国内

がんを患った夫婦の離婚が増加、夫が不倫に走るケースも

がんを患った夫婦の離婚が増加する理由とは?(写真/アフロ)

 ずっと続くと思っていた幸せな日々は、ある日を境に反転した。都内在住の主婦・松山綾さん(仮名・39才)に悪性リンパ腫が見つかったのは5年前。以降、商社勤務の夫と5才の息子と過ごす幸せな毎日は崩れ去った。

「告知されてすぐ入院、手術でした。一命はとりとめたものの、その後に転移がわかり、抗がん剤と放射線治療をして体調が悪化しました。夫は最初こそ心配して一生懸命に看病してくれましたが、次第に自宅でぐったりする私を見て見ぬふりをするようになりました」(綾さん)

 以後、夫の言動からは妻へのいたわりが消え、綾さんが腹痛を訴えても「チッ、またか…」と吐き捨てるようになった。夫は家を空けることも多くなり、夫婦仲は冷え込むばかりだった。

「しまいには義母から、『夫婦で違う道を進むという選択肢もあるんじゃない?』と離婚を促されるようになりました。私が家事をできないことにイライラした夫が子供にきつく当たることも増えて、家庭が極端に不安定になり、ある日、夫から離婚を切り出されました」(綾さん)

 がん闘病で体力の衰えた綾さんに抵抗する力は残っていなかった。結局、抗がん剤と放射線治療の終了を機に夫婦は離婚を選んだ。息子は綾さんが引き取ったが、多感な成長期の男の子が父親を欠くことに申し訳なさを感じているという。

「本当は危機が訪れた時こそ、夫婦関係の真価が問われるはずです。ずっと幸せだったのに、ウチはなんでこんなことになったのか…」

 今も綾さんはがんになった自分を責める毎日だ。

◆「闘病中に夫が浮気」は少なくない

 最近、多くの人々の心を打ったがん闘病といえば、今年6月に亡くなった小林麻央さん(享年34)と市川海老蔵(39才)夫妻だろう。

 2014年10月に麻央さんが乳がんとリンパ節への転移を告知された後、夫婦は二人三脚で闘病生活を続けた。

 夫は忙しい舞台の合間を縫って病床の妻を励まし、階段の移動に苦しむ麻央さんのため、バリアフリーが充実したマンションへと引っ越した。海老蔵の献身的な姿勢は、がんになっても揺るがない夫婦の絆の強さを印象づけた。

関連記事

トピックス

11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
グラビア界の「きれいなお姉さん」として確固たる地位を固めた斉藤里奈
「グラビアに抵抗あり」でも初挑戦で「現場の熱量に驚愕」 元ミスマガ・斉藤里奈が努力でつかんだ「声のお仕事」
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン