芸能

濱田岳、浜野謙太ら 個性派俳優トレンドは「小柄で味ある」

個性派俳優として活躍中の濱田岳

 イケメン俳優がもてはやされた時代はもう古い!? ドラマや映画で存在感を発揮する個性派俳優に最近、あるトレンドがあるという。コラムニストのペリー荻野さんが指摘する。

 * * *
 小栗旬身長184cm、東出昌大189cm、鈴木亮平186cm…阿部寛の登場にびっくりしていたのも今は昔。日本にもずいぶん長身の俳優が増えて当たり前のようになってきた。が、最近はU169cmの小柄にしてピリリと味のある面々の活躍が目立っている。
 
 そのトップランナーといえるのが、濱田岳(身長160cm)。子役でデビューした後、『3年B組金八先生』でも注目を集め、キャリアは長い。昨年はドラマ『釣りバカ日誌』で二代目ハマちゃんになったり、『信長協奏曲』で小栗、藤木直人らイケメン揃いの戦国武将に囲まれつつも、お調子者の徳川家康でキラリと光った。家康は戦場から逃げ出すとき、脱糞したという説があり、ドラマの中でそのことをからかわれる場面もチラリ。神君、英雄と描かれることも多い家康なのに、このトホホエピソードを取り上げられるところに濱田家康の味が出ている。

 一方、朝ドラ『とと姉ちゃん』で多くの視聴者におなじみの顔となったのが、浜野謙太(身長157.1cm)。ヒロイン常子(高畑充希)一家がしばらく世話になる仕出し屋森田屋の従業員・長谷川役だった。いつもでっかい顔の主のピエール瀧にガンガン怒鳴られている小柄な長谷川だが、後に森田屋のひとり娘富江(川栄李奈)と結婚。祝言の席で、常子姉妹は富江に「そもそもどうして長谷川さんを好きになったの?」と失礼きわまる質問をしたりする。

 祝言では紋付き袴で酔っ払い、自分にそっくり(?)な福助人形を抱いて、へなへなしていた長谷川だが、浜野謙太自身は、へなへなどころかシャカシャカのミュージシャンなのである! 御存知の方は何を今さら「!」もないだろうというところだが、浜野謙太は自らのバンド「在日ファンク」のステージで、ぴょんぴょんと飛び跳ね、ダンスを見せ、ポーズを決める。ぴっちりしたスーツで動き回る浜野は、やけになで肩が目立った紋付きの長谷川とは別人みたいである。

 そして、今年ぐいぐいと存在感を増しているのが、前野朋哉(身長168cm)。濱田岳が金太郎を演じているau「三太郎」CMで突如姿を現した一寸法師役の前野。実はいつも一寸法師はCM画面の隅っこに本当の一寸サイズでいたらしいのだが、それが誰なのかはわからず、auのイベントに三太郎らと出演した際にも乙姫の菜々緒から「知らないっつってんだろうが!!」とすごまれていた。

 チャラチャラした一寸法師は人間サイズになってからよく目立っているが、前野本人には別の得意技がある。それは「何気なくそこに溶け込むこと」。今年は『重版出来!』のほのぼの漫画家、NHK『とっとテレビ』のフロアディレクターなど、「あー、こういう人いるわー」という雰囲気だった。思えば12年の映画『桐島、部活やめるってよ』でも、何気なく高校生役。その時、すでに26歳だったんだけどね…。今秋、スタートする市川海老蔵主演の『石川五右衛門』では、五右衛門の盗賊仲間を演じる。盗賊だけに昼間は「何気なくそこに溶け込み」、夜は存在感を現す。両方の技が出てくるはずだ。

 三人に共通しているのは、既婚で父であること。浜野はふだんからこどもたちの朝ごはんを作っているという。まだまだこの三人の引き出しの奥は深い。二枚目でも悪役でも未成年でもOKだから、どこでどんな役で出てくるか予想できない。それがピリリ系の強みだ。

関連記事

トピックス

元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
日本テレビの杉野真実アナウンサー(本人のインスタグラムより)
【凄いリップサービス】森喜朗元総理が日テレ人気女子アナの結婚披露宴で大放言「ずいぶん政治家も紹介した」
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬の宮城野親方
元・白鵬の宮城野部屋を伊勢ヶ濱部屋が“吸収”で何が起きる? 二子山部屋の元おかみ・藤田紀子さんが語る「ちゃんこ」「力士が寝る場所」の意外な変化
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン