地方の町を使い、ロケを多用。都会と田舎の対比。家族の物語。方言の台詞、その地域独特の職業……。もちろん、似通った点がいくらあってもいい。でも、「あまちゃん」がコメディタッチだったからといって、「まれ」も笑わせないといけない、という制作側の強迫観念が透けて見える気がするのは私だけ?
例えば大泉洋が演じる「チャランポランな」父。塩田の職人にむかっていきなり「機械化して儲けろ」とからんでみたり、娘が作ったケーキをひっくり返してメチャメチャにしてみたり。安手のギャグを展開するためだけに登場しているような人物。この父の浅薄な人物造形が、ドラマ世界を壊している。
いったいなぜこんなことに? おそらく、「夢を持つ」ことの深い意味を主人公が発見するという筋のために、ダメ人間の登場が必要になった。そこで作ったダメ父キャラ、というあたりかもしれません。単純な笑いを拙速に求める脚本と演出。しかし多くの視聴者は、もっとしっとりと主人公の成長物語を味わいたいと思っているのでは。
ギャグを見たいのであれば、別の番組を見ます。例えばこの父をもう少し落ち着いた人物に取り替えるだけでも、「まれ」の世界に調和が生まれてきそうです。
明日4月6日月曜日から、いよいよヒロインを演じる土屋太鳳が登場です。ドタバタが収まり、オープニングのキラキラと輝く世界がヒロインを包み込むことを、期待しています。