かつて10代女優は、「女優として演技で実績を積むまでバラエティー番組は出ない」というスタンスが主流でしたが、松岡茉優さん(22歳)や二階堂ふみさん(22歳)らがバラエティー番組への出演を女優業のステップアップにつなげた成功例を受けて、低年齢化が加速しています。
10代女優がバラエティー番組を目指す最大の理由は、知名度と好感度のアップ。もともと10代女優は、モデル系なら女性、グラビア系なら男性とファンが偏りがちであり、若年層以外に自らの存在を知ってもらう機会があまりありません。その点、老若男女の目にふれるバラエティー番組は、多くの人々に自分の顔と名前を知ってもらうチャンスなのです。
実際、二階堂ふみさんは『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ系)の看板コーナー「グルメチキンレース・ゴチになります!」のレギュラーとなり、持ち前の明るいキャラを見せて、知名度と好感度を上げました。ちなみに二階堂さん自身、出演の理由を「知名度を広めたいと思った」と明かしています。
◆学園ドラマの激減で『朝ドラ』頼みに
「知名度や好感度なら本業のドラマや映画で上げればいいのに」と思うかもしれませんが、「それが難しいからこそ、バラエティー番組に進出している」のもまた事実。
本来、10代女優のホームグラウンドになるのは学園ドラマ。過去を振り返ってみても、『3年B組金八先生』(TBS系)、『スクール☆ウォーズ』(TBS系)、『愛しあってるかい!』(フジテレビ系)、『あすなろ白書』(フジテレビ系)、『白線流し』(フジテレビ系)、『GTO』(フジテレビ系)、『ごくせん』(日本テレビ系)、『WATER BOYS』(フジテレビ系)、『オレンジデイズ』(TBS系)、『ドラゴン桜』(TBS系)、『花より男子』(TBS系)、『野ブタ。をプロデュース』(日本テレビ系)、『花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~』(フジテレビ系)など、中学・高校・大学を通じて多くの学園ドラマがありましたが、今では年間数本しかありません。学園が舞台の恋愛映画は量産されていますが、「単発である上に、客層が偏り、演技の評価に直結しにくい」などの問題があります。
現在の連ドラは刑事、医療、職業モノが多いため、10代女優が出演するとしたら、「主要キャストの娘」という役がほとんど。あるいは、『べっぴんさん』(NHK)の芳根京子さん、今秋に放送される『わろてんか』の葵わかなさんのように、朝ドラのオーディションを勝ち抜くしかないのです。
ただ、どちらも非常に狭き門であり、役の数に対する競争倍率は20代女優以上と言っていいでしょう。つまり、「10代女優は演じる場が少ないため、バラエティー番組に進出している」という事情もあるのです。
◆グループアイドル増加で競争激化