ビジネス

勤勉労働者多い北朝鮮 体制崩壊なら新たなアジアの工場に

北朝鮮には勤勉な労働者が多い

 米朝関係が開戦前夜の様相を呈すなかで、地政学リスクが懸念され日経平均の下落が続いているが、一方で、「有事によって経済が上向く可能性」が市場関係者の間では囁かれている。

 かつて1950年代の朝鮮戦争特需が、1960年代以降の高度経済成長へとつながっていったことは見逃せない。日本を代表する大企業もこの時期に大きく飛躍した。自動車評論家の国沢光宏氏が指摘する。

「当時、トヨタ自動車はGHQ主導の財政引き締め策であるドッジ・ラインの影響で、人員整理を伴う深刻な経営難に陥っていました。そこに、米軍調達部からの特需があり、大量のトラックを納入するようになり、業績が好転した。トヨタが現在のグローバル企業になる礎を築いたのは、朝鮮戦争がきっかけだったという言い方もできる」

 トヨタだけでない。ソニーも朝鮮特需の時代に経営の基盤を形成した企業のひとつだ。そして、1960年代の高度成長期にはそうした企業群が、さらなる成長を遂げていく。

 では今回、朝鮮半島有事が発生した場合、その先にはどのような状況が待つのか。国沢氏は、金正恩体制が崩壊すれば、中国主導のよりマイルドな体制が誕生すると予測する。

「その際、立ち遅れた国民生活を向上させるため、インフラ整備が盛んになるでしょう。世界の工場といわれた中国やタイの人件費が上がる中、北朝鮮という国は安くて勤勉な労働者を多く抱える新たな工場となり得る。労働市場としてだけでなく、消費市場としても台頭してくれば、アジア全体に好景気をもたらす可能性もあり得るでしょう」

関連記事

トピックス

11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン