斉藤:とても和やかです。面白い芝居がしたいという共通項だけ、みなさんはっきりしています。特に三谷(幸喜)さんが選出する役者は、純粋に俳優という仕事が好きな人たちばかりですから、自分らしく振るまえます。
特に家康役の内野さんは、ほんっとうにバカなんです(笑い)。ただのバカじゃなくて、役者バカなんですよ。徹頭徹尾、芝居のことしか考えてない。自分がどうしたら、家康としての役柄を深められるか、120%そのことしか頭にないと思うんですよ。完全に芝居に魅入られちゃってるんだなって、見ていて面白いです。
――お互いに、芝居はこうした方がいいんじゃないか話し合う?
斉藤:指図するようなことはないんですけど。たとえると、ジャズは1人が始めると演奏者が集まってきて、いつの間にかセッションになるのと同じで、誰かが台詞を始めると、みんなで自主練になるわけです。すると、助監督さんたちは撮影を始めたいのに、一区切りするまで待とうって雰囲気になるんです(笑い)。
そうして台詞を合わせているうちに、この感じもおもしろいかもね、という案がどんどん出てきます。それが純粋に、演じる者として楽しいです。
――清水ミチコさん(旭役)は、話さないのに存在感がありますよね。
斉藤:そうですね。清水さんは出演を受ける時、「台詞を喋らなくてもいいなら出てもいいですよ」って三谷さんに言ったんだそうですよ。そんなオファーの受け方があるのかってびっくりしました(笑い)。お2人はつうかあの仲なんだなって、改めて思いましたね。
――寧や茶々のシーンは、数少ない女性ばかりのシーンでしたね。
斉藤:鈴木京香さん、竹内結子さん、長澤まさみちゃん、私というくだりがあったんです。これは大河じゃないと成立しない豪華な面子だと思って、みなさんに一声かけて、ピースして4ショットで写真を撮りました。そして、そのまま三谷さんにメールで送ったんです、喜ばれるかなと思って。
女優4人で、「三谷さんが宮崎駿さんそっくにりなっているらしいよ」って話で盛り上がっていたので、その旨をメールで書いたら、すぐに返信が届いて、宮崎駿さん激似の自撮り写真が添付されていたんです(笑い)。
そこに似せるポイントが添えてあって、「窓辺で夕日を見ている感じと、チェックのシャツです」と書いてありました。それをみんなで見て、三谷さん面白いねってまた盛り上がった、そんな撮影現場でした(笑い)。
――演技面で言われた、印象的な三谷さんの言葉は?