“本流”の関西から“新興勢力”の名古屋へ──山口組のトップを継いだ司忍六代目組長について元傘下団体幹部が語る。
「六代目は高倉健さんみたいにストイックや。酒も飲まんし、たばこもやらん。いつもいざという時のために腕立て伏せをしたり、泳いだりして体を鍛えとる。しかも、いつもブランドの服や帽子を身につけるか、和装をしとって、おしゃれなところもある」
高倉さんが映画でヤクザを演じていた時代とは大きく変わった。今は「暴排(暴力団排除)」の時代。近年、警察は暴力団の壊滅に力を注ぎ、暴力団は次第に規模を縮小している。10年前には、全国に約9万人の暴力団構成員・準構成員などがいたが、昨年末時点では約5万人まで減った。全体の約半分を占める山口組の組員も、この5年間で約1万2000人減り、今は2万3000人ほどだ。
「警察はヤクザの資金源を徹底的に取り締まっとる。最近は“ヤクザやっても食べていけん状況”や。そんな中、六代目山口組本部は傘下団体から多くの上納金を集めるだけやなく、本部が販売するミネラルウオーターや石鹸、歯ブラシなどの日用品を半ば強制的に購入させた。そうした『弘道会』を中心とした執行部のやり方に、もう一つの『山健組』を中心とする派閥は不満を募らせとった」(前出・元幹部)
六代目山口組は神戸にある総本部を名古屋に移転させる計画を立て、それに反発があったという報道もある。そんな背景の中で起きたのが「山口組の分裂」だった。
※女性セブン2015年9月17日号