下位打線に目を移すと、販売台数でドイツのフォルクスワーゲンに世界一の座を譲ったトヨタが6番に座る。トランプ氏のツイッターでメキシコでの工場建設を強いトーンで批判されるなど、ビーンボールまがいの内角攻めに遭っているが、その打棒への期待はやはり大きい。ヘイキンズの精神的支柱でもある。
「批判に対しては、アメリカでの大型設備投資を発表してトランプ氏のご機嫌を取るなど、際どいボールをうまくよけている。為替が円安に動けば一気に利益が増大するトヨタのような輸出企業の“長打力”には陰りは見えない」(藤井氏)
7番のファナックは、高度なロボット打法で世界に名を知られている選手だ。
「トランプ政権が移民排除政策を行なうと、工場ロボット化の動きが加速する可能性が高い。その意味ではファナックもトランプノミクス銘柄です」(藤井氏)
8番は好不調の波はあるものの、一発長打のある野村ホールディングス。
「証券会社は企業努力よりも市況に大きな影響を受けます。業績は相場次第で不安定なところがあるので上位打線には入れられませんが、トランプノミクスで株式相場が一段と上がる展開になれば、大幅上昇が期待できそうです」(藤井氏)
藤井氏は9番に“影の1番”としての期待も込めて、デンソーを抜擢する。
「デンソーは車の自動運転時代に備えて、先進自動運転システムやミラーレスの開発に力を入れている。業績に寄与するのはもう少し先でしょうが、いずれ日経ヘイキンズを牽引する選手になる可能性は大です」
日経ヘイキンズも粒揃いだが、気になるのは、スタメン起用の理由の多くがダウズオーナーのトランプ氏の政策にあるという点だ。田代氏が指摘する。