到着殿の貴賓室:要人の控室として使われる。写真奥へ行くほど天井が低くなっているのが特徴


 到着殿の左手奥に進むと回遊式の神池庭園が広がる。明治初めの造園で、池で泳いでいるのは昭和57年に上越新幹線開通を記念して献納された新潟県特産の錦鯉。普段、境内最奥に位置するこの庭園を訪れる人は少ないが、毎年4月上旬の「さくらまつり」では茶店が設営され、多くの参拝客で賑わう。

 庭園横には、「行雲亭」「洗心亭」「靖泉亭」の3つの茶室が佇む。現在、行雲亭では裏千家の茶道教室が定期的に開かれるが、元々は日本刀鍛錬会の所有だった。その後、日本シェパード犬登録協会が入り、靖國神社百年史編纂室を経て昭和63年から茶室として使われるようになった。

 茶室のさらに奥にあるのが相撲場。神社創建の明治2年、余興として大相撲が奉納されたときに造営された。以来、大祭の時期に合わせて今も行なわれている。他に大相撲が奉納される神社は、伊勢神宮と明治神宮のみ。大正6年に両国国技館が焼失した際は、本場所が2年間4場所開催されたこともある。現在も東日本学生相撲新人選手権大会などの舞台で、学生相撲のメッカとして知られる。

 靖國神社は、相撲以外のスポーツにも縁が深い。昭和36年の奉納プロレスでは力道山やジャイアント馬場、アントニオ猪木らがリングに立った。日本の近代競馬発祥の地でもある。庶民レベルでは、毎朝境内でラジオ体操が行なわれている。誰もがその名を知るが、どこか近づきにくい靖國神社。だが、足を踏み入れ歴史を知れば、文化的で身近な鎮守の杜であることに気づくはずだ。

※週刊ポスト2016年8月19・26日号

関連記事

トピックス

年越しはイスタンブールで過ごした渚さん(Instagramより)
「生きてみるのも悪くない、とほんの少し思えた」 渡邊渚さんが綴る「年越しを過ごしたイスタンブールの旅」
NEWSポストセブン
総選挙をきっかけに政界再編が大きく進むか(時事通信フォト)
《解散総選挙・政界大再編の胎動》自民も立憲も国民も分裂か “高市首相を中心とした急進保守勢力”と“自民党の穏健保守を含む中道・リベラル勢力”に大きく分かれていく流れ
週刊ポスト
再選を果たした小川晶氏(時事通信フォト)
ラブホ密会辞任の小川晶氏、前橋市長選に再選 オバ記者が気になったのは“やたら支持者とハグしていたこと”「地方の年配者は“オレに抱きついてきた”と勘違いしないかしら」
女性セブン
Netflixドラマ『地獄に堕ちるわよ』にて細木数子さん役を演じる戸田恵梨香(時事通信フォト)
《出産から約3年》女優・戸田恵梨香の本格復帰が夫婦にとって“絶妙なタイミング”だった理由…夫・松坂桃李は「大河クランクイン」を控えて
NEWSポストセブン
高市早苗・首相と政策が近い保守政党が自民党の“反高市”候補に刺客を立てる可能性も(時事通信フォト)
《政界再編のきっかけとなる総選挙》保守政党が自民党内の“反高市”候補に刺客 高市首相を中心に維新、参政、日本保守党などが新たな保守勢力結集に向かう動き
週刊ポスト
月曜夜に放送されているフジテレビ系『ヤンドク!』(インスタグラムより)
《元ヤンキーの女性医師も実在!?》『ヤンドク』『夫に間違いありません』『パンチドランク・ウーマン』、テレビ局が“実話ベースのオリジナル”を制作する事情 
NEWSポストセブン
宮崎あおいと岡田准一の円満な夫婦仲(時事通信)
《女優・宮崎あおいと4児の子育て》岡田准一「週6ジム通い」の柔術ライフを可能にする“夫婦円満”の秘訣
NEWSポストセブン
佐藤輝明とはいえ“主力”で起用されるとは限らない
《WBC侍ジャパン》阪神・佐藤輝明の不安要素 控え起用が濃厚で、前回大会の山川穂高や牧原大成と重なる立ち位置 憧れの大谷翔平から“どんな影響を受けるのか”も重要に
週刊ポスト
中国のインフルエンサーであるチョウ・ユエン(46)(SNSより、現在は削除済み)
「カラダでX字を描くの」 “性教育の達人”中国美熟女インフルエンサーが5億円超を稼いだ“過激セミナー”の内容とは《性産業を取り巻く現地の厳しい環境》
NEWSポストセブン
ガールズバー店長の鈴木麻央耶容疑者(39)とその右腕、田野和彩容疑者(21)
【写真入手】「1週間おなじ服で、風呂にも入らせずに…」店員にGPS持たせ売春、性的暴行も…ガルバ店長・鈴木麻央耶容疑者(39)の「“裸の王さま”ぶり」
NEWSポストセブン
フリースタイルスキー界のスター、アイリーン・グー選手(時事通信フォト)
《腹筋ビキニ写真が“完璧すぎる”と評判》年収35億円の中国美人アスリート(22)、“キス疑惑密着動画”で〈二面性がある〉と批判殺到した背景【ミラノ冬季五輪迫る】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市「改憲」爆弾と「石破茂中道入り」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市「改憲」爆弾と「石破茂中道入り」ほか
NEWSポストセブン