芸能

1980年代に女子アナの「タレント化」を決定づけた中井美穂

月9ドラマにも出演した中井美穂アナ(2011年)

 まだ女子アナという言葉がなかった1958年、今年6月に亡くなった女優の野際陽子がNHKに入社した。在籍期間はわずか4年と短かったが、朝のワイドショーの司会や1959年に発生した伊勢湾台風の現地レポートなど売れっ子アナとして世間に広く認知された。

 これをきっかけにテレビ番組における「女子アナ」という存在が大きくなっていった。各局の女性アナウンサーたちはどのようにして今日のようなアイドル的な地位を確立していったのか。女子アナウォッチャーの丸山大次郎氏が解説する。

「野際さんの時代でいえば女性アナウンサーはキャリア女性の象徴で、高学歴で容姿端麗な女性が次々と採用されていました。“女子アナ”という呼び方の語源は諸説ありますが、1987年にフジテレビ出版より発行された女性アナ14人の発言集『アナ本』がきっかけではないかといわれています」(以下同)

 1980年代に入ると、女子アナの「タレント化」が急速に進む。

「1987年にフジテレビに中井美穂アナが採用され、入社2年目で『プロ野球ニュース』を担当。それまでベテランアナが牽引してきた番組に、野球知識ゼロの彼女を起用し、新風を巻き起こしました。

 監督や選手たちが彼女に特ダネを提供する事態にまで発展したほどです。そればかりか中井は月9ドラマ『同・級・生』にレギュラー出演し、女子アナのタレント化を決定づけた。さらに1988年、フジテレビに有賀さつきアナ、河野景子アナ、八木亜希子アナの“花の三人組”が入社したのも大きい。フジは彼女たちをまるで新人アイドルのように売り出しました」

 1980年代後半から1990年代にかけて女子アナ=局の顔という構図が出来上がっていった。

関連記事

トピックス

手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《「ダサい」と言われた過去も》大谷翔平がレッドカーペットでイジられた“ファッションセンスの向上”「真美子さんが君をアップグレードしてくれたんだね」
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
《小室圭さんの赤ちゃん片手抱っこが話題》眞子さんとの第1子は“生後3か月未満”か 生育環境で身についたイクメンの極意「できるほうがやればいい」
NEWSポストセブン
『国宝』に出演する横浜流星(左)と吉沢亮
大ヒット映画『国宝』、劇中の濃密な描写は実在する? 隠し子、名跡継承、借金…もっと面白く楽しむための歌舞伎“元ネタ”事件簿
週刊ポスト
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
【独占インタビュー】お嬢様学校出身、同性愛、整形400万円…過激デモに出没する中核派“謎の美女”ニノミヤさん(21)が明かす半生「若い女性を虐げる社会を変えるには政治しかない」
NEWSポストセブン
山本アナ
「一石を投じたな…」参政党の“日本人ファースト”に対するTBS・山本恵里伽アナの発言はなぜ炎上したのか【フィフィ氏が指摘】
NEWSポストセブン
今年の夏ドラマは嵐のメンバーの主演作が揃っている
《嵐の夏がやってきた!》相葉雅紀、櫻井翔、松本潤の主演ドラマがスタート ラストスパートと言わんばかりに精力的に活動する嵐のメンバーたち、後輩との絡みも積極的に
女性セブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン