◆清水富美加と異なる扱いをされる創価学会信者芸能人
その一方で、新宗教への熱心な信仰心を持ちながら芸能活動を続けているタレントも少なくない。
2009年1月9日付の創価学会機関紙『聖教新聞』には、興味深い写真が掲載されている。歌手の山本リンダ(65)、女優の岸本加世子(56)、WAHAHA本舗の久本雅美(58)、柴田理恵(58)、ミュージシャンの高橋ジョージ(58)らが東京・八王子市の東京牧口記念会館で勢揃いしている写真が特大サイズで掲載された。創価学会の芸術部歌「使命の舞」を斉唱する様子を写した写真もある。
同じく聖教新聞社発行の小冊子『SOKA2011』にはお笑いコンビのナイツ(塙宣之=38、土屋伸之=38)が登場し、〈なるほど創価学会 ナイツのヤホーで調べました!!〉という教義入門の文章を掲載している。得意のギャグを交えながら、〈(創価学会の教義は)自分らしく輝くための教えなんだ〉などと解説役を務めている(各タレントが信者かについて創価学会広報室は「プライバシーの問題なので回答は控える」とした)。
名前を挙げたタレントの多くが今もテレビ等で活躍しているのは周知の通りだ。この違いはどこにあるのか。宗教学者の島田裕巳氏が解説する。
「創価学会芸術部に所属する信者のタレントは、公共の電波や公共の場では宗教的な告白や教団の宣伝をしません。自分から声を大にしていわなければ、視聴者は宗教色を感じることもなく、起用する側のメディアの方もそこまで神経質になる必要がないのです」
教団機関紙などに登場する限りなら、信者以外の目にはほとんど触れないから問題ないということだが、逆にいえば、自ら信者であることを世間にことさらアピールすれば、芸能界に身を置くことが難しくなるという指摘でもある。
テリー伊藤が、2月14日に放送された『白熱ライブ ビビット』(TBS系)で「実は今、芸能界でも幸福の科学に入っている方はいます。普通に番組に出ている人がたくさんいます。彼らは普通に穏やかです」と語ったが、この発言もまた不特定多数に向けて公にしなければ業界から排除する力も働かないという意味なのだろう。
奇しくも冒頭の山崎の著書にあった、〈記者会見をすれば、芸能界で生きられなくなる〉という言葉は、一面の真実を示していたことになる。
※週刊ポスト2017年3月3日号