「1000年に1人の逸材」「天使すぎるアイドル」と言われてから早2年。いよいよ橋本環奈さん(16歳)が女優業に本格参戦します。3月公開の『セーラー服と機関銃-卒業-』は、言わずと知れた角川映画の名作であり、主演女優の登竜門。薬師丸ひろ子さん、原田知世さん、長澤まさみさんに続いて星泉役を演じることで、間違いなく話題を集めるでしょう。橋本さんの魅力は、「清楚な美少女」というルックスだけでなく、そのイメージに相反する芯の強さと弾けるようなパワー。極道の世界で闘い、タンカを切る星泉のキャラは、ハマリ役になりそうな予感がします。

 現在、朝ドラ『あさが来た』に女中のふゆ役で出演している清原果耶さん(13歳)も、さらなる飛躍の一年に。朝ドラは「女優デビュー作でいきなりメインキャスト」「13歳にして15歳から20代後半の女性を演じる」というハードルの高い挑戦でしたが、堂々とした演技を披露しています。その勢いを保ったまま、3月からは3年間に渡って放送される大河ファンタジードラマ『精霊の守り人』に出演。綾瀬はるかさんが演じる主人公の少女期を演じます。“架空の世界に生きる女用心棒”という役だけに、クラシックバレエやダンスで鍛えた体幹バランスの良さが生かされるのではないでしょうか。

 ここで挙げた4人の年齢は最年長が川栄さんの20歳で、最年少の清原さんは13歳。4人以外にも注目のティーン女優は多いのですが、これほど若いメンバーの活躍が期待されるのは、各芸能事務所が“本物のスター女優”を育てようとしているから。早いうちから演技経験をどんどん与えることで、「向こう数十年、事務所を支えてくれる主演女優になって欲しい」という思いがあるような気がします。

【木村隆志】
コラムニスト、テレビ・ドラマ解説者。テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの聴き技84』(TAC出版)など。

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