ライフ

隈研吾氏「日本人と中国人が仕事をすれば面白いことになる」

【この人が語るこの本】『日本人も知らなかった 日本の国力』/川口盛之助著/ディスカヴァー・トゥエンティワン/2600円+税

【著者】川口盛之助(かわぐち・もりのすけ)/1961年兵庫県生まれ。技術とイノベーションの育成の専門家。イリノイ大学理学部修士課程修了。他の著書に『世界が絶賛する「メイド・バイ・ジャパン」』(ソフトバンク新書)。

 いったい日本の「ソフトパワー=人材力」は世界第何位で、どういう特徴があるのだろうか? 学問、科学技術、芸術、芸能、スポーツなど100以上の分野における個人の活躍を、権威ある賞の受賞からメディアの評価、ウェブ上での人気に至るまで様々な尺度を使って定量化し、国籍別のランキングを作成することにより、それを可視化したのが本書。経済指標などマクロな統計数値による定量分析とも、感覚的な定性評価とも異なる新しいアプローチであり、興味深い内容になっている。

 国内外の建造物の設計を数多く手掛ける世界的建築家であり、新国立競技場の設計者としても知られる隈研吾氏は、日本の「ソフトパワー=人材力」をどう見るか。(インタビュー・文/鈴木洋史)

──本書によれば、世界的権威のある建築賞における日本人の受賞者数は、1960年以降ではアメリカ、イギリスに次いで3位です。

隈:世界各地で仕事をしていると、世界の建築界における日本人建築家の存在感は、日本にいて想像するよりもずっと大きく、特にここ10年ぐらいは世界で一番活躍していると言ってもいいかもしれません。中国や韓国のような親日的とは言えない国でも、日本人建築家への信頼は高いですからね。

 日本人建築家は他の国の建築家と比べ、木、土、コンクリートなど素材に対する感性がセンシティブで、自然環境との調和を大切にするんですね。そうした感覚は、自然が変化に富み、四季が豊かな土地に暮らすことで育まれ、磨かれてきたのだと思います。

 また、やや専門的に言うと、日本語の構造が建築に似ています。建築は「空間の流れ」と捉えることができるのですが、漢字、仮名交じりの日本語は、全体の流れの中に漢字、仮名が漂う「空間的な言語」なんですね。子供の頃からそういう言語を使うことで、空間に対する独特のセンスが育まれるような気がします。

関連記事

トピックス

日高氏が「未成年女性アイドルを深夜に自宅呼び出し」していたことがわかった
《本誌スクープで年内活動辞退》「未成年アイドルを深夜自宅呼び出し」SKY-HIは「猛省しております」と回答していた【各テレビ局も検証を求める声】
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん
亡くなったジャンボ尾崎さんが生前語っていた“人生最後に見たい景色” 「オレのことはもういいんだよ…」
NEWSポストセブン
出席予定だったイベントを次々とキャンセルしている米倉涼子(時事通信フォト)
《米倉涼子が“ガサ入れ”後の沈黙を破る》更新したファンクラブのインスタに“復帰”見込まれる「メッセージ」と「画像」
NEWSポストセブン
実業家の宮崎麗香
《セレブな5児の母・宮崎麗果が1.5億円脱税》「結婚記念日にフェラーリ納車」のインスタ投稿がこっそり削除…「ありのままを発信する責任がある」語っていた“SNSとの向き合い方”
NEWSポストセブン
峰竜太(73)(時事通信フォト)
《3か月で長寿番組レギュラー2本が終了》「寂しい」峰竜太、5億円豪邸支えた“恐妻の局回り”「オンエア確認、スタッフの胃袋つかむ差し入れ…」と関係者明かす
NEWSポストセブン
2025年11月には初めての外国公式訪問でラオスに足を運ばれた(JMPA)
《2026年大予測》国内外から高まる「愛子天皇待望論」、女系天皇反対派の急先鋒だった高市首相も実現に向けて「含み」
女性セブン
夫によるサイバーストーキング行為に支配されていた生活を送っていたミカ・ミラーさん(遺族による追悼サイトより)
〈30歳の妻の何も着ていない写真をバラ撒き…〉46歳牧師が「妻へのストーキング行為」で立件 逃げ場のない監視生活の絶望、夫は起訴され裁判へ【米サウスカロライナ】
NEWSポストセブン
東条英機・陸軍大将(時事通信フォト)
《戦後80年特別企画》軍事・歴史のプロ16人が評価した旧日本軍「最低の軍人」ランキング ワースト1位はインパール作戦を強行した牟田口廉也・陸軍中将 東条英機・陸軍大将が2位に
週刊ポスト
西東京の「親子4人死亡事件」に新展開が──(時事通信フォト)
《西東京市・親子4人心中》「奥さんは茶髪っぽい方で、美人なお母さん」「12月から配達が止まっていた」母親名義マンションのクローゼットから別の遺体……ナゾ深まる“だんらん家族”を襲った悲劇
NEWSポストセブン
シーズンオフを家族で過ごしている大谷翔平(左・時事通信フォト)
《お揃いのグラサンコーデ》大谷翔平と真美子さんがハワイで“ペアルックファミリーデート”、目撃者がSNS投稿「コーヒーを買ってたら…」
NEWSポストセブン
愛子さまのドレスアップ姿が話題に(共同通信社)
《天皇家のクリスマスコーデ》愛子さまがバレエ鑑賞で“圧巻のドレスアップ姿”披露、赤色のリンクコーデに表れた「ご家族のあたたかな絆」
NEWSポストセブン
硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将(写真/AFLO)
《戦後80年特別企画》軍事・歴史のプロ16人が評価した旧日本軍「最高の軍人」ランキング 1位に選出されたのは硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将
週刊ポスト