国際情報

今の韓国の姿は朝鮮王朝末期・閔妃の頃に重なる

なぜ韓国は同じ過ちを繰り返すのか(櫻井よしこ氏)

 韓国の朴槿恵大統領は歴代大統領と同じくスキャンダルで民衆に追い詰められている。親友の崔順実被告による国政介入疑惑について国民向けの談話を発表、「任期短縮を含む進退問題を国会の決定に委ねる」と述べ、2018年2月の任期満了を待たずに辞任する意向を表明した。

 これは、過去に何度も韓国で見てきた光景である。大統領が何らかの不正をしていたことが退任後に明らかになり、その後は悲惨な末路を送る。朴氏は任期中という異例の事態ではあるが、ジャーナリストの櫻井よしこ氏と拓殖大学教授の呉善花氏が、韓国ではなぜ同じような悲劇が繰り返されるのかについて語りあった。

 * * *
櫻井よしこ(以下、櫻井):それにしても、清廉と思われていた朴槿恵(パククネ)大統領が、なぜこんなことになってしまったのでしょう。

呉善花(以下、呉):韓国国民にとっては、期待が高かった分、裏切られたという気持ちが非常に強いのです。父親の朴正熙(パクチョンヒ、1963~1979)大統領も母親の陸英修(ユクヨンス、1963~1974)さんも倹約家として知られ、「国父」「国母」として尊敬されていました。私も青年時代に国母さまは服も一番安い生地で作っていたとか、チマチョゴリを自分で縫い直したという話を聞かされたものです。

櫻井:その陸さんが1974年に殺害され、朴槿恵大統領はお母さんに代わって“ファーストレディ”としてお父さんに寄り添った。それが彼女の人気の源になっていますね。

呉:そうなんです。同時に朴槿恵大統領は母親の清潔なイメージを利用しました。

 韓国人は白が好きで潔白の意味があるので、お母さんは白を好んでいました。その潔白を自分のイメージにして、ヘアスタイルもお母さんにそっくりにしている。しかも独身で男性関係がないので、韓国人の多くは彼女を「天使」のようだと考えてきました。だから、就任後しばらくは誰も彼女を批判することができず、問題があっても「宝石にも埃がつくことがある」と言われたほどでした。

櫻井:宝石ですか……。そう言えば彼女は「お姫さま」と呼ばれていました。

呉:はい。まさにそのイメージで、セウォル号沈没事故(2014年4月)が起きるまで、批判はタブーでした。

 お母さんが殺害された後、崔順実(チェスンシル)容疑者の父・崔太敏(チェテミン)氏が朴槿恵大統領に接近したことはすでに報道されている通りですが、それだけでなく、父親の朴正熙氏が暗殺されたのも、崔太敏氏との関係が大きな原因の一つだったと考えられます。

 朴槿恵大統領が崔太敏氏に操られ、朴正熙大統領は娘の言いなりになっている。これでは韓国が危ういということで、側近のKCIA(韓国中央情報部)部長が朴正熙氏を暗殺したのです。

関連記事

トピックス

まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
生徒のスマホ使用を注意しても……(写真提供/イメージマート)
《教員の性犯罪事件続発》過去に教員による盗撮事件あった高校で「教員への態度が明らかに変わった」 スマホ使用の注意に生徒から「先生、盗撮しないで」
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《ロマンス詐欺だけじゃない》減らない“セレブ詐欺”、ターゲットは独り身の年配男性 セレブ女性と会って“いい思い”をして5万円もらえるが…性的欲求を利用した驚くべき手口 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
由莉は愛子さまの自然体の笑顔を引き出していた(2021年11月、東京・千代田区/宮内庁提供)
愛子さま、愛犬「由莉」との別れ 7才から連れ添った“妹のような存在は登校困難時の良きサポート役、セラピー犬として小児病棟でも活動
女性セブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
『帰れマンデー presents 全国大衆食堂グランプリ 豪華2時間SP』が月曜ではなく日曜に放送される(番組公式HPより)
番組表に異変?『帰れマンデー』『どうなの会』『バス旅』…曜日をまたいで“越境放送”が相次ぐ背景 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン