今回は生前の継承となることから「贈与税」の扱いになるが、政府の有識者会議は、相続税と同様の対応が妥当と判断。4月21日の最終報告で、三種の神器などの贈与税を非課税とすべきとした。しかし、由緒物以外の財産はこれに当てはまらない。
「金融資産、外国から贈られた美術品などの私有財産は課税対象となる可能性があり、相続税より控除額が少なく割高な贈与税が発生することが予想されます」(同前)
◆皇太子が払う贈与税は3億円?
天皇家には私的費用に使用される「内廷費」が毎年支給される。1996年以降は3億2400万円で固定されている。そこから「内廷職員」と呼ばれる私的雇用人の給与や食費、被服費、研究経費、私的な交際費、神事に関する経費などが支出され、残りを貯蓄することも可能。だからといって潤沢な貯蓄ができるわけではなさそうだ。皇室事情に詳しいライターの金原好紀氏が言う。
「様々な費用を差し引くと、天皇家5人が自由に使えるお金は全体の11%ほどで、3000万円程度と言われています。ここから一部を貯蓄に回すこともあるでしょうが、様々な出費も考えられるので、多額の貯金ができるとは考えづらい。なにより毎年、年度始めに宮内庁の『内廷会計審議会』で予算が決められるため、使い切りが“建前”となっています」