かくてオリックスの「1」は永久欠番ではなくなり、図らずも今オフの“陽岱鋼の移籍交渉材料”として浮上している。日ハムで「1」をつけていた陽の獲得には巨人、楽天が名乗りをあげているが、巨人の「1」は王氏の番号で永久欠番、楽天では不動のクローザー・松居裕樹(21)がつけている。一方でオリックの「1」は“マイナー帰り”の中島裕之(34)。中島が一番動かしやすいということでオリックスが移籍交渉で有利ではと見る向きもあるのだ。
「オリックスは糸井が抜けて『7』が空いたのも大きい。“世界の盗塁王”福本豊さんの番号だから、陽への“誠意”としては充分に魅力的だ」(球団関係者)
背番号は、若手への期待度のバロメーターにもなる。今年はヤクルトのドラ1・寺島成輝(履正社)がエースナンバー「18」を与えられて注目を集めた。
この「18」が“エースの番号”といわれるのは、巨人の影響が強い。プロ野球黎明期の大投手・スタルヒンに始まり、藤田元司、堀内恒夫、桑田真澄らナンバーワン投手の系譜が背番号の格を高めてきた。
「ただ、最近は日ハムの斎藤佑樹(28)や巨人の杉内俊哉(36)、ソフトバンクの松坂大輔(36)と、『18』は“期待外れ”のイメージが強まりつつある。代わりに巨人では、メジャーで世界一も経験した上原浩治(41)の『19』を菅野智之(27)に与えるなど、時代の変化が感じられます。
もともと投手の背番号は10~19が多い。日ハム入団時に大谷翔平(22)が『11』になったのは、“二刀流”とは言いつつ、球団側が投手として育てるつもりだったことの表われでしょう」(スポーツ紙デスク)
※週刊ポスト2016年12月16日号