芸能

7~8時台ひとり勝ちのNHK 民放各局は朝ドラ対策に四苦八苦

 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、絶好調の朝ドラと民放各局のワイドショーの熾烈な戦いを暴露。

 * * *
 テレビの企画会議や、視聴率が出た際に用いられる「裏環境」なる言葉。担当する番組の裏番組がレギュラー通りなのか、それともイレギュラーなのか。「この日の裏環境は…」「フィギュア(スケート)で3(層)は、テレ朝に来るから、ウチは2(層)狙いで」などとテレビ誌のコピーを片手に、少しでも視聴率が獲れるよう、ああでもない、こうでもないと戦略をたてるのである。

 もっとも、テレビ誌に事細かな番組内容が出ているワケでもなく、せいぜい、番組のあるなしや、スペシャルか否か、時間の切り方などがわかればいいほう。

 事情通を気取る編成マンが広告代理店から入手してきた先々のラインナップがこっそり配られて…なんてことも過去にはあったが、それが間違っている場合もあって…(苦笑)。結果、“裏かぶり”のような内容になってしまった大失敗もある。

 こうしたトークは、たいていゴールデンやプライムタイムの番組会議で聞かれるのが常だが、実はいま、裏番組の動向をもっとも気にしている時間帯の一つが、朝の7時台、8時台。在京局でいうなら、『めざましテレビ』~『とくダネ!』(フジテレビ系)、『ZIP』~『スッキリ!!』(日本テレビ系)、『グッド!モーニング』~『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)などがオンエアされている時間だ。そして、裏番組の中で最大の敵は、“朝ドラ”こと、NHKの連続テレビ小説なのである。

 ご存知のとおり、いまはNHK大阪放送局制作の『あさが来た』が絶好調。ついに27%を超える日もあった(ビデオリサーチ・関東地区)。

 かつては、その視聴率で“西低東高”と言われた朝ドラだったが、『カーネーション』『ごちそうさん』『マッサン』そして『あさが来た』…と、近年は東京制作よりも大阪制作のほうが評判も数字も調子がいい。

『あさが来た』は“オーディション200連敗”とのウワサもあるほど鳴かず飛ばずだったモデルで女優の波瑠がヒロイン。玉木宏、宮崎あおい、近藤正臣といった豪華脇役陣に加え、「五代様」(ディーン・フジオカ)や、二人の番頭=「雁助」(山内圭哉)「亀助」(三宅弘城)なども大人気で、『女性セブン』を始めとする女性週刊誌は毎週のように『あさが来た』を特集している。

 地上波は8時から。BSプレミアムでは7時30分から『あさが来た』を、7時15分~30分は、『どんど晴れ』の再放送をしている。『どんど晴れ』の前は、あの『あまちゃん』が再放送されていた。

 その時間帯、民放の生番組の毎分(視聴率の折れ線グラフ)を見てみると、明らかにNHKに持って行かれている凹みが確認できる。

 朝ドラが調子がいいと、その後の『あさイチ』の数字も良く、朝ドラファンの中には、「『あさイチ』の冒頭、イノッチ(V6井ノ原快彦)や有働サン(有働由美子アナ)、柳沢さん(柳沢秀夫氏)と感想を分かち合うまでが朝ドラ」と言い切る者も多いのである。

 それに乗っかって、件の脇役陣を紹介する芸能コーナーがあっても良さそうなものだが、大半のテレビ局では、主題歌の『『365日の紙飛行機』(AKB48)をBGMに使うことさえ禁止。聞けば、「編成からストップがかかっている」というのである。

関連記事

トピックス

伊藤沙莉は商店街でも顔を知られた人物だったという(写真/AFP=時事)
【芸歴20年で掴んだ朝ドラ主演】伊藤沙莉、不遇のバイト時代に都内商店街で見せていた“苦悩の表情”と、そこで覚えた“大人の味”
週刊ポスト
総理といえど有力な対立候補が立てば大きく票を減らしそうな状況(時事通信フォト)
【闇パーティー疑惑に説明ゼロ】岸田文雄・首相、選挙地盤は強固でも“有力対立候補が立てば大きく票を減らしそう”な状況
週刊ポスト
新アルバム発売の倖田來未 “進化した歌声”と“脱がないセクシー”で魅せる新しい自分
新アルバム発売の倖田來未 “進化した歌声”と“脱がないセクシー”で魅せる新しい自分
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
伊藤
【『虎に翼』が好発進】伊藤沙莉“父が蒸発して一家離散”からの逆転 演技レッスン未経験での“初めての現場”で遺憾なく才能を発揮
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン