくぐり抜けて皐月賞馬になったのが2002年のノーリーズン。それ以外の勝ち馬25頭は、早い時期にクラシック出走のメドを立てている。 2、3着馬でもこの傾向は同じで、ここ10年の2着馬は8頭、3着馬は6頭がトライアルを使っているが、そのうち12頭は、それ以前に重賞連対かオープン勝ちがあり。馬の状態を見ながら余裕を持って本番に向かっていた。トライアルを使ったのは「念のため」だったり、「本番前のひと叩き」といった意味合いもあり、ギリギリまで仕上げてはいなかったはずだ。 今年の出走馬を見ると、トライアルからの参戦馬6頭のうち4頭は、すでに重賞連対やオープン勝ちがあり、一応「出走権」を持っていたと言える。 なかでもヴィクティファルスは共同通信杯で2着。長くいい脚を使ったエフフォーリアからはやや離されたものの、新馬戦を勝った次のレースとしては上々。まだ幼さが目立ち、持続性に疑問が残るという状態での好走は、さらなる伸びしろを十分に感じさせた。 クラシック出走を確実にするために出走したスプリングSでは余裕を残して完勝。今年に入って3度目の輸送となるが、重馬場もこなしており、瞬発力勝負の中山向きでここが勝負どころ。 過去10年、共同通信杯を使った後も皐月賞を目指した馬のうち22頭がスプリングSを使っているが、勝った馬はゼロだった。2つのレースで連対を果たしたのはダービー馬ディープブリランテとドバイターフ覇者リアルスティールだけ。この時期に東京と中山のこの距離の重賞で結果を出せるのは、それだけの能力の持ち主だ。 母ヴィルジニアはフランケルなどを輩出した世界的大種牡馬ガリレオの直子で国内最多の3勝。ガリレオは母の父としてローズSなどのカンタービレ、目黒記念のキングオブコージなどがいて、その血脈は日本にも広がりつつある。 2009年以降の勝ち馬はすべて前走1、2着。3着以下だった馬は過去30年まで遡っても5頭しか勝っていないが、ダノンザキッドのGⅠホープフルS勝ちは無視できない。陣営は理想的な「本番前のひと叩き」だったとインタビューで語っている。 この2頭で気になるのは皐月賞におけるハーツクライ系の不振。晩成血統といわれるように出走頭数も少なかったが、昨年初めてサリオスが連対。その前年には孫にあたるヴェロックスが2着しており、ようやくクラシック仕様に合ってきたともいえる。 タイトルホルダーは東スポ杯、ホープフルSとダノンザキッドに屈してきたが、前走は影さえ踏ませずに悠々と逃げ切った。ノーザンファーム生産馬が10頭を占めるなか、社台グループの血を結集した種牡馬で日高の生産馬が勝つというのも痛快だ。 トライアルを使っていないところでは、いつだって勝負服が気になるホープフルS3着のヨーホーレイク、2000mの重賞で2回の好走歴があるラーゴムを押さえたい。●ひがしだ・かずみ/伝説の競馬雑誌「プーサン」などで数々のレポートを発表していた競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のライター。
2021.04.17 16:00
NEWSポストセブン

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