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2016.08.15 07:00  週刊ポスト

靖國神社 通常立ち入れない「奥の奥」斎館、到着殿に潜入

到着殿の貴賓室:要人の控室として使われる。写真奥へ行くほど天井が低くなっているのが特徴


 到着殿の左手奥に進むと回遊式の神池庭園が広がる。明治初めの造園で、池で泳いでいるのは昭和57年に上越新幹線開通を記念して献納された新潟県特産の錦鯉。普段、境内最奥に位置するこの庭園を訪れる人は少ないが、毎年4月上旬の「さくらまつり」では茶店が設営され、多くの参拝客で賑わう。

 庭園横には、「行雲亭」「洗心亭」「靖泉亭」の3つの茶室が佇む。現在、行雲亭では裏千家の茶道教室が定期的に開かれるが、元々は日本刀鍛錬会の所有だった。その後、日本シェパード犬登録協会が入り、靖國神社百年史編纂室を経て昭和63年から茶室として使われるようになった。

 茶室のさらに奥にあるのが相撲場。神社創建の明治2年、余興として大相撲が奉納されたときに造営された。以来、大祭の時期に合わせて今も行なわれている。他に大相撲が奉納される神社は、伊勢神宮と明治神宮のみ。大正6年に両国国技館が焼失した際は、本場所が2年間4場所開催されたこともある。現在も東日本学生相撲新人選手権大会などの舞台で、学生相撲のメッカとして知られる。

 靖國神社は、相撲以外のスポーツにも縁が深い。昭和36年の奉納プロレスでは力道山やジャイアント馬場、アントニオ猪木らがリングに立った。日本の近代競馬発祥の地でもある。庶民レベルでは、毎朝境内でラジオ体操が行なわれている。誰もがその名を知るが、どこか近づきにくい靖國神社。だが、足を踏み入れ歴史を知れば、文化的で身近な鎮守の杜であることに気づくはずだ。

※週刊ポスト2016年8月19・26日号

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