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90年代の長者番付 消費者金融やパチンコ関連社長が名を連ねた

 長者番付は時代に応じて変遷を繰り返してきた。現在有名なのは孫正義氏や三木谷浩史氏らだが、1990年代の特徴は、消費者金融やパチンコ機器メーカーの創業者が上位に名を連ねたことだ。

「不景気になると、消費者金融やパチンコ業者が儲かるという証しだと捉えられます」(経済誌『月刊BOSS』編集委員・関慎夫氏)

 1991年度にはパチンコ機器メーカー、SANKYO社長の毒島邦雄が3位にランクイン(所得税額・29億4725万円)。1993年度の番付では、武井保雄・武富士社長兼会長がトップとなった(同43億1847万円)。

 武富士は1998年に東証1部上場を果たしたが、その株式公開に向けた株主構成の適正化のため、1993年に創業者である武井は所有する株式を関連会社に売却し、200億円弱の所得を得たのである。

「武井さんは毀誉褒貶はありますが、数字に明るい人で、与信方法など独自のノウハウを編み出すなど、消費者金融のビジネスモデルを開拓した敏腕経営者だったことは間違いありません」(同前)

 さらに、神内良一・プロミス代表取締役が3位に(同17億1644万円)、二重作弘正・日立信販社長が9位に(同13億9065万円)それぞれランクイン。消費者金融が強い時代だった。

 1996年度には、作曲家の小室哲哉がCDの印税収入で、前年度のランク外から一気に4位に躍進し(同10億51万円)、1997年度も同じく4位(同11億7342万円)となって一世を風靡した。また、この年には山内溥・任天堂社長が8位(同7億5082万円)で初のベスト10入りを果たしている。
 
「いち早く家庭用ゲーム機のプラットフォームとして『ファミリーコンピュータ』の開発を主導し、『スーパーマリオブラザーズ』などソフト販売で稼ぐビジネスの礎を築いた独創性と先見性のある経営者でした」(同前)

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