拓殖大学国際学部教授の呉善花氏


櫻井:駐韓国のアメリカ大使も、崔太敏氏が朴槿恵氏を「心身ともに完全にコントロール下に置いている」という機密書類を送っていたことを、ウィキリークスが暴露しました。こうしたことから、現在の朴大統領を支持する保守派の中にも、父親が暗殺される原因を作ったのは朴槿恵大統領自身だったという批判が存在します。

 朴槿恵大統領は釈明会見で「私はカルトに操られたことはない」と言いましたが、大統領の口からこうした言葉が出てくること自体、異常な事態です。

呉:私には今の韓国の姿が朝鮮王朝末期の閔妃(ミンピ、*1)の頃に重なって見えます。閔妃は占いが大好きで、頼れる者は占い師しかいない。そのために莫大なお金を使い、財政難に陥ると民衆から税金を大量に徴収したために、農民の怒りが爆発した。しかし宮廷には少数の軍人しかいないので、閔妃は中国に頼りました。日本も居留している日本人を守るという名目で出兵し、日清戦争につながります。

【*1:朝鮮王朝・李氏朝鮮の第26代高宗の期先で、大きな権力を持っていた。朝鮮の伝統的なシャーマニズムである巫俗(ムーダン)に傾倒して怒りを買い、乙未事変(1895年)で殺害された】

 閔妃は清についたりロシアに寄ったり、一時は日本にも接近したりと右往左往した挙げ句、朝鮮王朝は滅んでいきました。

櫻井:朴槿恵政権と重なりますね。中国と米国の間で右往左往し、中国に寄って行きましたが、中国経済が悪化すると今度は日本に近づいて慰安婦問題で日韓合意して……。

呉:韓国は大統領を任期中に逮捕することはできないので、今、野党は大統領選挙を早めることを狙っています。国会はすでに野党が過半数を握っている。今大統領選挙をやれば野党が勝つのは確実ですから、非常に北朝鮮に近い政権が生まれることになります。まさに韓国は滅亡の一歩手前まで来ていると思います。

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