国内

「皇室の牧場」職員に不祥事 猟銃所持、飲酒運転、パワハラ

「皇室の牧場」職員に不祥事が発覚

 栃木県宇都宮市から北東へ約13km。高根沢町と芳賀町にまたがって、総面積約252ha、東京ドーム約54個分という広大な敷地がある。見渡す限り牧草が広がり、鬱蒼とした木立が点在するこの場所は『御料(ごりょう)牧場』と呼ばれ、皇族方の食卓にのぼる食材の生産が行われている。

「その名の通り『皇室の牧場』です。鶏肉や卵をはじめ、ソーセージなど豚肉の加工品のほか、バターやヨーグルトなどの乳製品の生産を行っています。また、トマト、レタス、大根など24種の野菜も栽培され、週2、3回皇居へと直送されています」(皇室記者)

 乳牛はホルスタイン種とジャージー種。鶏は卵用種と肉用種で、珍しいところでは日本キジも生産されている。

「職員の数はおよそ70人。そのすべてが宮内庁に雇われた国家公務員です。皇族方の口に入るのはもちろんのこと、宮中晩餐会で供される食材でもあるため、安全性・品質ともに抜群。化学肥料や農薬などを極力使わず、口蹄疫や鳥インフルエンザといった伝染病などにも細心の注意が払われています」(宮内庁関係者)

 御料牧場で生産された食材は、天皇皇后両陛下と皇太子ご一家の食事を担当する宮内庁大膳課に納入され、調理される。秋篠宮家をはじめ他の皇族方は余剰品を購入されることで利用することができる。

 通常は一般人の手元に届くことはないが、2011年の東日本大震災のときには両陛下のご意向で近隣の避難所に届けられた。また、皇居内にある宮内庁の地下食堂では、御料牧場で生産された牛乳が瓶入りで販売されている。

 御料牧場では乗用馬や輓用馬(ばんようば、馬車を引く馬)の飼育もされており、2004年に療養生活に入られた直後の雅子さまが、「治療の一環」として乗馬を取り入れられた際に相棒を務めた白馬「空勇(そらいさむ)」も、その地で育てられた。

 牧場の歴史は明治時代にまで遡る。大久保利通の命により、1875年に綿羊の生産を目的とした下総牧羊場と、家畜改良のための取香種畜場が千葉県成田市に作られた。その後2つは合併し、「下総御料牧場」と改称。1969年、成田空港が建設された時、現在の場所に移転した。

 皇族方が足を運ばれることも頻繁にある。両陛下は昨年6月に2泊3日滞在。2007年には、愛子さまが御料牧場で生まれた子豚をいたく気に入られ、5月、8月、11月と、1年に3度訪れられたこともあった。

 さらにこの秋には、10月19、20日の2日間、初めて一般に公開されることになっている。

「政府の“明日の日本を支える観光ビジョン”の施策の一環です。昨年、地元住民などに一足早く限定公開され、今年は一般公開に踏み切りました。募集人数約160人を大幅に超える応募があったそうです」(前出・皇室記者)

 ところが、そんな“神聖”な御料牧場に近頃、不穏な空気が流れている。

◆パワハラ発覚も宮内庁に報告せず

 10月3日、御料牧場の50代の畜産課長が、必要な許可を得ないまま散弾銃2丁と空気銃1丁を所持していた銃刀法違反容疑で逮捕された。近隣住民が語る。

関連記事

トピックス

全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《全国で被害多発》クマ騒動とコロナ騒動の共通点 “新しい恐怖”にどう立ち向かえばいいのか【石原壮一郎氏が解説】
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
”クマ研究の権威”である坪田敏男教授がインタビューに答えた
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン