■結婚という形にこだわるがゆえに、愛のない選択をすることに

──法律上の妨げはなくとも、それでも結婚を望む男女は多いように感じます。

藤沢:やはり、日本人は「結婚」が大好きですからね。本にも書いたように、実際、まともな所得がある男性と結婚した女性は大きな既得権益を手にします。もちろん、それはそれでいいと思うんですよ。じゃあ、そういうまともな男性と結婚できなかったら、他に選択肢はないのか、という話なんです。

 多くの女性は所得の高い男性との結婚を望んでいる。一方、年収1000万円以上の男性は全体の6、7%であるように、所得の高い男性って少ししかいない。また、所得の高い男性にしてみたら、結婚は大きな負担が伴う契約で、気軽には踏み切れない。要は、女性が自分の望むような男性と結婚できる可能性は極めて低いんですよ。そんな低い可能性に賭けている女性を見ると、どうしてもっとマクロな視点を持ち冷静になれないのかな、と不思議に思います。

──その結果、女性が二極化している、と本で書かれています。

藤沢:理想的な結婚ができた人は法律にがっちり守られた幸せを手にする一方、結婚できない人は生涯未婚のまま子どもを産まない、という状態が続くのです。この二択しかない状況が、僕にはいいと思えないんですね。多くの女性は、できるならば好きな男と幸せになりたい、あるいは子どもを産みたいと願っている。それを実現する道が、イコール<結婚>のみであることに、疑問を感じるのです。

 例えば愛した人にすでに妻がいて、結婚はできなかったとしても、愛人として子を産み、養育費をもらって暮らす人生もあるのではないでしょうか。経済的な面に限って言えば、年収600万円の男性と結婚するより、年収1000万円以上の男性と不倫をして子どもを産んだほうが、養育費だけでも得することになります。詳しくは本を読んでいただきたい。

──事実婚が増えれば出生率も上がりますか?

藤沢:いま日本の出生率は1.4程度です。事実婚が広がれば1.8くらいまでは上がると僕は予想しています。フランスや北欧のように2.0程度まで上げるには、さらに国の補助などの政策が必要でしょうね。好きな男性と好きなときに子どもを産んでも、政府がちゃんとシングルマザーを補助するようにしないといけません。

 でも、僕が事実婚を言うのは、何も少子化対策のためではないんです。個人の幸せを考えて、そう思います。いまは男も女も働く時代、みな、もっと自由に生きればいいと思うんですよ。結婚という形にあまりにもこだわるがゆえに、結婚できないからといって好きな男を諦める、という愛のない選択を女性はすることになる。僕には理解できません。愛は、すべてのものに優先しないといけないものですから。

関連記事

トピックス

石橋貴明の近影がXに投稿されていた(写真/AFLO)
《黒髪からグレイヘアに激変》がん闘病中のほっそり石橋貴明の近影公開、後輩プロ野球選手らと食事会で「近影解禁」の背景
NEWSポストセブン
秋の園遊会で招待者と歓談される秋篠宮妃紀子さま(時事通信フォト)
《陽の光の下で輝く紀子さまの“レッドヘア”》“アラ還でもふんわりヘア”から伝わる御髪への美意識「ガーリーアイテムで親しみやすさを演出」
NEWSポストセブン
24才のお誕生日を迎えられた愛子さま(2025年11月7日、写真/宮内庁提供)
《24歳の誕生日写真公開》愛子さま、ラオス訪問の準備進めるお姿 ハイネックにVネックを合わせて顔まわりをすっきりした印象に
NEWSポストセブン
ニューヨークのイベントでパンツレスファッションで現れたリサ(時事通信フォト)
《マネはお勧めできない》“パンツレス”ファッションがSNSで物議…スタイル抜群の海外セレブらが見せるスタイルに困惑「公序良俗を考えると難しいかと」
NEWSポストセブン
中国でライブをおこなった歌手・BENI(Instagramより)
《歌手・BENI(39)の中国公演が無事に開催されたワケ》浜崎あゆみ、大槻マキ…中国側の“日本のエンタメ弾圧”相次ぐなかでなぜ「地域によって違いがある」
NEWSポストセブン
韓国・漢拏山国立公園を訪れいてた中黒人観光客のマナーに批判が殺到した(漢拏山国立公園のHPより)
《スタバで焼酎&チキンも物議》中国人観光客が韓国の世界遺産で排泄行為…“衝撃の写真”が拡散 専門家は衛生文化の影響を指摘「IKEAのゴミ箱でする姿も見ました」
NEWSポストセブン
 チャリティー上映会に天皇皇后両陛下の長女・愛子さまが出席された(2025年11月27日、撮影/JMPA)
《板垣李光人と同級生トークも》愛子さま、アニメ映画『ペリリュー』上映会に グレーのセットアップでメンズライクコーデで魅せた
NEWSポストセブン
リ・グァンホ容疑者
《拷問動画で主犯格逮捕》“闇バイト”をした韓国の大学生が拷問でショック死「電気ショックや殴打」「全身がアザだらけで真っ黒に」…リ・グァンホ容疑者の“壮絶犯罪手口”
NEWSポストセブン
渡邊渚アナのエッセイ連載『ひたむきに咲く』
「世界から『日本は男性の性欲に甘い国』と言われている」 渡邊渚さんが「日本で多発する性的搾取」について思うこと
NEWSポストセブン
“ミヤコレ”の愛称で親しまれる都プロにスキャンダル報道(gettyimages)
《顔を伏せて恥ずかしそうに…》“コーチの股間タッチ”報道で謝罪の都玲華(21)、「サバい〜」SNSに投稿していた親密ショット…「両親を悲しませることはできない」原点に立ち返る“親子二人三脚の日々”
NEWSポストセブン
ガーリーなファッションに注目が集まっている秋篠宮妃の紀子さま(時事通信フォト)
《ただの女性アナファッションではない》紀子さま「アラ還でもハート柄」の“技あり”ガーリースーツの着こなし、若き日は“ナマズの婚約指輪”のオーダーしたオシャレ上級者
NEWSポストセブン
世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン