そんな中、キャスター東山がどんな進行を見せるのかと思ったが、現時点での印象は「まだまだ堅い」。小木アナと新聞をはさんで記事を紹介しても、「野村さん、いかがですか」と話を振るときも、東山のスマートな身のこなしは、アナウンサーとは一味違う。長い経験の中で本能的に身についたものだろう。しかし、どこか浮世離れして見えるのも事実。体脂肪率と生活感は反比例するんですな…。
こうした「浮世離れ」ムードを克服し、視聴者と同じ生活感を出すため、東山が打ち出したのは、「二児の父の顔」であった。放送2回目の冒頭、東山は「(1回目の放送を見た)家帰って5歳の娘からダメ出しがありまして…『おはようございますがちょっと暗いね』と言われました」と告白。場を和ませた。私生活について一切語らないアイドルも多い中、東山は語るアイドルになったのだった。
そんな東山が一番面白いのは、オープニングトーク。3回目のオープニングでも、「うわさによるとみなさんがぼくに気を使い過ぎてるといいますが、だいぶ慣れてきたでしょ? いいお兄さんだとわかったでしょ」とニコニコ。小木アナに「なんか押しつけがましい感じが」とわいわいと笑いながら会話でスタートした。
お天気キャスターが気温の低さを強調しつつ「ホットな飲み物でホッとするのもいいですね」とカックンとなるようなコメントを出すと、東山はすかさず「さあ、ほっとしたところで…」と進行する余裕を見せた。
5時50分のオープニングは全国放送ではなく、見られない地域もある。神戸製鋼のデータ改ざんのニュースの際に、東山は過去に企業の隠ぺいを扱ったドラマ『七つの会議』に出演した話をしたが、もっともっと自分の意見を出してもいい。番組自体の個性もまだ確立していない。オープニングトークの勢いで、「語るアイドルキャスター」になりきる。これが番組と視聴者が東山に求めるものだと思う。