芸能

夏ドラマの「主役」は二世俳優 千葉真一やUAの息子も

注目の二世俳優・真剣佑

 7月8日に放送された『神の舌を持つ男』(TBS系)を皮切りに、夏ドラマがスタートした。今クールの注目は、出演者に二世タレントが多いことだ。中には親のように、演技力だけではなく大物感を醸し出している俳優もいる。注目の二世タレントとドラマの見どころについてテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 これほど二世俳優がそろったクールは記憶にありません。しかも、「近い将来、確実に主演を担うであろう」、スター候補ばかりです。なかでも再注目は、TBSの看板ドラマ枠・日曜劇場『仰げば尊し』に出演する真剣佑さん(まっけんゆう・19歳)と村上虹郎さん(むらかみにじろう・19歳)。

 真剣佑さんは、世界的アクションスターの父・千葉真一さんが、「世界に通じる俳優」に育てるためロスで英才教育を施し、17歳でのハリウッドデビューを初出演初主演で飾った本格派です。今年はヒット映画『ちはやふる』で主要キャストに選ばれたほか、単発ドラマ『明日もきっと君に恋をする。』(フジテレビ系)ではドラマ初のメインキャストも務め、いよいよメジャーシーンに台頭してきました。甘いマスク、アクション、ネイティブ英語など多くの武器を持ち、今後が最も期待される10代俳優と言ってもいいでしょう。

 一方、村上虹郎さんの両親は、村上淳さんとUAさん。まだ俳優歴は2年ですが、デビュー作『2つ目の窓』は主演を飾ったほか、カンヌ映画祭でも上映されました。大きな話題を集めたのは、昨年秋の特別ドラマ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(フジテレビ系)。主演のじんたん役を熱演して、原作アニメファンをうならせました。今年5月には映画『ディストラクション・ベイビーズ』で柳楽優弥さん、菅田将暉さん、池松壮亮さんら20代の演技派俳優と堂々渡り合う姿を披露。純粋さと危うさを併せ持つ佇まいは、まさに両親譲りで大物感たっぷりです。

 2人が演じるのは、学校再建のために招へいされた吹奏楽部顧問に反発する不良高校生。69歳の名優・寺尾聰さんを相手に、10代らしい暴れっぷりと、汗と涙まじりの熱い演技を見せてくれるのではないでしょうか。

『仰げば尊し』には、中野英雄さんの二世・太賀さん(23歳)も出演します。前クールの『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系)では、情緒不安定な“ゆとりモンスター”役で主役を食うほどの存在感を見せただけに、真剣さんや村上さんとの二世共演が楽しみです。

 その他にも、『せいせいするほど、愛してる』(TBS系)には、歌舞伎役者・中村錦之助さんの二世・中村隼人さん(22歳)が、サラリーマン小説家役で出演。歌舞伎界きっての若手イケメンだけに、トリンドル玲奈さんと水沢エレナさんとの三角関係が見物です。

 また、『家売るオンナ』(日本テレビ系)には、プロ野球ソフトバンク監督・工藤公康さんの二世・工藤阿須加さん(24歳)が出演。北川景子さん演じるヒロイン・万智に振り回される若手営業マンを演じます。

 柄本明さんの二世・柄本佑さん(29歳)は、『ヤッさん~築地発!おいしい事件簿~』(テレビ東京系)に出演。弟の柄本時生さん(26歳)も、『侠飯~おとこめし~』(テレビ東京系)に出演し、同作で高畑淳子さんの二世・高畑裕太さん(22歳)と共演します。

 最後に1人、忘れてはいけないのが、『営業部長 吉良奈津子』(フジテレビ系)に出演する松田優作さんの二世・松田龍平さん(33歳)。もはや二世であることを忘れるほどのトップ俳優ですが、タフで力強い演技が「ますます優作さんに似てきた」という声も多いだけに、ヒロイン・松嶋菜々子さんと真正面からぶつかり合うシーンが楽しみです。

 松田さんを除いていずれも10~20代の若手ですが、素晴らしいのは両親の名前に頼ることなく、自らの演技で道を切り拓いていること。「父親譲りの」「母親に似た」ではなく、「親とは違う存在感を出そう」という意気込みが伝わってくるため、両親のファンだけでなく、多くの人々が応援したくなるものです。

 ただ、「本人が意識していないところに、親の面影が出てしまう」姿も、視聴者にとっては醍醐味の1つ。親のことをよく知っている親戚のような立場から、彼らの躍動と成長を見守ってみてはいかがでしょうか。

【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本前後のコラムを提供するほか、『新・週刊フジテレビ批評』『TBSレビュー』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』など。

関連記事

トピックス

ビエンチャン中高一貫校を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月19日、撮影/横田紋子)
《生徒たちと笑顔で交流》愛子さま、エレガントなセパレート風のワンピでラオスの学校を訪問 レース生地と爽やかなライトブルーで親しみやすい印象に
NEWSポストセブン
鳥取の美少女として注目され、高校時代にグラビアデビューを果たした白濱美兎
【名づけ親は地元新聞社】「全鳥取県民の妹」と呼ばれるグラドル白濱美兎 あふれ出る地元愛と東京で気づいた「県民性の違い」
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン
『ルポ失踪 逃げた人間はどのような人生を送っているのか?』(星海社新書)を9月に上梓したルポライターの松本祐貴氏
『ルポ失踪』著者が明かす「失踪」に魅力を感じた理由 取材を通じて「人生をやり直そうとするエネルギーのすごさに驚かされた」と語る 辛い時は「逃げることも選択肢」と説く
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信フォト)
オフ突入の大谷翔平、怒涛の分刻みCM撮影ラッシュ 持ち時間は1社4時間から2時間に短縮でもスポンサーを感激させる強いこだわり 年末年始は“極秘帰国計画”か 
女性セブン
10月に公然わいせつ罪で逮捕された草間リチャード敬太被告
《グループ脱退を発表》「Aぇ! group」草間リチャード敬太、逮捕直前に見せていた「マスク姿での奇行」 公然わいせつで略式起訴【マスク姿で周囲を徘徊】
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《巨人の魅力はなんですか?》争奪戦の前田健太にファンが直球質問、ザワつくイベント会場で明かしていた本音「給料面とか、食堂の食べ物がいいとか…」
NEWSポストセブン
65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《梨園に誕生する元アイドルの嫁姑》三田寛子と能條愛未の関係はうまくいくか? 乃木坂46時代の経験も強み、義母に素直に甘えられるかがカギに
NEWSポストセブン
大谷翔平選手、妻・真美子さんの“デコピンコーデ”が話題に(Xより)
《大谷選手の隣で“控えめ”スマイル》真美子さん、MVP受賞の場で披露の“デコピン色ワンピ”は入手困難品…ブランドが回答「ブティックにも一般のお客様から問い合わせを頂いています」
NEWSポストセブン