人工知能研究者、脳科学コメンテーターの黒川さん


「もともと脳は男女ともに3年すぎると相手を捨てようとするので、それに逆らって生きていくのが結婚なんです。男性の場合は、男性ホルモン・テストステロンの独占欲によって妻や恋人をキープしようとするので、そう深刻に別れる気持ちにはなりませんが、女性が別れたくなる方が多いのは、脳科学的には当然のこと。それを防ぐには、ぜひ共感を。“私の気持ちをわかってくれるのはこの人しかいない”と思われる夫になったら、一生捨てられないですから。

 女は言葉で満たされて、言葉でイクの。“一緒にいる意味”は、言葉なんです。“定年退職したら退職金で世界一周連れてってやるから”なんて、全然だめです。それよりも女性がほしいのは、今日の共感です。先の世界一周でもダイヤモンドでもなくて、“私こんなことがあったのよ”と言ったら、“それは悲しかったよな”というその一言が欲しいだけなの」

◇姉にいじられて育った男性をお手本に

 女性との接し方が抜群にうまいと黒川さんが言うのが、NHK『あさイチ』で有働由美子アナウンサーと絶妙な掛け合いを見せるイノッチこと井ノ原快彦。共感しつつ、ちょっといじる、絶妙な受け答えはいいお手本だという。

「井ノ原さんは本当にうまいです。そして優しいですよね。演技ではなく、自然に体得していると思います。それから姉が2人以上いる人や女性に囲まれて育った男性は、散々いじられてきているので、やっぱり上手ですよ。男兄弟の人は同性兄弟に競争心がわくのか、正義感が強くて“正しく省エネタイプ”が多いですね」

◆男性脳は家事と育児に適さない!?

 共働きが多い現代は、育児や家事に協力的な男性が増えたが、黒川さん自身は“イクメン礼賛”に疑問を感じている。多重のタスクをこなせる女性脳に比べ、男性は同じ量をこなすと3倍のストレスがかかるのだという。さらに動物学上、育児するオスは、生殖ホルモンが出にくくなるとの説も。

「男性ホルモンが出にくくなれば、雄々しさが失われるのはやむを得ないですよね。テストステロンが出にくくなれば独占欲も発情力も弱くなりますから。しかし、働く女性は時間的に追い詰められていますから、夫に子育てさせる代わりに男女の情は手放して、いい親友になるという選択もアリではないでしょうか。その場合、男らしく自分を愛してくれることを期待するのはやめなければいけません」

◆女性脳を活かす

「男性脳と女性脳を活かして補完しあっていくには、まずはお互いの脳の特性を知ることからですね。女性も男性のデリケートな脳をおどかさないことが大事ですし、正義感や勝ち負け意識が少ない私たち女性は、上司の代わりに謝るのも平気ですから、男性はそういった女性の特性をうまく使うといいと思います」

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