芸能

菅田将暉、勝地涼、桐谷健太 「しなやかな才能」に高評価

 新たな才能との出会いは、人を沸き立たせるものだ。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘する。

 * * *
 今クールのドラマを楽しむには、「視聴率が目立たなくても見所を発見する」ことがコツ。コラムではその楽しみ方と魅力をとりあげてきた。さらに今回、ドラマの中から「今後の可能性を強く感じた」3人の男優をピックアップ。役者としての魅力にスポットライトを当ててみたい。

●菅田将暉

『ちゃんぽん食べたか』(NHK)では主役として登場。物語は1960年代。田舎から上京した繊細な学生・佐野雅志(さだまさし役)を、七三分けのマッシュルームカット姿で好演した。

 安保闘争で騒然とする世の中、生き方を模索しながら「一流バイオリニスト」という夢を手放していく青春の蹉跌。フォークソングを歌う菅田さんからは、60年代というあの時代の空気感がじんわりと漂ってきた。

 本人はまだ22歳。なのに知らない過去の時代の空気感を掴まえて再生していくその力、役者として生半可ではない。

 一方、バトンタッチするようにスタートした『民王』(テレビ朝系金曜23:15)では、まったく異質のキャラを演じている最中。息子と父親の人格が入れ替わるという物語設定。外見は息子だが、心はオヤジ、職業は内閣総理大臣。上から目線、偉そうな物言い、マッチョで荒々しい人物になりきって暴れている。

 と「幅広い」芸を見せつけた菅田さん。クラシックからパンクまで。七三分けから怒髪まで。繊細な感性から厚顔無恥まで。何でもやりそう。やれそう。やってみてほしい。

●勝地涼

『ど根性ガエル』(テレビ朝日系土曜21時)の警官・五郎役がキレている。

 左手を腰に当てて敬礼して「やんす」。ポーズがキマッている。子どもにバカ受けしているのも、頷ける。直感力が鋭い子どもたちは、表面的にやっているのか、それとも血肉化されたギャグなのかを一瞬で嗅ぎ分けてしまう。

 そう、勝地さんの「やんす」は迷いがなく全力が込められていて、しかも軽やか。見ていて爽やか。だから人の笑いを誘う。こういうのを、ギャグの「型」と言うのだろう。久々に、おそ松くんの「シェー」に該当する「型」を見た気分。

関連記事

トピックス

2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
卓球混合団体W杯決勝・中国-日本/張本智和(ABACA PRESS/時事通信フォト)
《日中関係悪化がスポーツにも波及》中国の会場で大ブーイングを受けた卓球の張本智和選手 中国人選手に一矢報いた“鬼気迫るプレー”はなぜ実現できたのか?臨床心理士がメンタルを分析
NEWSポストセブン
数年前から表舞台に姿を現わさないことが増えた習近平・国家主席(写真/AFLO)
執拗に日本への攻撃を繰り返す中国、裏にあるのは習近平・国家主席の“焦り”か 健康不安説が指摘されるなか囁かれる「台湾有事」前倒し説
週刊ポスト
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン
パーキンソン病であることを公表した美川憲一
《美川憲一が車イスから自ら降り立ち…》12月の復帰ステージは完売、「洞不全症候群」「パーキンソン病」で活動休止中も復帰コンサートに懸ける“特別な想い”【ファンは復帰を待望】 
NEWSポストセブン
「交際関係とコーチ契約を解消する」と発表した都玲華(Getty Images)
女子ゴルフ・都玲華、30歳差コーチとの“禁断愛”に両親は複雑な思いか “さくらパパ”横峯良郎氏は「痛いほどわかる」「娘がこんなことになったらと考えると…」
週刊ポスト
話題を呼んだ「金ピカ辰己」(時事通信フォト)
《オファーが来ない…楽天・辰己涼介の厳しいFA戦線》他球団が二の足を踏む「球場外の立ち振る舞い」「海外志向」 YouTuber妻は献身サポート
NEWSポストセブン
海外セレブも愛用するアスレジャースタイル(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
「誰もが持っているものだから恥ずかしいとか思いません」日本の学生にも普及する“カタチが丸わかり”なアスレジャー オフィスでは? マナー講師が注意喚起「職種やTPOに合わせて」
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「旧統一教会から返金され30歳から毎月13万円を受け取り」「SNSの『お金配ります』投稿に応募…」山上徹也被告の“経済状況のリアル”【安倍元首相・銃撃事件公判】
NEWSポストセブン